20 ポイントカード
彼女が落ち着きを取り戻し、冷静に考える様子を見守る2人は安堵する。
「何とか落ち着いて考えてるようだね」
「うん!あの道着の人のおかげだね」
奈々は嬉しいそうだ。ほのかもほっと一安心する。
「これから彼女はどうなさるのでしょう?」
「まあ、あなたからしたら気になるよね。美夢は敵だし……」
「ええ、申し訳ありませんが……」
ペコッと謝る。
「お互い、とにかく見守りましょうよ」
外野組は穏やかである。
「なんか美夢、気付いたみたいな顔してるよ。……あ、落ち込んだ」
「多分、やっと頭が冷静になってゲームの本質が見えてきたんじゃない?」
「ゲームの本質?」
そう!と指を立てて解説。
「多分、美夢が気付いたのはリバースカードを当てた理由。大まかには理解してたろうけど、こんな状況だからね……」
自分も悪魔に地獄が待ってますなんて言われたら、あそこの3人みたいに冷静で入られたかなと言う。
「そっか。だから美夢、ドローを選択してたんだね」
「うん。確かにドローも選択としては悪くはないよ。だけど、このゲーム、どれだけポイントカードが手に入るかも重要なんだよ」
「そこを見落としになられていたということですね」
うん。と答え、理由はさっき言った通りとも答えた。
「このゲーム、ドローを選択すれば1ポイント、当てれば2ポイント、両方できれば3ポイント手に入れられるってことだよね」
「うん。美夢が取ろうとしたジリ貧作戦も、実際悪魔がそんな試合もあったって補足がついたから、余計に考えなかったんだよ。2ポイント取れるって手段を……」
3ポイントは現実的じゃないしね……と補足。
「そうですね。36分の1の確率はさすがに信用できませんからね」
2人はぎょっとした。
「割り出したんですか?」
「ええ、まあ。考えるお時間もありますし」
咳き込み……。
「んんっ、とにかく美夢が勝つにはリバースカードの中身を当てるしかないってこと。ていうか当てなきゃ勝てない。他2人は当てたんだし、次も当ててくる可能性は十分あるよ」
「でも美夢もリバースカードを当てれる理由がわかったのなら、大丈夫だよね?」
「まあ、ギリギリかな」
そう言いながらもまだ彼女たちはある違和感に気づけてはいなかった。
思い込みという悪魔の罠に……。




