表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生終了ゲーム 〜リバースカード〜  作者: Teko
2章 悪魔降臨
18/86

05 望み

 

「状況の説明が欲しいですわね。悪魔さん?」


 腕を組み、キッと睨む。

 悪魔はまあまあという仕草をすると答えた。


「するために出てきたんですからしますよ。ちゃーんとね☆」


「その……人を小馬鹿にする態度、何とかなりませんの?」


「なりましぇーん!キャッハハハハハハ」


 イライラするが、そうも言ってられない。こんな訳の分からない場所にずっとというわけにもいかない。


「とにかく説明、お願いしてもいい」


「はいはーい。コッホンッ」


 悪魔は私の方へ向くと説明を始めた。


「ここは私、悪魔が支配する空間でその石は私とあなた達を繋ぐ……そうですね、通行証とでも言っておきましょう」


「石ってこれの事?」


 右手の石を差し出して見せる。ほのかと奈々、爺を除く、他の人たちも自分たちの石を見る。

 悪魔はそうそうと頷くと……。


「そして、石を持ち、参加表明していただいた皆様でゲームをやっていただきます。」


「……ゲーム?」


「……人生終了ゲーム」


 私は広告を思い出す。確かにそんなことが書かれていた。


「ちょっと待ってくださいな。(わたくし)は望みの魔人を呼び出す儀式をしたのよ。ゲームだなんて聞いてないわ」


「ええ。言ってませんもん」


「はあぁ」


 確かにさっきみんなの事情を聞いたと時、それらしい説明があったのは私と東堂さんくらいだ。


「……じゃあ、望みが叶うおまじないっていうのは、嘘なの……」


 わなわなと倉田さんが青ざめながら語る。それを聞いてエリスちゃんも……。


「冗談じゃありませんわ!私にはやらなければならないことが――」


「望み、叶いますよ」


 刹那。私たちの表情が変わる。


「あなた方の望み、ぜーーんぶ叶いますよぉー」


 小馬鹿にする言い方だが、聞かずにはいられなかった。


「例えば……没落したお家の復興や治らないと診断された足を治すとか」


 2人の目が輝いていく。


「……あとはアイドルにだってなれますよ」


 ――心の中は落ち着いてなどいなかった。


 叶う!アイドルになれる!私の憧れたあの輝く存在に――。


「ええ!なれますとも!できますとも!何でもかんでも叶え放題!」


「叶う!我が家の復興が……爺!」


「本当に叶うの……もう諦めてた……歩くこと、走ること!」


「なれる!アイドルに!ずっと憧れてた、アイドルに!」


 3人は喜び、望みを口にする。だが1人、仁王立ちする彼女は言い放つ。


「ゲームをするということは1人しか叶えられないのではないか?」


「!!」


「ええ。その通りです」


 悪魔はニヤリと笑った。


「石をお持ちいただいた皆様でゲームで争っていただき、勝った人のみが望みを叶えられます」


 4人の表情が変わっていく。……望みを叶えられるのは1人だけ。


 人生終了ゲームの幕が開けようとしている――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ