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神殿に帰ってまいりました

少し距離があるので丸1日かかってしまいましたが、あれよあれよという間に神殿に帰ってきた。


神殿というかもう城と同じくらいの規模の敷地と建物がある。

そしてなんといっても城に勤めている兵士や侍女を全員含めても、こちらの神殿と神殿の敷地内建物にいる人数の方が多いという異例な神殿なのがこの「ルミナス神殿」だ。


私はここの神官長でありトップの魔力をほこっている。まあだからこそアイン殿下の婚約者になり、ゆくゆくは結婚してこの国を神殿共々支えてほしいって事だったんですけどね。

とはいっても婚約破棄をしたのはそちらですし?

陛下は今頃頭を抱えているのでしょうね…国のことをまるで考えていないおバカな子に育ってしまったと、


神殿の門をくぐり、大神殿の前まできた。

大神殿の外にはかなりの神官や神殿付近に住んでいる人達でいっぱいだ。

私の出迎えだ。

ここの人達はこんなにも心が暖かい。

私はみんなが見えたところで馬車を降りてみんなのところへ歩いて向かった。


「みなさんこの度は婚約破棄などという事態になってしまい申し訳ありません」

皆の前まで歩いていきこう伝えた。すると...

「なにをおっしゃっているのですかアリア様!婚約破棄は殿下のわがままでございましょう。アリア様が謝られることなどございません!」

一番前にいた神官クリスが笑顔でこう言ってきた。

そう言ってくれるとは思っていたが、いざ目の前に神殿に住むみんながいると思ったら少し怖じけづいてしまった。


やはり殿下の勝手で婚約破棄されたことは神殿に届いているらしい。

それもそのはず、この神殿は大きいだけでなく優

秀な魔法使いが沢山いる。

神殿の神官が魔法を使うというのは他の国ではあまり類をみないが、この国は古代より神官が中心となり魔法で国を支えてきたとなっている。

祈りを捧げて聖なる癒しなどというだけではないのが、この国の神殿、神官達だ。


クリスはアリアの2つ歳上の神官でアリアとは神殿で幼なじみのように育ってきたので、一番気心のしれた仲良しだ。

今はみんなの目があるのでこんな丁寧は話し方をするけれど、普段はもう少しくだけて話す。

もちろんそれは私も同じ

「そう言って下さるとありがたいです」

すると周りにいた国民たちの中から

「アリア様!そんな堅苦しい喋り方してないで、もっとくだけて話して下さいよ!」

なんて言葉が飛んできた。

私がクリスとくだけて話してるのをどこかで聞かれていたのかもしれない。

私はクリスと顔を見合わせてクスっと2人で笑いあった。

こんな感じの神殿だから居心地が良いんだよね。

とっとと婚約破棄して帰ってきて良かった!

(まだだけど…)

こうなったらとっとと陛下に正式な婚約破棄の書類を送って身軽になってしまおう!

そして神殿のみんなと楽しく暮らそう。

そう心に誓ったのだった。


~国の破滅まで、あと4日~

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