49 決着
私たちはそんな話を続ける中、彼女が最後の1枚を手にした。
私たちの目の前には4枚のリバースカードが並ぶ。
遂に決着がつく。これが本当の最後だ。
「引き終えましたねぇ〜。これが本当に最後です。覚悟はよろしいですか?」
やるだけやった悔いはない。けど負けたくはない。この人には最後の最後までお世話になったけど、きっと――。
「ああ、構わんぞ」
彼女はそう答えると少し前のめりになる。
――この人を超えなければならない。だから勝つ!
「……うん!いいよ」
私は力強く頷き答えた。
「ではいきますよ……」
ドックンと心臓の鼓動がまた聞こえてくる。しかし、あの時とは違う。静かだ。
……ドックン。
……ドックン。
……ドックン。
静かにしかし確か鼓動を感じる。恐怖は何故か湧かなかった。
……ドックン。
……ドックン。
……ドックン。
「ジャッジ!」
リバースカードが全てオープンする。
あの時とは違い、目はつぶらない。確かめるんだ!自分の未来を――。
佐藤 美夢……6、8、3、2。
東堂 雪綱……1、4、5、7。
パッと見ではわからなかった。
…………私の方が多い。数字が大きい!
「決着が着きましたねぇ。勝者!佐藤 美夢!!」
「……!!」
「ふう。負けたか」
勝った……勝ったの……。
気持ちが高ぶる。今までに感じたことのない高ぶりを……。
「ーーっ!やっったあぁーー!!」
ガタンと椅子から立ち上がり、私は喜びを身体いっぱいに表現する。
「勝ったあぁーー!!」
「美夢が勝ったあぁーー!!」
「みぃーゆぅーー!!」
「きゃああ」
いきなり後ろから抱きつかれる。奈々だ。えっいたの?
「ちょ、ちょっと待って――」
「良かった!よがっだよ美夢ぅーー!」
奈々の顔は涙でボロボロだ。せっかくの可愛い顔が台無しだ。その後ろから……。
どすどす。
「美夢ーー!!」
ほのかも抱きつく体勢に入った。私は焦る。あの体型で奈々にも抱きつかれているのに突っ込まれたら……。
「ほのか!ほのかはホントに――」
ドスーン!!
「きゃああ、あぶ……」
「ぐえ……」
私と奈々は勢いよく突っ込んできたほのかに潰された。
それを見た東堂さんは呆れるように首を横へ振り……。
「やれやれ、締まらんな」
と楽しそうに笑った。
「これにて人生終了ゲーム……リバースカード終了です!」
悪魔は高らかに宣言した。
周りを見るといつのまにか負けた2人と爺の姿もある。
――こうして人生終了ゲーム……リバースカードは幕を閉じた。




