表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/52

騎士団【再び神殿サイド】

「実は陛下と殿下の話し合いの後なんですが…」

再びソファに座り、ジークは少し声を押さえて言いにくそうにポツリポツリと話だした。

「王妃様が退出された後陛下も退出されたのですが、その…王妃様と同じく殿下の事をチラリとも視界にいれずに無言で退出なさったそうなんですよ。陛下の執務室には殿下と陛下の側近のベリス殿だけが残され、ベリス殿も殿下に一礼はしたらしいのですが、殿下はあらぬ方向を見ながら呆然としていたらしくて...……ベリス殿は少しだけ気の毒に思ったのか騎士団長である私を呼び、殿下をお部屋にと私に命じ退出なさったんです。……そこで…その……」

とここでジークは再び言い淀んでしまった。

「殿下を部屋へ送る時に何かあったんですか?」

言いにくそうにしているジークにクリスが突っ込んだ質問をした。

ジークはチラっとクリスを見て、その後アリアの顔を見て静かに頷いた。

「部屋へ送る途中に殿下が急に『いいこと思いついた!』とおっしゃって、ベリス殿がアリア様と話し合いをする時にレイナ様も同席してもらって、レイナ様に『自分と彼女が如何に愛し合っているかをアリアに伝えてもらって納得してもらうんだ!』と」


その言葉にその場の全員が凍りついたかのようにシーンと静まりかえってしまった。他の騎士団の団員もそこまで聞かされていなかったのか、口をあんぐりと空けて固まっている。

(やっぱりね…由緒正しき騎士団がこんな馬鹿げたことをするなんて、殿下が噛んでいるとは思ってはいたけど…ここまでお馬鹿だなんて!婚約破棄して大正解だったわ)

アリアは心底そう思った。

チラリと横を見るとクリスが下を向いてプルプルしている。絶対笑っている。

後ろにいるエミリーの方は振り向かないが黒いオーラが出ているのが分かるので、こちらはかなり怒っているのだろう。


「それで殿下は……」

ジークが続きを話そうとしたが、

「もう結構ですよ。」

アリアが言葉を遮った。

「殿下はおそらく、『早い方が良いだろう!アリアと彼女を城の敷地内にあるテラスに連れてきて、すぐにベリスと話し合いをしてもらうのだ!』などと言って騎士団団長であるジーク様に半ば誘拐のようなことをしろと命じられたのでしょう?」

そう言うと、ジークはバッと顔を上げてコクりと頷いた。

「殿下がおっしゃっられた言葉……私どもに拒否権などありませんでした。申し訳ごさいません!!」

ジークはソファから再び立ち上がり頭を下げた。

殿下の命に逆らうことなど、騎士団にはできる訳がない。それを分かった上でこんな馬鹿げたことを命じるのだから、殿下の無能ぶりは計り知れない。

「はあ...とりあえずこちら側は良いとして、カフェに勤めている彼女の安否が心配です。急ぎこちらから神官を送りましょう。」

アリアが言うと、

「いや…その必要はなさそうだよ」

とクリス

「どういうこと?」

「うーん…なんて言えば良いかなーまあ一言で言うと、カフェに侵入した騎士団が全滅してるから。かな」

クリスの言葉にその場の全員が「「え?」」と声を揃えた。


~国の破滅まで、あと2日~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ