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Darker Holic  作者: 和砂
side4
94/113

side4 月の巫女と陽の鬼女2

 中身を引き抜かれるというのか、体の中からごっそり体力を奪われて前後不覚になった後、体を拘束されて押し倒された。特に左足は針で撃ち抜かれて鋭い痛みが走ったのを感じ、状況の悪さに顔を歪めた感覚を覚えている。それから悲鳴に似た仲間の声と、首に感じた衝撃。

 油断と、自己嫌悪が湧くものの、何が原因か、体が動かせない。例え首をやられていたとしても意識を保っている時分、急所から外れたと思われ、無理にでも体を動かせるはずであるのにと疑問に思っていると、いつぞやに聞いた、始祖の声がした。




『愚息よ。我が血を引く者に、敗北は要らぬ。恥に思うなら、そのまま死ね』




 すこぶる機嫌の悪い声だった。腕輪から聞いた声とは違うものの、似たような気配を感じたが、シグウィルはそこで閃くものがあり、大声で返す。この空間が以前経験したものだとしたら、試したい事があった。




始祖ははよ。我が身に敗北は在らず。今一度、俺に杯を与えたまえ」


『≪酔い≫が欲しくてここまで来たとぬかすか、坊。だが、坊、≪杯≫ならもう与えている』




 ゆらりと目の前に上半身裸に錦を羽織り、片膝を立てて頬杖をつく赤髪の女傑が姿を現した。以前と違うのは、彼女の金の目は爛々として肌は赤黒く、赤い髪は燃えるようで、その額に二本の角が立派に生えている事だ。確か≪酔い≫を経験した時、自身も赤黒い肌に、口から牙が生えたのを思い出し、それが本来の始祖の姿だったかとシグウィルは改めて納得する。

 始祖の視線に促され、シグウィルは普段の着流し姿の懐を探った。ころりと、親指と人差し指でつまめる程の小さな杯が転がって出てきたのに驚いて始祖を見ると、彼女は彼の手を見てさらに眉を顰めた。




『……なるほど、その手の証があれば≪酔い≫も必要か。坊、一度だけ目を瞑ろう。次はないぞ』




 ここまでの苦戦の状況を見てきたかのように言われ、シグウィルも神妙に頷いた。それから始祖は徳利を片手に歩み寄ると、恭しく杯を掲げる彼に注いだ。




『これは変若水、月の巫女が持てる、我が最上酒よ。今対している相手には、これぐらいで丁度良い』




 始祖の言葉を聞きながら、シグウィルは死ぬかも知れぬと思った。前回は子供の立志を認める酒で、今度は大人として注ぐ酒である。最上酒と聞いて身が震える思いで杯を受け取り、彼はえいと覚悟を決めて喉へ押し込んだ。かっと即座に体が火照る。


 ――――――ドク、ン…。


 前回の比でなく、心臓が血を押し出し始める。小刻みに手先が震えるのに気付いて、彼は動揺を隠すように胡坐をかいて座り、両腕を組んだ。四肢がはじけ飛びそうな振動が次々に体を襲ってくる。それに歯軋りして耐えていると、ぐっぐっと牙が伸びてきたのにも気付いた。冷汗は全身にかいている。けれど、今回は腕輪が邪魔をしているのが変化は緩慢で、彼は意識を保っていられた。

 肌が赤黒く変色してくるのを若干気味悪く思いながら、彼は、前回始祖の次に会った、闇色の手の主の言葉もまた思い出して、長く深く息を吐いた。闇色の何かは、これを≪本性≫への帰りだと言っていた。つまり、阿修羅族の姿は本来それ、受け入れろとシグウィルは自身を叱咤する。




『くっくっくっくっく……』




 たった一杯だけの酒で黙りこんでしまった彼を嘲笑っているのか、それとも自身と同じ姿に変化していく子を愛おしく思っているのか、シグウィルの真向かいに腰かけた始祖は再び頬杖をついて彼を眺めていた。金の目は品定めをしている風だが、彼女は先程の不機嫌を消して彼に声をかけた。




『月の名を持つ、特異な子よ。お前、この貸しに一つ頼まれてくれないかい』




 始祖を放置し、微動だにしない無礼もわかっていたが、余裕のないシグウィルは睨むようにして始祖を見る。始祖はその気概を好ましいと受け取ってくれたらしく、再び杯を煽りながら口を開き、彼女にしては珍しい媚びるような声を出した。




『私の昔馴染みを探しておくれ、我がシグ・ウ・ル。なに、お前が月読の傍にいるなら、いずれ叶う』




 始祖の時代の話はほとんど残っておらず、また孤高の彼女に交友関係などないと思われていたのに、その本人からそんな事を言われてシグウィルは困惑した。だがどう返事したものか、今は体が≪酔い≫に耐えるだけで精一杯で、昔馴染みとは誰か、月読とは、との疑問にも問う事ができない。

 ふと両腕に痛みを感じると、組んだ腕を掴んだ指は爪が伸び、肌を傷つけている。そろそろ、毒でも煽ったような寒気と怖気と熱気が来るとわかっているので益々彼は体を縮こめ、俯いたまま、返事だけはしようと一度頷いた。




『あはははははははははははははははははははははははっ』




 『愉快愉快』と笑いだした始祖の気配は、寒気が来た途端に遠退いていく。威圧的な始祖の気配が消え、シグウィルは再び体の不調と闘気に集中した。邪魔なだけだった腕輪の効果が今は有難いものの、始祖の血の≪酔い≫の気配にそれも底が見えてくる。「ふっふっ」と短く呼吸を繰り返しながら、体内で暴れ狂う闘気の波を整えようと彼はそのままの姿勢で目を閉じた。まだ子供時代に、技を覚えようとこうやって瞑想したのであるが、あの比ではない。「ふうぅっ」と長く息を吐き、吸い、出鱈目に走る内部を統制しようとしたところで、腕輪が整えた闘気を吸い込むようになった事に気付き、彼は顔色を変える。瞬間、ガタガタと怖気が走り、噛み締めた口の端から呑みこみきれなかった唾液が零れた。




「―――っ、があっ」




 内臓を焼くようにして、扱いきれない闘気が肺を満たす。逃がせるものではないと知りつつも、体は反射的にえづき、再度彼は歯を食いしばった。口が裂けるのではないかと言うほど顔が歪む。それでも何とか統制しようとした瞬間、腕輪がそれを霧散させてしまい、彼は苦しみに体を硬直させた。痛みで眩暈がするし、酷い腹痛から吐き気がくるなど知らなかった。

 五分も座っていられただろうか、限界は早く、シグウィルは呻くようにして地面に四つ這いとなって長い爪で地面を掻いていた。「はっはっはっ」と犬のような呼吸をしているのは分かったが、それ以外は感覚が曖昧になっていく。始祖の≪酔い≫で腕輪を壊そうとしていたというのに、後はそれとの我慢比べになるとは、我ながらツイていない。意識の無くなる直前、自嘲しようとして彼は気を失った。



















「あはっ、はっ、はぁっ」




 目の前の蜘蛛型を半身吹き飛ばして倒すと、座り込んだままの鏡花は、倒れた蘇芳を背にした状態で、その奥に待ち構えている敵に向けて馬鹿みたいに発砲した。それが面白いように一度硬直、痙攣後に爆発していくのも、狂気じみた様子にしか見えず、止まらない笑いと共に発砲していく。そんな無茶撃ちをしていたためか、どれくらいも経たないうちにカシャンカシャンと空振りの音がしてしまい、彼女はようやく笑いを止めて、余裕のない表情でそれを構えて立ち上がり、比較的小柄の羽虫型の敵を殴り倒した。自棄になっていると自己分析する頭もあるも、この状態では戦い続けるしかない。ガロンたちがこちらに来ようとしているのも見えたが、倒れた蘇芳と鏡花の周囲は敵で囲まれていて、思うように彼らも進めずにいる。

 ちらっと彼女の目に倒れたままの蘇芳が映った。大柄な彼を引き摺って、この敵に囲まれた状況を突破するなんてトンデモない事が、彼女に出来るはずはない。ブースターを使って飛んだとしても、すぐに彼を落としてしまうだろう。そこまで考えて、彼女の頭はすとんと冷静になった。詰め寄ろうとした怪物をブースターを使った蹴りで退け、その隙を狙って来た羽虫型の敵の顔を、足底のブースターで焼く。隙間を狙った舌での攻撃に銃が奪われたが、撃てないものは要らないとすぐに彼女は手放した。

 息はもう上がりっぱなしで、呼吸するのも苦しい。そろそろ疲れたなと、元の自分に戻っていく意識もあって、鏡花は自然と蘇芳の傍に後退する。ぴくりとも動かない灰色の髪を見て阿修羅族として仕事していた時の事が浮かび、途端に鏡花は足の力が抜けて座りこんだ。≪感応力≫の限界だと自身でわかる。




「………無様な最後は嫌だけど、元阿修羅族No.2とご一緒だっていうのは、人族としては栄誉な事でしょう、シグウィル様?」




 返事はない。当然だ。じりじりと包囲網を狭められる恐怖を感じながらも、鏡花は軽口を叩いた。絶望的だけれど一人ではないというのが、最後の勇気として鏡花に残り、彼女は目を開ける事が出来ている。近づいてくる敵に合わせて顔を上げると、雲の隙間から月が見えた。あぁ、綺麗だなと現実逃避しながら、同じ名前を持つ男を想う。最初は苦手だったけれど、いつの間にかよく話すようになり、別れ、また出会った。それから短いながらも共に仕事をし、自身が信頼を寄せているのも本当はわかっている。多分、彼とは多少なりとも縁が結ばれていて、ここまで来たのだろうと素直に思えた。まぁ、どんな縁なのかはわからない振りをしたままでいようと最後まで鏡花は笑う。




「―――さようなら、シグウィル」




 敵が、覆いかぶさるように倒れてきて、鏡花は月を最後に目を閉じた。静粛な気持ちで一秒待つ。二秒、三秒と数え、衝撃が来ないことを疑問に思って目を開ければ誰かが前に居り、鏡花は上気させて彼を呼ぼうと口を開きかけて、慌てて口を押さえた。彼の背から異様な気配を感じたというのが一番、二番は彼が素手で敵の外装を破り、中身をずり出したのを見てしまい、悲鳴を上げそうだったからである。

 その肌は腕輪の影響で緑だったはずだが、血が酸化したような赤黒いものに変わっており、鏡花は混乱する。灰色の髪だけはそのままなのに、片方折れていたはずの角が二本とも頭から見えていて、なにより、両腕の腕輪がない事に気付いた。はっとして背後を振り返ると、地面に何かの破片が転がっている。腕輪が壊れたんだと気付いて、じゃあなぜ彼はまだ鬼のような姿をしているのかとか、何故頭部に攻撃を喰らったはずなのに動いているのかとか、次々に疑問が溢れて鏡花は少しずつ恐怖を感じて、擦り下がった。


 その行動はある意味正解であり、直後、鏡花が居た場所にシグウィルが片手に持った敵の躯を放り投げてしまう。転がって来たそれがあまりに生々しく、鏡花は顔を顰めた。どうしたんだと声をかけたいものの、今声をかければ彼女までも攻撃対象に見てしまうのではと思う程に、彼は機械的に前へ出て敵を屠っている。それも、最初の頃のような洗練された動きでなく、掴む、引き裂く、抉りだすといった原始的な、彼らしくない動きであった。あまりの変わり様に、鏡花はごくりと緊張を嚥下する。




「――――――っ!?」




 その些細な仕草に反応したのか、ちらっと彼が視線を寄越して来、鏡花は竦み上がった。赤黒い肌に鋭い牙のある顔は、苦悶のような笑みが浮かび、金の鷹の目が爛々と内部から発光するようなのだ。ざんばらの灰髪に紛れて光沢のある白の角が見えて、彼女は目を疑った。彼の怒気の表情は見た事があると思っていた鏡花は、より凄い表情をしている彼を知り、恐怖に体を抱きしめた。動けば殺されると、本能的に感じる視線は、さらにこちらへやってこようとしている敵の姿を見てそちらに移り、彼は自由になった両手を組んだ。

 見た事のある組んだ手の形は、彼の奥義を示すモノ。ぐんっと周囲に熱を感じた彼女は、へたり込みそうになる体を叱咤して彼から距離を取ろうと、流石に本能で危険と判断した敵と一緒に下がった。彼女が信じられない気持ちで彼を眺めると、彼の闘気の増幅器である深紅機に搭乗している時のように、周囲に赤い炎が散っている。まさか、今頃会社の介入があっているわけではあるまい。ならばこれは現実なのだ。




「どう、やって―――」




 彼女が呟くとほぼ同時に彼の両手は炎を纏い、怯えて下がり始めた敵の中へと飛び込んでいく。


 ――――――ジュウゥッ!!


 彼が殴りかかると焦げる音がして、目に見える範囲に炎が上がった。ほんの一撃で、鏡花の目の前は火の海となる。頬にかかる熱が非現実的で、鏡花はそこから動けなくなってしまった。炎の中では、踊るように敵を追い駆け、捕まえ、引き千切り、笑い声さえ上げて動き回る彼の影を追える。彼は実に呆気なく、圧倒的数だった敵を倒して行き、最後に出てきた一回り大きな蜘蛛型の敵を見つけると、それが悲鳴を上げて動かなくなるまで甚振り続けた。鏡花の周りにいたはずの敵も、気付いた時には姿が四散しており、彼女の前には、充血した眼の、変わり果てた相棒の姿がある。

 順番が回って来たのだと、鏡花は嫌でも理解した。むしろ優しい仕草で片手を取られて、引っ張り立たされる。抵抗しない様が良いのか、彼はさらにフルフェイスのヘルメットを乱暴に払いのけると、笑みを浮かべて鏡花の頬を撫でた。その際、鋭い爪が肌を傷つけても、何の関心も示してくれない。これは違うのだと鏡花も理解した。これはシグウィルではないと思うと同時に、人とは違うと言っていた阿修羅族の言葉の意味も理解して、鏡花は顔を歪める。ここに居るのは一個人でなく、阿修羅族という種なんだと、彼らの前では自分は単なる獲物に過ぎないのだろう事も含めて彼女は自嘲した。人の姿をしていなくても話も通じたし、阿修羅族がこんなに凶暴なのだなんて思った事は無かった。いくらも手加減されていたのだなと、今更ながらに思い、鏡花は恐らく自我を失っているシグウィルを見た。

 頬を撫でられて、次第に顔に浅い傷が増えていく。それに構わず鏡花もまた彼の顔に手を伸ばした。抵抗はない。怪我はと探って、首にかすったような跡を見つけて首を捻る。また爪に傷つけられたが、痛みよりも緊張が勝り、鏡花はそれをよくよく観察した。そして鋭い突きの形に、持っていた自分の銃にもそれがあったと思いだして、何だ、間にあっていたのかとほっとする。鏡花が納得して手を離すと、彼もまた頬から手を離した。ぐっと肩が痛いぐらいに掴まれ、流石に顔を歪めると、麗しいぐらいの笑顔を浮かべられた。




「むかつくなぁ、もう…」




 こちとら嫁入り前なのに傷だらけで、怖くて抵抗も出来ないというのに。力任せに体を引き裂かれるのかしらと想像し、それはそれで嫌だなと思っていると、何を思ったのか、首を傾けられて舐められた。身じろぎしたが、肩を押さえつけられて動けない。抵抗など気にもかけずに彼は、鏡花の首元、鎖骨付近に思いっきり噛みついた。




「いっ!!?!?」




 あまりの痛さに涙が浮かぶ。牙も当たって、確実に血が染み出しているだろう痛みに彼女も無抵抗はやめて、両腕で、相手の脛を蹴って、本気で抵抗した。それが煩わしいのか、両腕ごと抱き込まれて、さらに噛まれる。




「痛っ、痛あぁっ!!?!」




 噛んでは舐められ、痛いやら沁みるやらで鏡花は彼の腹に何度も膝を打ち付けたものの、びくともしない。と思えば、顔に流れる血も舐め取られ、傷を舌で抉られ、鏡花は泣いた。その涙まで舐め取られた時、完全に遊ばれている苛立ち感も含めて、彼女は思いっきり彼に頭突きした。ぐわんっとお互いふらりとした瞬間、鏡花は何とか彼の拘束を解かれる。




「ぐっ…がぁうっ」




 言葉とは思えない声が彼から出、鏡花は適当に手に当たったモノを取り、思いっきり彼にむかって振り下ろした。ばしゃんと軽い音がしたのは残念だが、少し煩わしそうに距離を取られる。ふと見れば、それは周囲の木の枝が折れたもので、雨に降られて水滴がついていた。何より先程の強烈な痛みで目が覚める思いの鏡花は、これが何だろうと別に良いと、さらに彼に向って振り下ろす。




 ―――シャンッ




 何処かで鈴の音が聞こえた。気のせいだと思いたかったが、≪感応力≫を使っている時と感覚が似て、目の前の彼の姿が炎に焼かれるような状態に見えており、さらに周囲にひらひらと何か漂っているのを感じる。また、鏡花の脳裏には大きく誰かの声が響いてきて、彼女はこの不思議な状況を受け入れた。空には月が雲から完全に顔を出しており、手には榊ではないが木の枝がある。今なら出来ると、脳内の誰かが鋭く鏡花に指示した。




 ―――行け、鬼子の澱を払えっ


「いい加減にぃ、し、ろっ!!!!」




 手にはハリセンがあるつもりで大きく振り被って、鏡花はすぱんとシグウィルの顔を叩いた。パシャンと葉が音を立てると同時に水滴が飛び散り、刹那、鏡花の体を何かが通った。風に似た涼しさを感じた後、シグウィルを包む炎の幻影が消えていく。撥ねた水が目に掛かり少し視線をずらした鏡花は、何故か、これで大丈夫だと、理由もなく信じられて、ほっとする。

 だが、そんな心が鋭い何かを感じ、ふと葉の間から誰かの視線を感じた気がして目をやると、金の目が爛々とこちらを凝視していた。理由もなく笑われたような気がして少しの不気味さを感じたのが数秒、その目はすぐにぐるんっと上に回ったかと思うと、どうっと視界から消える。




「シ、…シグウィル…?」




 後ろに倒れて頭か何かがぶつかる凄い音がし、鏡花は恐る恐る彼を窺った。頭に角は無く、首は小さく血の滲む痕。両腕から手先まで敵の体液で青緑やら紫やら赤に染まっていて、折角の衣装がボロボロの彼は、真っ青な顔色で気絶していた。




「本当、勘弁してよ……」




 背後から「大丈夫か!?」とやってくる仲間たちの声を聞きながら、鏡花もまたふらっと意識を失った。


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