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人生終了ゲーム 〜リバースカード〜  作者: Teko
3章 人生終了ゲーム開幕
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17 葛藤

 

 ――2セット目フェイズ2は誰も何もせず、現在フェイズ3でカードを選択中。


 私は不安を自分から煽っている。

 もし、1セット目みたいに誰かが当てたらどうしよう。そのためにドローは選んでみたものの不安があるよ。


 ちらっとエリスちゃんを見る。

 彼女は当てた。ナンバーである程度わかっていたとは言え……。だってナンバーは自分のカードの中身次第では確率も大きく変わる。オープンだってそうだ。


 心臓の音がうるさい。負けた後の光景が脳裏にかすみ続ける。


 私にはそんなことできない。だからこの5セット全部ドローにすれば、5セット目ではポイントカードが5枚になる。これって勝ち筋って見てもいいよね。

 誰に言っているんだろう。1人で思って1人で納得すると……。


 あ……だから悪魔はほのかや奈々を消したんだ。自分で考えさせるために……。

 悪魔を見る。気付いたのか悪魔は声をかける。


「何です?」


「う、ううん。何でもない」


 首を素早くぶんぶんと振った。


 甘えちゃダメってことなんだよなぁ。この悪魔もあの社長みたいなことを言うのかな?

 私は社長の言葉を思い出す――。


「お前たちはただ尻を振り餌をねだるだけの卑しい豚だ」


 ……豚か。そんなつもりは自分の中では無かった。

 でも、他人から見たら、そう写ったんだろうな……。他の練習生以外の人たちは私たちのこと、どう見てたんだろう。


 努力をしている自分に酔っているバカに見えたのかな?それとも社長のように餌を待っている家畜か何かに見えたのかな……。


 改めて自分の情けなさが身に染みる。みんなだってあの社長だって私同様……ううん、私以上に努力して掴みとったんだ。私はしなかっただけ。


 そのしなかったことを咎められたんだ。しなければ何も起きないのに……。頭が下がる。


 そして、その弱さがこの恐ろしいゲームに導かれたのだろう。だが、私は喜んでしまった。弱いから喜んでしまったのだ。


 情けない。本当に……。努力している人たちを踏み台に悪魔の力でアイドルになろうとすることに喜んでいた自分に。


 だから、このゲームだけでも勝たなくちゃ。自分の力で……。


 他3人はカードを置き終えたようだ。


 私は私の最善を取れたはず……自信を持とう。私は2枚カードを取り、伏せた。


「皆さん置きましたね。よろしいですか?……では、「ジャッジ!」」

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