13 人生終了ゲーム
「人生終了ゲーム?」
「何?マンガの広告?」
「かな?」
ほのかはその画面をスクロールしながら、読み上げる。
「何々、勝っても負けても人生終了!あなたの望み全て叶います!奮ってご参加下さい。……だって」
「……ご参加下さいって」
さらに下へスクロールする。すると……。
「あ……これ、AVの勧誘だよ。いわゆる」
どうして分かったのと尋ね、ほのかのスマホを覗いてみる。
「ほら、これ参加条件」
「あ、本当だ」
ここにはこう記されていた。
性別 女性のみ。
年齢 10歳から30歳の方まで。
場所 〇〇公園
参加意思表明 右手に石を3つ持ち、深夜0時に指定の場所で待機
とのこと。
「うーん。確かにそうかも知れないけど、石3つとか何?」
「さぁ?って何してるの!」
ほのかは最後までスクロールしたり、タッチしたりしていた。
「いや、だってさ、どこ触ってもうんともすんとも言わないからさ。おかしいなって」
「いや、怖いもの知らずにも程がない?」
「ははは、自分でこうゆうのもなんだけど、私みたいなデブ、抱きたい奴なんている?」
何とも答え辛いことを言われた。
苦笑いしながら私と奈々はとりあえず安くて遊べる場所、探そうと言い、ほのかはまた探し始めた。
私たちはガッツリ遊ぼうというわけで、一旦帰宅し、合流、調べたカラオケ店へと向かい遊んだ。多分、人生で1番、声を出して騒いだ気がする。
その帰り道……。
「はあぁ、遊んだ、遊んだ」
「ねぇ」
「2人とも今日はありがとう。うち大丈夫?」
2人は大丈夫、大丈夫と言い、ニコっと笑ってくれた。
「本当に2人が友達で良かった。こんな時間まで付き合ってくれて……。もし、友達もいなくて、こんな状況だったら引きこもってたかも……」
「いても3日、引きこもってたでしょ?」
「ああもう!ごめんなさい!」
時間も深夜0時前。声が少し響く。
その音が響く先に……。
「あ……」
「んん?どした?」
「この公園……」
〇〇公園と書かれている。あの広告の場所だ。
「例のAV勧誘」
「もう!変なこと言わないでよ」
「…………」
「どうした?美夢?」
私はあの広告を思い出す。望みが全て叶います……。
「本当かな?」
「は?何が?」
「望みが叶うって」
2人は目を丸くして…………。
「いやいやいやいや、そんなわけないじゃん」
「そうだよ」
2人はくすっと笑って返した。
深夜テンションでおかしくなってるのかな。不思議とあの広告に惹かれてた。
「ねぇ、今、何時?」
「えっ!まさか試すの?」
「変な人が来たらどうするの?」
「その時は全力で逃げる!」
そう言うと私は公園へ入り、適当に石を拾い、右手に持つ。
「これでいいのかな?」
「美夢。深夜だからっておかしくならないでよ」
「それとも、騒ぎ過ぎて?疲れ過ぎて?」
「もう!2人とも、おかしくなった発言、やめて!いや、おかしくてもいいや」
おかしくもなる。社長にあれだけ言われて、後輩や両親には顔向けできない。あげく東京で暮らしていけるかも怪しい。
「何とかできるならある程度の危険も許容範囲内だよ。それに社長、言ってた望むものがあるなら食らいつけって」
ほのかはわかったよと私の肩を叩き……。
「3人もいれば通報するスキくらいできるでしょ」
「そ、そうだね。怖いけど……」
「ありがとう、2人とも。変なことに付き合わせて」
周りには人も車も近くの建物から人が出てくる気配がない。
そして……公園の時計が深夜0時を指す。
カチッ。
ボオォと黒い炎が私たちを囲んだ。
「えっ!えっ!な、何」
「きゃあああ」
「ふ、2人とも、お、落ち着いて」
私は黒い炎に驚き、奈々は頭を抱え、うずくまり、ほのかは動揺する心を抑えながら、私たちをなだめる。
「キャッハハハハハハ」
「アハハハハ」
「ワハハハハ」
「アハッアハッアハッアハッ」
私たちの周りから複数に聞こえる笑い声が聞こえる。何が起きたか分からない恐怖と動揺に支配されて、考える暇を置き去りに……。
ボボ……ボ、ボゥ。
黒い炎は消えた。私たちと共に……。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。自分ごとではありますが、正直、小説のいろはも分からずに投稿させて頂いております。ですが、自分なりに面白いものを書かればいいなと思っております。どうか、暖かく見守って頂けると幸いです。
次からはいよいよメインの人生終了ゲームです。よろしくお願いします。