01 ゲーム決定
「ではまず、皆さんがお持ちの石を頂きますね」
パチンッと鳴らすと悪魔の右手に集まり……ぐしゃっと手で握った。手を広げ、その右手の宙にサイコロが浮かんでいた。
「サイコロ?」
「はい。10面ダイスです」
10面ダイス。名の通り10面あるダイス。0から9までの数字が書かれている。
「これより、皆さんから頂いたこの石、10面ダイスでゲーム内容を決めます。出た目に決められた、ゲームで勝負していただきますぅ」
なるほどと思いながら、目を宙に浮いたダイスに向けていると横から声が聞こえた。エリスちゃんの声。
「それ、私達に何か意味ありますの?勝っても負けても2度とここには来たくありませんのに出た目でゲームと言われましても……」
確かにそうだなぁ。こんなゲーム2度とごめんだよね。倉田さんもうんうんと頷く。
「まぁこれは私が楽しむためのものですから、お気になさらず……」
「何ですの!それ!」
エリスちゃんは思わずツッコミ、悪魔は笑う。
「まぁ皆さんにも楽しんでいただけるよう、ドッキドキタイムをご用意してますよぉ」
「……これ以上、心臓に悪いこと……やめてくれる?」
やっとでさえ恐ろしい罰ゲームがあるのに、その上何をさせる気なんだか。
「出目を当てていただきます」
「出目を?」
「はい。お1人ずつ12から120までの内、おひとつ宣言して下さい」
石は1人3個持ってきたから合計12個。今の言い方だと0は10扱いらしい。その中から当てるって……。
「確率は低くありませんの?」
当然の意見だ。悪魔はまあ当たればいいかな程度で楽しんでくださいとのこと。
「ちなみに当たったら?」
「当てたプレイヤーがゲームを少し有利な状態で始められます」
――どんなゲームが来るかわからない以上、出来れば当てたいが……。むむむっと顔をしかめる。
「では、皆さん数字をどうぞ」
私は65、倉田さんは58、エリスちゃんは72、東堂さんは……。
「私はいい。元々、ここには度胸試しできたのだ。有利になるなど論外だ」
この人は勝負師らしい。着てるの道着だけど……。
「では皆さん、覚悟はよろしいですね?」
みんな真剣な表情をして頷く。勝つ!私、勝つよ!
「ではいきますよ!運命のダイス!!」
悪魔の手からダイスが勢いよく離れ、床に散らばる。黒い空間ではあるからか数字が浮き出て見える。バラバラバラ。
ダイスが止まる。止まったが沢山あるため出目が私たちじゃわからない。
「あ〜〜惜しいですねぇ。78です」
エリスちゃん、舌打ち。この年齢の子がやるのはあまり見たくない。
「ゲーム内容は――」
このゲームで私の未来が決まると言っても過言じゃない。勝てば夢にまで見たアイドルに……負ければ永遠に続く地獄にあう。必ず勝つ!
……あれ?そういえば負ければ人生終了は分かるけど勝ってもってどういうこと?
「"リバースカード"です!」