06 ゲームスタート
悪魔は丁寧にゲームのルールを説明してくれた。
「では皆さん、もうこれで何もありませんね?」
全員、頷く。みんな、負ける気などさらさらないと言わんばかりの表情だ。
私だって負けない。負けたら地獄が待ってる。あれ以上の苦悩が訪れると思うと――脳裏に最近の出来事が浮かぶ――怖い。目つきをキッとする。
負けない!絶対!例え……ここにいる人たちを犠牲にしても!
「ではいきます!人生終了ゲーム、リバースカード……ゲームスタート……」
パチンッ。ブブンッとリバースカードがブレるように見えた。
「あ、悪魔さん。今カードがブレたような……」
神経質になってるのか、思わず聞いた。
「あー、カードの中身を変えただけですよ。1セットごとの初めしかしないですから、ご安心を……。ちなみに私もカードの中身は知りません」
「――はぁ?カードの中身を知らないって、あなたゲームマスターって自分で言いましたよね?」
信じられないとエリスちゃんがツッコんだ。
「確かに私はゲームマスターですけど……兼、観客でもあるんですよ。ぜひ、楽しませて下さいね。ちなみにゲームマスターのお仕事もちゃんと公平にやりますから、大丈夫ですよ」
「そんないい加減な……」
「……あなた、とことん私たちを試して、とことん楽しむつもりですのね」
悪魔は戯けながら笑い、私は呆れる。でも、少し冷静になった気がする。
悪魔はバッと両手を広げ……。
「では、改めてゲームを進行しますよ。フェイズ1。皆さん、「オープン」か「ナンバー」か「ドロー」どれかコインで宣言して下さい」
いよいよ、本格的にゲームが始まった――。




