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人生終了ゲーム 〜リバースカード〜  作者: Teko
3章 人生終了ゲーム開幕
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21 推理

 

 エリスちゃんは1セット目、15って数字が浮かんだんだ。私は改めてナンバーの意味を理解する。


 ナンバーを選択すれば合計数字が浮かぶ。その浮かぶ数字の中に勝ち札があったんだ。


 2、3、4、14、15、この数字が頭に出れば確実に正解できる。だって1から8の数字がこの――リバースカードを見る――中にあるから、答えは元々限られている。


 どうしてこんなに簡単なことに気付かなかったの。確実にその数字を引き当てられなくても、ドローよりもナンバーの方が獲得枚数は明らかに多いのに。


 今更、後悔をする。アイドル事務所の時もそうだったが、気づくのがやはり遅い。ため息が溢れる。


 パンパンと頰叩き、落ち込む自分を奮い立たせる。


 まだ、考えることがある。


 そう……まだ、考えること、それは……1セット目、倉田さんがエリスちゃんのナンバーをどうして見たのか。


 私はリバースカードを当てた人の行動を探り探り思い出す。それがきっと勝利への道。


 エリスちゃんがリバースカードを当てた理由はわかった。倉田さんも2セット目は同様の理由だけど……どうにも引っかかる。


 引っかかるのは倉田さんのナンバーを見た時の悔しそうな表情ではない。その行動をした上で悪魔に言った言葉が気にかかる。


「どこまでも試すんですね」


 試す?私たちを?そりゃあこの悪魔は人間の苦しむ姿がどうのとは言ってたけど……多分、倉田さんの言っている意味とは違うよね。


 1セット目の倉田さんの行動を覚えている限りを思い出す。まだ、あの段階では周りはある程度見ていたし……。


 倉田さんはフェイズ1は私と同じドローを選択。フェイズ2でそのカードを切り、エリスちゃんを選択しナンバーを選択した――。


 その時見たナンバーで恐らく、倉田さんも彼女が正解するのをわかってしまった。だから当てられても私のように動揺しなかった。


 ――で、その後、彼女は何をした?いや、何もしてはいない。見ていた?どこを?何を?


 私は必死に考える。エリスちゃんが急かすような声が聞こえるが、今は耳を傾けちゃダメ。


 ……思い出した。エリスちゃんを見た後、ちらっと東堂さんのカードを見ていた。オープンされた5のカードを……。


 私は整理する。

 ……悪魔に言った「試す」という言葉……エリスちゃんのナンバー……東堂さんのオープンした5という数字……。


 俯きながら唸ったがわからない。何か出掛かりそうなんだけどなぁ。


 髪をぐしゃぐしゃしながら前を見た。


 …………。……!


「あ……あああっ!」


 私は気付いた。私は震える。


 なんて見当違いのゲームをしていたんだろうと――。

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