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始めてみました。
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コースケ・ミヤマ レベル 1
年齢 25 常人族・男
力 11 (0) +1
魔力 10 (0)
速 10 (0)
耐久 10 (0) +1
精神 10 (0)
反応 10 (0)
武器 E 神刀・無銘
身体 E Tシャツ
脚 E ジーパン
装飾 E ベルト
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コースケ・ミヤマ レベル 1
ギフト
抜刀術
納刀術
&×%○
スキル
ー
魔法
ー
うーん、ホントに見れるな、ステータス。
しかしアレだ、チートくれるって話だったのに攻撃に使えるのって抜刀術の方だけだろ?
そして防御関連は何もなし。
納刀術って、鞘に納めることだから攻撃ではないよな…
で、抜刀術って居合い抜きの事だろ?
…単発ですやん、異世界でそれって通じるの?
ステータスの数字があるってことは、まともに入っても即死ダメージ出せない可能性もあるんじゃないのかね…
そして意味深な文字化けよ。
どうとらえればいいものか、うーむむむ…
こういうのってヤバいのの定番だよなー、でも内容わからんから考えてもムダだし今は気にしないでおくか。
目の前に表示したステータスを見ながら頭を捻る。
ついテンション上がって騒ぐだけ騒いでしまったが、もっと落ち着いて確認しなきゃダメだったなと軽く反省しつつ、ついさっきまでいた『神の境界』とやらの中でのやりとりを思い出す。
目が覚めた、と思ったらあまりにも真っ暗で何も見えなかった。
どんな深夜に目が覚めたって、完全な暗闇だったことなんて一度も経験したことないのに…
そんな事を、軽く混乱した頭で考えていたら、気付いたその時には唐突に、目の前に自分が立っていた。
「やぁ、初めまして」
なんかニヤニヤしてる、自分の顔と同じな事とか関係無く凄い腹が立つなこの表情。
「あぁごめんね、君の姿形を模してるのはボクが不定形な存在だからで、君のキライな表情は久々に自分の意志で動けるのが嬉しいからなんだ」
はぁ、そうなんですか…てか模してるってなんだ、模してるって。
「そのままの意味だよ、君の容姿をコピーした。
ボクは君らがいうところの神様ってやつで、決まった形を持っていない。
だからわかりやすく姿を現す為に、面会する相手自身を模すんだ。
そんなことが簡単に出来る、っていうのは説得力あるだろ?」
あー、まぁ…ありますね多分、ハイ。
何の変哲もない一般人相手に整形かけてそっくりに、とか有り得んし…
えー、マジ神様かよー、何これどういう展開?
オレの人生どうなってるの?
「運が良いんじゃないかな? 神様に見初められてここ…『神の境界』にいるんだから」
「…美少女から言われたならともかく、ビジュアルが自分と同一ってだけで気持ち悪いッス、見初められたって言われても」
言いながら物凄い苦い顔になるのが止められない。
だが神様は対照的に破顔一笑。
「アハハハハ、まぁそりゃそうだね!」
「わかってて言ったってことですか神様よぉ…」
「普通の人間の反応くらいはわかるさ」
言って真顔に戻る神様inオレフェイス。
なかなかの落差と目の前の状況に、気持ちが混沌としていくのがわかる。
「さて…とりあえず前置きはこのくらいにしておこう、普通に話してると君は混乱していくようだし」
「混乱するのはアナタのせいです神様…」
しれっと言う神様に肩が落ちる。
悪夢の類なんじゃないのこれ。
「夢じゃあないよ、申し訳ないが」
今更だけど、心読んでますよね神様…
「では本題だ」
なんという鮮やかなスルー…涙が出てきそうだぜ…
「君はこれから、君の住んでいた世界とは異なる世界、ボクらがガルメリデと名付けた、異世界で生活してもらうことになる。
君そういうの好きだろう?」
……なんですと?
「ラノベとか、ゲームとか、ファンタジーな感じのやつさ」
おぉう、マジッスか。
すっげぇ大好物ッス神様。
「それは良かった、君に行ってもらう世界は正にそういう世界だから」
なるほど、理解しました。
しかし何故にオレがそんなことに?
「おめでとう! 君は選ばれた!!
選ばれたからこそ、神様からのチートもプレゼントさ!」
選ばれたんですか!?
てか急にテンション爆アゲですか神様!?
そしてこの流れはよくあるチートをもらえる流れですよね!?
「さぁ、まずは頭の中でステータスと念じてみるといい、それだけで君の趣味嗜好からすれば満足いく結果がもたらされるはずさ」
なるほど、二度目のスルーですね神様。
あたい負けない!
ステータス!
念じた瞬間視界に展開される、ゲームのようなステータスウィンドウ。
おぉ、これは!
確かにこれはステータスウィンドウ!
レベルとか載ってますよ神様!
「それは載ってるさ、ステータスウィンドウなんだから」
なるほどそりゃそうだ!
「君がこれから行く世界は、君の様なオタクな人間には楽しい世界になるはずさ」
なるでしょうよそれは!
うひゃー、パラメーターとか見えるよ楽しー!
「何はともあれ、まず最初の課題は生き残ることだ。
あちらの世界のシステムは自分で検証してみたまえ」
きゃー、ギフトとかあるー!
スキル欄もあるー!
けどスキル自体は何もない?
あれ、魔法はスキルとは別?
こっちも何もないし!
神様、ステータスウィンドウが仕事してませんよ!?
「あ、それ仕様ね。
君は魔法使いたかったら自力で覚えなさい。
使えないようにはしてないから」
なるほど、つまりレベル上げりゃ覚えられるって事ですね神様!
「その通り! あとは君の努力次第さ」
「オーケー神様、把握した!」
「では早速行きなさい!
まずは生き残ること!」
ん…?
行きなさい?
生き残ること?
「ちょっと神様? 他の説明は?」
「次に会えるのは90日後だ!
君には期待しているよ深山 浩輔くん!」
その台詞を最後に、視界はいつの間にか森の中に変わっていた。
神様、あんた無茶苦茶やでぇ…
思い返してもあっという間にこの状態だったな。
落ち着いて考えないと簡単に詰む気がするなこの状況…
何せ説明を全然もらってないわけで。
そもそもどこだよこの場所、森の中ってどういうことやねん。
なんかガサガサ聞こえるしそこの茂みから犬みたいな顔面が……
グルルルゥゥゥァァァ!!
飛びかかってきてんじゃんちくしょう!!
咄嗟に腰のベルトに装着されている刀に手がのびた。
はじいて逃げられれば、なんて思った瞬間に奇妙なことが起きた。
飛びかかってきた犬…狼かこれ? 急にスローモーションに見えるようになった。
あ、これ危険に反応して周りがゆっくりに見えるヤツだ。
と、思ったものの、何故か身体はスムーズに動く。
刃が横一文字に狼の身体を通り抜けて、スローモーションは唐突に終わり、刀の通った後に沿って狼の身体が上下に別れて地面に落ちる。
「………え?」
更に唐突に身体に走る違和感。
今までの人生で感じたことのないような、力がみなぎるような感覚。
「えぇー…?」
ついつい右手に握った刀と、地に転がる狼ハーフ&ハーフを何度も見返してキョロキョロしてしまう。
何が凄いって、ガッツリ上下に斬り分けておいて刀には血の一滴も付いていない。
落ちて転がってる狼の方は断面から血が流れ出てるにも関わらずだ。
混乱しながらも刀を鞘に納めて、そういや刀抜くのも納めるのも自然に出来てるなーこれがギフトにあった抜刀術と納刀術の効果か、と思い当たる。
とりあえずアレだ、色々わからんままだけど移動しよう。
狼の死骸がそのままってことはこの世界はドロップ式じゃない。
てことはこの死体の血の臭いに寄ってくるやつがいてもおかしくない。
そう考えて、どこに行けばいいかもわからないまま動き始めるのだった。
生産能力が非常に低い為、気長にお読み下さい。