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穴落ちしたら異世界でした  作者: むん
第一章 穴と異世界
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第一章5『お国柄』

「この国、レトリニ国はね、国王「アルスタート・レトリニ・ツロテスティ王」によって治められてる国なの。もともと最初は小さな国だったんだけど、いろいろな国と争うことで拡大をしてきた国、だから隣国とのいざこざが絶えない状態なの。竜人も獣人も元々は別の国の民族、だけどその民族や国を吸収することによって今では様々な民族、人種が暮らしてる国になってるの。でもそのせいで今いろんな問題が起きてるの、街に行くから一つの問題を話しておくね、今問題になってるのが、「人間差別問題」、人間が獣人や竜人より劣った劣等種族ってことでいろいろな差別を受けてるの、きっとハルトも街へ行けば嫌な思いをすると思うの。」


どこかで聞いたことあるようなお国柄を頬をぽりぽりかきながら話すクローフィア

晴翔は真剣な表情で話を聞いていた。

クローフィアが話したがらない理由、街へ行くことに乗り気でなかった理由がなんとなくわかったからだ

そしてどの世界でも人がやることはあまり変わらないということも晴翔は理解した。

クローフィアの話を聞いて表情が真剣だった晴翔が口を開いた


「はぁー・・・・どの世界でも、人のやることって変わんないんだな、人を見下したり、差別したり、のけものにしたり」


ため息をつきながら話す晴翔にクローフィアが心配そうな眼差しを送っていた

その視線に気づいた晴翔はクローフィアに笑いながら話す。


「そんな心配そうな顔すんなよ。大丈夫だって!差別されたり除け者にされたりなんて慣れっこだ!今更そんなもんでへこたれたりしねえよ!」


笑いながら強気でいる晴翔を見て、クローフィアは少し元気をもらった気がした


「ハルト・・・・私も頑張るね!」


唐突なやる気発言に晴翔は


「え・・・何を?」


理解していなかった


「さぁ!話も聞いたし、国の事情もわかったところで、街へ行こうぜ!ドラゴンも見てみたいし、この国がどんなところなのか自分の目で見てみたいからさ!」


クローフィアの説明が終わり2人は街へ出発した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「うおおおおおおおすんげえええええええ!」


街へ到着した晴翔はテンション激高であった。

それもそのはず、街にはドラゴンが飛び、竜人、獣人が歩いている

まさに異世界ここに極まれりといった光景だからだ。


「クローフィア!あのドラゴン俺も乗りてえ!」


まるで母親にねだる子どもである

その晴翔を見ながらクローフィアはニコニコしていた。


「な・・・なんだよ、俺なんか変なこと言ってるか?」


あまりにもニコニコしながら晴翔を眺めているクローフィアに問いかける晴翔

その問いかけに対しクローフィアは


「ハルトって可愛いよね、子どもみたいに無邪気にはしゃいで、なんか見てるこっちまで楽しくなっちゃう」


母性本能でもくすぐられたのか、クローフィアは我が子を見るような眼差しで

晴翔をニコニコしながら見ているらしい。

だがそんなクローフィアも現実はちゃんと突きつける


「でもハルト、私そんなにお金持ってないの、だからドラゴンには乗せれないかな」


もはや完全にお母さんである。

そのクローフィアに晴翔は疑問が浮かんだ。


「そういえばクローフィアはなんか仕事してるのか?」


晴翔の質問にクローフィアは笑いながら答えた。


「私はエトリーオの商店で働いてるの」


獣人エトリーオが経営する、雑貨店

剣、弓、ボウガン、槍、食料、日用品

なんでも取り扱っている雑貨店である。


「ははーん、クローフィアはそこの看板娘か!」


晴翔はニヤニヤしながら冷やかすようにクローフィアに言う


「違うよ、人間の私なんて、みんな相手にしてくれない」


どこか寂しげな表情をしながら言うクローフィア

それを見た晴翔は


「そう?俺はクローフィア可愛いと思うぜ?」


唐突な晴翔の言葉にクローフィアは目を丸くして晴翔を見た


「え・・・?」


自分がすごく恥ずかしいことを言ったのに気づいた晴翔は

顔を赤くしながら続けた


「だ、だってよ、俺から見れば普通にクローフィアは可愛いと思うし、優しいと思うぜ?だからそんなに悲観しないで自信持っていいと思う・・・って俺なんかに言われても嬉しかねえよな」


頬をぽりぽりかきながら照れ臭そうに晴翔は言った。


「ありがと、ハルトにそういってもらえて嬉しいな」


ニコニコ笑いながらお礼を言うクローフィア

どうやら元気が出たようだ。

その姿に晴翔も安心した、そして2人はクローフィアの働く店に向かうことにした。


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