表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/50

第十八話 盗賊

ここから新しい編です。

新キャラが出ます。

「カ〜イ〜ト〜!」

前を走っていた商人らしき人の背中がビクッと反応する。

商人は街道の端に馬車を止めた。

「久しぶりだね。元気だった?」

アルカは駆け寄り、その商人に話しかけた。

「あぁ、お前も元気そうで何よりだ。にしても聞いたぞ。勇者に選定されたんだってな。まぁ、お前ならありえるよな」

「それよりカイトはこの先の街に行くの?」

「あぁ、そうだが…」

「行き先も同じだし、一緒に行こうか」

「まぁ、それは構わないよ」

「何を売りに行くの?っていうか調味料はある?」

「あるが…」

調味料は貴重で高価だ。カイトが渋ると、

「何?それとも嫌なのかな?」

アルカは笑顔で首を傾げる。

「いえ、そんなことありません!もちろんありますとも!」

カイトは命の危険を感じ、即答する。

「そう」

にっこりと笑う。

「お姉ちゃん、その人知り合いなの?」

親しげな様子にマルコは話しかける。

「うん、そうだよ〜」

「誰だ?こいつら」

見覚えのない子供達にカイトは首を傾げる。

「弟子」

「……そうか。お前らしいな」

答えるまで間が空く。

「何よ?」

「いや?何でもない。それよりここら辺で盗賊が出るらしいぞ」

「はぁ?まじで?あいつら何やってるんだ…」

とアルカがぼやいた途端、

「おいおい、まだ獲物がいるぜ。今日は付いてるよな」

「うわっ、まじか。あの女、白髪に真紅の目とか希少価値高いぞ」

「いや、あっちの女もなかなかいけるぞ」

明らかに盗賊だと思われる男達が現れ、にやにやといやらしい目で見てきた。

「何?こいつら?」

アルカは男達の言葉に眉をしかめる。

「さぁ?盗賊じゃねぇ?」

のんきに会話する2人。

「これが?」

アルカは訝しげに男達を見る。

「これが」

それを聞いた男達は殺気立った。

「てめぇ、さっきからふざけたこと抜かすんじゃねぇぞ!」

「そこにある商品を根こそぎ奪ってやる!」

「そこにいる子供も高く売れそうだよな〜!」

「あぁ!?」

それを聞いた2人はさっきまでの表情を一変させ、同時に声を上げる。

「俺の大事な商品を奪うだと?てめぇら殺すぞ」

「こいつら徹底的に叩きのめす」

逆鱗に触れ、無表情で殺気立つ2人は怖かった。

「なっ何だよ…!」

男達は一瞬怖じ気づくが、数の優位を思い出し、余裕を取り戻す。

「俺らに歯向かう気か?命乞いするなら助けてやっても…」

「アルカさん!」

その場にいきなりボロボロの男が現れ、アルカの前に転がり出た。

「ルイス?どうしたの?そんなにボロボロで」

「助けてください!みんな…!」

男達の姿が目に入ったのかルイスはヒッと声を上げる。

「おい、あいつさっきの奴らの生き残りじゃねぇ?」

「あぁ、あんな奴いたな〜」

「って言ってもみんな死んじまったけどな!」

ぎゃはははと笑い声が響く。

「マルコ、ヨハネ、ルカ、テレサ。中に入ってなさい」

「でも…」

「大丈夫。お姉ちゃんは強いからね」

「うん、わかった」

安心させるように笑うと、素直に馬車の中に入った。

ガルドやダン、セリカさんも武器を抜き、警戒していた。

「さて、そろそろその口閉じてもらえる?」

その瞬間、男の一人が倒れた。

「えっ?」

茫然と突っ立つ男達。

倒れた男には首がなかった。

「貴様!」

また一人倒れ、次々とアルカによって首がはねられる。

「ひっ…!」

最後の一人は恐れをなし、逃げ出そうとしたが、アルカはすぐに間合いを詰め、腹に拳を入れた。

ぐらっと崩れる男の首根っこをつかみ、引きずる。

「相変わらず容赦ないな〜。で、そいつはどうするんだ?」

「情報源」

アルカはその男をカイトの馬車の中に放り投げる。

「あっ、そう。っていうか俺の馬車に入れるな。暴れたらどうするんだ。危ないだろ」

「私が遅れを取ると?」

冷笑だった。

「イエ、ソンナコトハアリマセンヨネ」

カイトは引きつった顔で片言で返す。こめかみから冷や汗が流れるのがわかった。

やべぇ、ぶち切れてる…。

「とっとと街に向かうわよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ