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人生終了ゲーム 〜リバースカード〜  作者: Teko
3章 人生終了ゲーム開幕
39/86

18 困惑

 

 佐藤 美夢……7、8、答え……6、8。


 倉田 千夏……1、7、答え……1、7。


 東堂 雪綱……7、8、答え……2、5。


 エリス・メールワルス……2、8、答え……3、4。


「おめでとうございます!倉田さんのみ正解となりまーす」


 パチンッ、シュッとカードが倉田さんの前へ。


「2枚獲得となりまーす」


 ま、また正解者が出た!

 私は酷く同様するが、他2人はその様子がない。


「ふうぅー、当たって良かった」


 倉田さんは安堵した。顔色が良くなっていく。

 一方で私は酷くなっていく。


「では、3セット目に――」


 悪魔の言葉が耳に入ってこない。


 どうしよ!どうしよ!どうしよう!私の考えが間違っていたの!?

 仮にここから先のゲームで彼女たちがポイントカードを当てて獲得し続ければ――今、2セット目が終わったところ――5セット目には負ける。


 ずんっとプレッシャーがのしかかる。

 負ければ、永遠の地獄が待ってる。あの映像もそうだけど、今の人生も不幸に堕とされる。


 嫌なことばかり頭に浮かぶ。

 親に反対して東京に出てきたから呼び戻されるのかな……いや、悪魔は死にたいと望むほどの不幸が襲うって言ってた。親の縁を何かしら切られ、天涯孤独になったり……。


 それとも変な人に絡まれて想像もつかないような恐ろしい目に会うかもしれない。


 東京に来て初めてできた友達に……地元の友達にも見捨てられるかもしれない。


 思い通りにいかない!勝たなきゃいけないのに……負けたくないのに……。


 嫌だ!見たくない!地獄なんて!不幸なんて!絶望だなんて!悪魔を見る。


 何で私なの?私はこんなに苦しい思いなんてしたくないのに。どうして私を選んだの?

 考えがごちゃごちゃになり、自分でも何を考えているのかもう、分からない!


 悪魔は目玉をギョロリとこちらに向け、ゆっくりと笑う。

 まるで、美味しそうなご馳走を見るような楽しげな表情だ。


 そんな目で見ないで!笑わないで!


 こんなに弱い私を虐めないで……。


 私は両手で顔を隠し俯く。

 エリスはふっと余裕の笑みを……倉田は申し訳なさそうな表情をするも悪いけどと覚悟ある顔をする。

 そして……。


「下を向くな!顔を上げろ!」


 喝を入れるような怒号の声が空間に響く。

 今まで心臓の鼓動で聞こえなかった、周りのシンとした静寂が聞こえる。


 覚醒する。バッと前を向くと、真剣に私を見る道着姿の勇ましい女性の姿があった。

 ゲームという場にはそぐわぬ格好をするその人こそ、東堂 雪綱さんだった――。



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