23 答え合わせ
「やっと気づきましたのね」
さらっと言って見せたのはエリスちゃん。
「……いつから気付いてたの?」
「そんなに睨まないで下さいまし。気づかない方が悪いんですわ」
ふんと鼻を鳴らし、気付いたのならと教えてくれた。
「私が気付いたのは1セット目のフェイズ1。……私、このゲームは自分のカードに対し、より多くの情報を得ることが重要だとルール説明の時点でまあ、思いまして――」
私はそこを考えなかった。保守的な考えに陥り、考えが狭くなっていた。
「ナンバーを選びましたの。確率を考えればオープンよりもナンバーの方が圧倒的に確率が良いもの」
「……それで15の数字が頭に浮かんだ」
「ですの。だから答えも簡単でしたわ。1から8の数字から組み合わせで15になるのは1組しかありませんもの。そして……」
ちらっと横を見た。東堂さんが、んっ?と不思議そうに見る。
「そちらの頭の悪そうなお方がオープンして下さったおかげで気づきましたわ」
東堂さんが1セット目でオープンしていたカードの中身は5だった。つまり……。
「私のカードは7と8、彼女のカードが5……でしたら後は予想通り、フェイズ3でリバースカードを全て見てみると……後はあなたの想像通りですの」
ふっと笑ってみせた。リバースカードの中身は全て1から8、被りなど1枚も存在しなかったのだ。
「倉田さんも気づいたんだよね?」
「ええ。でも……彼女が笑みを浮かべていなかったら気づかなかったかもね」
「なんですって」
……そう。私も倉田さんの行動を思い出してこれに気づいた。
「あたしもあなた同様、攻められるものならという意味で1セット目、まだやり直しが効くこのセットでフェイズ2での行動を試したかった」
「それで私を?」
「最初はそんな気はなかった。この中で1番年下だけど1番厄介そうだったから……」
確かにエリスちゃんはこのゲームに対しての質問や判断能力は高かった。警戒もするよね。
「でも、あなたの表情を見て考えが変わったわ。何か大事なことに気づいたんだって」
うっかりしていたわと口に手を当てる。
「そしてエリスちゃんのナンバーと東堂さんのカードを見て気づいたんだ」
こくっと頷いた。私が気づかなかったのは考えが狭かったのとリバースカードが一斉にオープンし、自分のカードを見るのに手一杯だったこと。
それを思えば、悪魔が答えを伏せて置くという狙いもわかる。分かりづらくするため。面白いというのも恐らく本音だろうが……。
「まあ、及第点ではありませんの?3セット目に気づいて。まだ、気づかなければ手遅れでしたろうに……まあ、私はそれでも構わなかったですけど」
本当にこのタイミングで気づいて良かった。私は案の定まだポイントが並んでいる。
「ここからが――」
息巻いて発言しようとした時……。
「お前たち、さっきから何の話をしているのだ?」
ずっ。3人が思わずこけた。ここの人……。
さすがの私も呆れる。まだ、気づいてない人がいたよ!ここに!




