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人生終了ゲーム 〜リバースカード〜  作者: Teko
2章 悪魔降臨
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01 黒い空間

1章のあらすじ

主人公、佐藤 美夢はアイドルになるため上京してきた。しかし、現実は彼女を残酷なまでに絶望へと叩きおとした。これからは普通の女子高生生活が待っているはずだった。ある広告の影響で、彼女の「運」が試される。

 

 気がついた。いや、瞬きの瞬間に目の前が真っ暗になった。まだ、何が起きたのか理解できていない。


 とにかく周りにあの黒い炎はない。笑い声も聞こえない。だが……真っ暗だ。


「……こ……ここは……どこ?」


 後ろから声が聞こえた。奈々の声だ。バッと後ろを振り向くと奈々とほのかがいた。


 奈々はそっと顔を上げながら立ち上がる。ほのかは周りを見渡しているようだ。


「ねぇ、何が起きたのかな」


「分かんない。でも、炎も声もないね」


「……わ、私……こ……怖い……」


 奈々はひどく怯えている。私とほのかで大丈夫と励ますと、私は疑問を口にする。


「ねぇ、こんなに先まで真っ暗なのに……というか黒い?かな?」


「うん。何となく言いたいことはわかるよ。なんで私たちの姿がこんなにはっきり見えるかでしょ?」


「うん」


 光がない、だが、私たちの姿ははっきり分かる。何で?


「ん?ねぇ、あそこ見て。誰かいる」


 言われて指差す方向を見ると……少し離れたところに2人の姿があった。見るに幼女と執事?だろうか?黒いこの空間にもかかわらず、執事服だと分かる。


 すると、ほのかはどすどすっという力強い歩き方で歩み寄る。


「えっ!ちょっと、ほのか」


 向こうの2人に聞こえないように小さな声で止めてみるが、任せてとウインクした。

 すると……深呼吸をする。


「――あの!!」


「!!」


 2人は驚く。遠くから見ても分かるくらいに……。

 すると執事らしき人が答える。


「何でしょうか?お嬢さん?」


 私もほのかが心配で駆け寄る。


 ぺこっと頭を下げ、答えたこの人は白髪のおじいさんだった。表情はとても柔らかそうでありながら、執事服をぴしっと着こなせているようだ。この歳でここまで背筋が伸びているのはすごい。


 いきなり大きな声を出したことを謝り……。


「ここ、何処だかご存知ですか?」


 すると首を軽く横に振り、いいえと答えた。この人たちは私たちと同じで事情がわかってないのか。


「――爺!」


「はっ!お嬢様」


「そのような魔力の欠片も持たないものたちに気安く答えるな。お前は我が家の執事だぞ」


「申し訳ございません」


 紅葉色の髪にウェーブが入っており、スカートの先にフリルの付いた品のある服装をしている彼女。年齢は身長から察するに大体10歳前後くらいかな?

 ていうか魔力って……。


「なぁに?魔力って。可愛……」


 奈々が彼女を撫でようとすると、パチンッと手で払いのけ……。


「――気安く触らないで!」


 ちょっと後ずさる。

 うわぁ……気の強そうな子だな……。

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