09 見えぬ攻撃
各々、宣言する。
佐藤 美夢……ドロー。
エリス・メールワルス……ナンバー。
倉田 千夏……ドロー。
東堂 雪綱……オープン。
「はい。では、佐藤さん、倉田さんはドロー。東堂さんはオープン、エリスちゃんはナンバー!それでは……」
パチンッと鳴らすと、シュッと私と倉田さんのところへポイントカードが1枚ずつ配られた。
「では、エリスちゃんには――」
「何で私だけちゃん付けですの?」
自分だけちゃん付けが気にくわないらしい。頰を膨らませ怒っている。
「だってあなた、1番年下ですし、12歳でしょ」
あ……12歳だったんだ。こんなに小さいから10歳前後くらいかと思った……けど、言わない方がいいな……。
「まだ、9歳くらいかと思ったぞ」
言ったぁー。プライドが高そうな彼女に言っちゃったよ。この人……。
「な、なんですって!」
「ちょっと東堂さん。そうゆうのは言っちゃっダメだって。それにあなたのところも広告に年齢制限書かれてなかった?」
「ん?そういえば書かれていたような……」
パンパンと手を叩く音が聞こえた。
「はいはい。じゃれるのもいいですが、ゲーム進めますよぉ。エリスちゃんには自分のリバースカードの合計数字が表示されますよ」
パチンッと鳴らすと頭に数字が表示されたのか、先程までの不機嫌そうな表情とは一転、落ち着いた表情でニッと笑った。
何かわかったのかな?顔色を伺った。
「では、東堂さんはどちらかのリバースカードを選択してください。それを私がオープンします」
「わかった。では、右だ」
「わかりました。……では」
東堂さんから見て右のリバースカードがオープン。5と書かれている。
「ふむ、5か」
「…………」
何やらエリスちゃんの様子がおかしい。真剣な眼差しでオープンしたカードを見ているようだ。
「では、フェイズ2。ポイントカードをお持ちのお2人、カードを捨てて相手を1人選択、オープンかナンバー宣言しますか?」
「私はしないよ」
私は即答した。元々、負けないように安全策を取ったのにわざわざ捨てたりなんてしない。
倉田さんもそうだよねっと横目に確認すると……何やらエリスちゃんを見ている。そして……。
「あたしは捨てるよ。エリスちゃん、ナンバー」
手に持っていたポイントカードをシュッと滑らせるように白枠の中へ入れた。えっ!何で?少し目を見開き驚く。
「わかりました。では、倉田さんにもエリスちゃんの合計数字が表示されますよ」
パチンッ。
頭の中に表示されたらしい。はっという表情を見ればわかる。そんなにふっと浮かぶものなのかな。
倉田さんはキッとエリスちゃんを睨む。なんかやられたって感じの表情に見える。それを見たエリスちゃんはふっと余裕の笑みをこぼした。




