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人生終了ゲーム 〜リバースカード〜  作者: Teko
3章 人生終了ゲーム開幕
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03 ルール説明その2

 

「では、ここからはフェイズごとにやることを説明しまーす」


 人差し指を立て……。


「フェイズ1!まずは皆さんには「オープン」、「ナンバー」、「ドロー」の中から1つやりたい事を宣言して下さい」


 多分、これ結構重要だよね……。みんなも真剣に聞いている。


「まず、「オープン」を宣言された場合、皆さんの目の前にある当てていただくリバースカード、どちらか1枚めくれます。どちらをめくるかは自由です。」


「つまり、2枚当てる内の1枚がわかるってこと……だよね?」


「そうです。次に「ナンバー」を宣言された場合、皆さんの目の前にあるリバースカードの中身、数字なんですが――」


 そっか。あの2枚、数字なのか。だから――。

 カードの束を広げて見る。

 1から8なのか……。


「――その合計の数字がその人のみわかるように頭の中に表示されます」


「……つまり、例えば(わたくし)がナンバーを宣言。私のリバースカードが2と3であれば、私の頭の中のみに5が浮かぶ……で、間違いないですの?」


 エリスちゃんが確認。小首を傾げて。悪魔は頷き……。


「分かりやすい例をありがとう。最後に「ドロー」を宣言された場合。こちらのカードをプレゼント」


 悪魔はピッと手から1枚のカードを出す。リバースカードの柄とは一緒だが……色が違う。赤色だ。


 ちなみに束のカードとリバースカードの柄は一緒である。カードの淵は白、真ん中が黒だ。


「そのカードは?」


「勝利に必要なカード、ポイントカードです」


「!」


「リバースカードの中身が当たれば2枚差し上げるのですが……ドローを宣言した場合、当てる事問わず、これを1枚、差し上げます」


 つまり、勝ち点が1枚、無条件で貰えるってこと?これって割と大きいんじゃ……。


 そう悩んでいるとエリスが腕を組み、足を組んで悪魔に聞いた。


「宣言の仕方は?口頭ですの?」


「いいえ。そのコインでやっていただきます」


「……え、コインで?」


 疑問を浮かべる。まさかコイントスで決めるとか言わないよね。


「宣言の仕方はまず、宣言したい方を表にしていただき、指なり手のひらなりコインを隠していただいて、全員の準備ができましたら、私が「オープン!」と言いますので手を退けて下さい。私から見えているものを宣言と捉えます。ドローの場合はそのままコインを手に持ち、テーブルから退けて下さい」


「何でそんな回りくどいやり方なのよ」


「普通に口頭でも良くないですか?」


 エリスちゃんと倉田さんの言う通りだと思う。うんうんと頷く。

 悪魔はニヤリと笑うとその方が楽しいからですと答え……。


「他のプレイヤーの意見に便乗させないという意味もあります」


「便乗?」


「ええ。だってほとんどの人が人生終了ゲームは初見です。初めてやるゲームだからこそ、自分の考えだけで行動をするのは勇気がいる。……自分のこの行動は大丈夫なのか、え、あの人たちはそっちなの?じゃあ私も……なーんてつまらないじゃないですか」


 やれやれと人間の集団的行動を哀れむ。そして悪魔はこのゲームの意図を話す。


「私はですね、この人生終了ゲームはあなた方の運命を弄び、必死に勝ちに行くためにその脳みそで考えて考えて考えて考えさせて、その過程、行く先を見て楽しみたいんですよ。なのに他人の意見に合わせられるルールを私は作りません」


「……なるほど。つまりあなたは私たちをとことん試したいってことかしら?」


 はい!と悪魔は答えた。

 悪魔がこのゲームをする意図は私たちが苦悩し苦しむ姿が見たい。……ただそれだけ。

 実に悪魔らしい考えだと思った。

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