4.月曜日の朝
月曜日の朝は大方どの人にも眠くてだるいものだと思う。特に課題を結局やらずに来てしまった人にとっては逃げたい気持ちも重なって特にだるく感じられる。
「おはよー」
「はよー」
みんなの条件反射のような機械的な挨拶を聞くとああ今週も始まってしまったとそれだけで疲れがどっと湧いてくる。
「おはよー。涼太また寝てないんでしょ。」
「会って早々お説教とか親みたいだな。」
「一沙は昔から涼太の母だろ。」
「僕、昨日2人と別れてからそれなりに頑張ろうとしたんだよ!でもさ、音楽が僕を呼ぶからさ」
「天才的な音楽センスがあるとはいっても勉強はしなさいよね」
「分かってるってー。あっ音楽室が僕を呼んでる!ちょっとだけ吹いてから行くから先教室行ってて」
「涼太ずるい!私も吹いてから行く!」
「あっ行っちゃった…」
こうして結局は音楽に頼り、だるい月曜日を乗り越えていく。僕には音楽以外何も取り柄がない。でも、音楽を自分の手で、自分の体で表現することが何よりも大好きなんだ。
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「あれ?今日は誰も朝練してない?」
「涼太どうしたの?」
「今日は誰も朝練してないみたいなんだ」
「そっか。じゃあ今日は思いっきり吹けるね」
「ちょっとだけ今度のコンクール曲のソロ合わせないか?」
「いいの?ちょっと待ってて!軽く音出ししてからやろ!」
「OK、準備できたら言って!」
音楽にはすごい力がある。僕に口うるさく説教してた一沙だって音楽をやり始めれば僕には何も言わない。僕は音楽に守られてる。音楽があれば何もいらない、というと何か胡散臭いが本当にそう思ってる。
次は一沙のターンにします!