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第七話 襲撃された村

ここから話が動きます。

ようやく戦闘シーンが入ります。

その時、魔物の気配を感じた。

ピタッと動きを止めた私を周りは不思議そうに見るが、気に留めない。

私は空中に視線を漂わせてある方向で止めた。

位置を特定した私はそこに向かって走り出した。

「おい!」

「アルカさん!?」

そんな声が聞こえたが、答える暇などなかった。


勇者が急に止まり、視線を漂わせた。そしてピタッとある方向で止まると、唐突に走り出した。

「おい!」

「アルカさん!?」

そんな声を気にも留めず、森の中へと行ってしまった。

「あいつ…!くそっ!何なんだってんだ!」

「急にどうしたんでしょう?あっちに何かあるんでしょうか?」

エレナは能天気に首を傾げている。

「かもな。ダンとセリカはあの勇者を追いかけてくれ。俺達は後で行く」

この森の中では馬車は通れない。まずは機動力が高い2人であの勇者を追いかけてもらう。

その判断を妥当と思ったのか、2人は勇者を追いかけて行った。

「ったく、世話の焼ける…!」

独断専行と単独行動はパーティーを組む上で嫌われる行為だ。おまけにこの森は魔物が出るため、危険だ。強者であろうと油断したら死ぬ。それがこの世界だ。

「……あなた、意外と面倒見がいいのね…」

馬車の中からメイが意外そうに言った。

「うるせぇぞ!」

アルカという少女は年齢に似合わず、旅慣れしており、さりげなく気遣いもしていた。そう、明らかに子供らしくないのだ。

ダンとメイ、エレナはまだまだ子供で若いのに対し、アルカは妙に達観した目をしていたのだ。

過去に何があったのか知らないが、子供がする目ではなかった。感情が希薄で、気味が悪かった。

気に入らなかった。あの勇者の何もかもが気に入らなかった。

「あの野郎…!後で説教だ!」

「あの野郎じゃないわよ」

「さっきからうるせぇぞ!」

茶々を入れてくるメイに怒鳴り返し、ガルドは先を急いだ。


いつもの日常だった。

朝、日が昇るのと同時に起き、朝食を食べ終わると、お父さんは畑を耕しに行く。お母さんは洗濯、私は弟妹や村の子供達の面倒を見る。

そんな平凡な生活がこれからも続いていくと何の疑いもなく信じていた。

だが、そんな日常が突如壊れた。魔物が、ゴブリンが村を襲撃しに来たのだ。

村はあっという間に悲鳴が響く惨状になり、私達家族は固まって家の中に隠れ、恐怖でガタガタと震えながらもじっとしていた。だが、今見つかってしまった。

ゴブリンがにやっと笑ったような気がした。

私は弟妹を抱き締め、死を覚悟して目を瞑った。

だけど、いつまで経ってもその時は来なかった。それどころかドゴンという音が鳴り響いたのだ。

「えっ?」

不思議に思い、見上げると、そこには同い年ぐらいの少女がいた。


「まったく手間のかかる…」

勇者を追いかけながらダンは呟く。

唐突に動きを止めたかと思うと、なぜか森の中へと走り出したのだ。

「一体何なんだ…!」

今だけはガルドという男と同感だった。

すぐに勇者に追いついたが、こちらのことは眼中に入ってない。ここじゃない遠いどこかを見ているかのように視線を空中に漂わせてた。

「いた…」

そう呟くと、急に聖剣を取り出した。

思わずビクッと反応してしまった。そういう仕様だとわかっていても慣れない。

最初はびっくりした。そして性能を聞いて、何だその性能はと心底思った。周りもそんな顔をしていたと思う。さすが神が創った聖剣と言うべきなんだろう。魔王を倒すための武器だからその性能は当然なのだろうが、何とも言えない感情になった。

勇者が目の前から消えた。いや、正確には急激にスピードを上げたことにより消えたように見えたのだが、その時の僕は勇者の姿を完全に見失い、混乱していた。だが、セリカ殿は追えていたようで彼女も走るスピードを上げた。

そして勇者に追いついた時、なぜ勇者がスピードを上げたのかわかった。

「ゴブリン!」

ゴブリンが村を襲撃していたのだ。

村は惨状になっていた。

勇者を見ると、今まさに殺されそうになっていた子供達を助けていた。

それから勇者はゴブリンを倒し、セリカ殿もそれに続いた。

僕も近くにいたゴブリンを斬っていった。

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