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【R35+】不安な健康診断  作者: 如月一歩
12/12

第12話 健診後の昼食

 更衣室で着替え、受付に使用済みのシャツとズボンを手渡した。預けていた保険証をもらい、「胃カメラ検査を終了された患者様へ」の用紙で注意事項の説明を受けた。ピロリ菌や病理検査で細胞を取ることがなかったため、食事は1時間後から可能。11時20分から」と手書きで補記されていた。

 会計は4万9940円で、デビッドカードで支払った。最近、現金はほとんど使わなくなってきた。ポイントも付くし、この費用は会社の健康保険組合に補助を申請することができるので金銭的な負担はない。MRI検査やCT検査はオプションだが、ここ数年、毎年受診している。

 領収証とカードのレシートとともに、「お食事券」を手渡された。このクリニックのある商業ビルの高層階にあるレストランで利用できる券で、これも今日の目的の一つにしていた。


 エレベーターに乗り、50階へ向かった。時計をみると、まだ11時05分だったが、小洒落たレストランコーナーのソファーで休憩することができる。お目当ての焼肉店へ行くと入口に「ランチは11時30分から」と書かれたプレートがあった。店の前の丸椅子には先着の2名が座っていた。

 お食事券は満席だと断られることがあると聞いていたので、3番目で待つことにした。定刻でオープンすると、先に予約客から案内が始まった。5組の予約客が先に店内に入ったが、「予約無しのお一人様」も無事に入店することができた。

 窓側の景気がよく見える席に案内された。隣には30歳くらいの男女のペアが座ってメニューを見ていた。ビールを注文している二人が少しうらやましかった。

 お食事券用のメニューには、追加オプションがいくつかあったが、即決で「400円でお肉増量」を注文した。

 ご飯・サラダ・スープはおかわり自由で、お肉も4種類あり、食後にはデザートとコーヒーが付くコース。

 のんびり一人で、自分のペースで焼くことができ、健診の心と体の疲れを癒すことができた。貧乏性の癖で、おかわり3種をお願いし、結局、ご飯は2杯半も食べてしまった。最後はデザートのアイスとコーヒーを堪能し、下界へ戻ることにした。


 店を出ると、急に満腹感が襲ってきた。食べ過ぎでドンドン気持ちが悪くなっていった。我慢しながら電車に乗り、会社へ向かった。健診前はメタボを気にして摂生していたのに、タガが外れてしまった。ご褒美企画に悪ノリしてしまった。


 会社に戻ると、すぐに打ち合わせが連続で待っていた。全身の血が胃腸に回っていて、なかなか脳は機能しなかった。アイスブレイクネタとして、健診の出来事を話して笑いを取りながら、こっそりと頭の準備時間を稼いでいた。


 帰りの電車の中で一人反省会を行った。「クリニックの高額オプションサービスはお食事券ではなく、健康グッズにすべき!」「でも、あの苦しい胃カメラはご褒美企画がないと怖くて挑戦しにくい」など、1日の出来事を振り返った。

 やはり、「規則正しい生活」「適度な運動」「バランスの取れた食生活」は大切である。来年の健診に向けて「もう少し暖かくなったら、ウォーキングを再開しよう!」と心の中で強く誓った。(次は大腸内視鏡検査かもしれないが)

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