02 プレイヤー揃い踏み
この小さく可愛らしい見た目とは裏腹に、非常にプライドの高そうなお嬢様だ。ぷいっとそっぽを向くが、その仕草も可愛らしい。
「あ、あの、ごめんね。悪気はなかったんだよ。許してあげて」
ニコッとしながら謝る仕草をし、奈々をフォローする。
すると、お嬢様、両手を腰にしさらに機嫌が悪くなる。
「あら?私はあなたたちから見て、そんなに度量の低い女に見えるのかしら?」
どうやら許す許さない以前に、そんな事を気にする人間に見られるのが嫌らしい。
「い、いや……そうゆうわけでは……」
思わず圧倒される。育ちがいいとこんなにもしっかり自分の意思を示せるのかな?自分とは大違いだ。
しかし、隣にいる爺と呼ばれている彼がお嬢様に1礼し……。
「お嬢様、メールワルス家の次期当主として、しっかりと名乗らなくては失礼ですぞ」
「向こうから!ですわ!」
「お嬢様……」
「……」
お教えしましたよと諭し、彼女はしょうがないとふんぞり、名乗り始めた。
「心してお聞きなさい。私の名はエリス・メールワルス。メールワルス家の次期当主よ。」
「こ、これはご丁寧にどうも。私の名前は佐藤 美夢。右が相沢 ほのか、左が金子 奈々だよ」
お互い、自己紹介をした。だが、私たちの名前を聞き不思議そうな顔をされた。
「サトウミユ?アイ……?珍しい名前ね。ねえ、爺」
「はっ。左様でございますね」
まぁこの人たち見た目から分かるとおり外国人っぽい。珍しく思うのも無理ないか……。
……あれ?そういえば何で言葉通じるんだ?こんな異常事態だからか、考えが麻痺してたのかな?冷静になってきてるのか、そう思う。
「……あの」
何処からか声が聞こえる。横の方からだ。目を声の方へ向けると、車椅子の子と車椅子を押す道着姿の高身長の女性が現れた。
私と同じくらいの黒髪ショートヘアの病人服を着た華奢そうな車椅子の子が質問してくる。
「あたしの名前は倉田 千夏と言います。あたしの車椅子を押しているこの人は、さっき知り合ったばかりの東堂 雪綱さん。……あのここが何処かご存知ないですか?」
私たちの顔色を伺いながら、恐る恐る聞いてきた。
「ご存知ありませんの!」
と突っぱねる。彼女はガクッと気を落としている様子だ。
「……どうしよう。あたしは望みを叶えたいだけなのに……」
「…………!」
「……望み?」
「…………」
そういえばあの広告に書かれていた……望みが叶えられるって――。