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特異

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凡人

それが自他共に認める自身の評価であり、運動、勉強、遊び、考え方。全てがTHE・凡人。平凡な人間だった。

普通に親に愛されたし、不自由は少しあったけど、家族と楽しく暮らせていた………筈だった。

「大丈夫ですか!聞こえてますか!」

しかし、原因不明の火事により家が燃え、母さんと俺は怪我を負った。


家の火事から十年が経ち、母が五十歳を迎えた時、真実を知った。

高校に入学してすぐであった俺は、自身が養子であったこと。母さん……俺の義母が、昔から続く、お偉いさんの家系であったこと。亡くなっていたはずだった俺の義父が、死んでおらず、母さんの血肉を求めて、母さんを殺そうと家に向かって放火したこと。それらの事実を一度に知り、俺の心は折れた

「  」

無言、放心状態と言うべきか。俺は何も考えられなくなっていた。

成長はしたものの、そこまで重い事実を高校生の息子に教えるものだろうか

自分は特殊な人間ではないと思っていたのに、それを裏切られた気分だ。

もう普通に生きていたい……


これはその一年後のことである。


「奈楽ー!大学の単位落としたくないから、課題レポート写させてくれー!」

聞こえてくる声。都合の良い時だけ使おうとしやがって

「……」

無視する。こういうヤツは関わったらすぐにパシられる。

「そんなこと言わずにさあ。ね?頼むよお」

「何も言ってないんだが」

あ、やべ。俺の思っていることと何も言ってないのに返答を返すように喋る奴があまりにも馬鹿過ぎて喋ってしまった。

「………」

ま、まずい。今までの喋らないという俺の印象が崩れて、俺に関わる奴が増えてしまう。

そしたらまた、()()()()()()()()()()()()()()……。

奴は入学から一回も喋らなかった俺が喋った事で目をまんまるにして驚いている。

「と、とにかく俺とはもう関わるな」

俺のその言葉に、我に戻った奴は、口を開こうとして、結局何も言わなかった。

そうして奴は俺の所から他の所に行った。ふう、悪霊退散!

心の中でガッツポーズをしつつ別のことに頭を巡らせる。

俺だって他のやつと喋りたいし遊んでみたいのだ。だが、十一年前、母の血肉を求めた父の家への放火によって死にかけた事を知ったらもう、人と関わることが怖くなる。もう大学一年生だ、人と関わるのが怖いというハンデを持っている俺は、遊んでいる暇など無い。将来の為に、がんばらなければいけないのだ!


異世界転生者のラノベとか読んでいるからか、別の世界で自分とは違う全く別の人物として生きていきたいというふうに考えてしまう。そんな事を思っていてもそんな夢のようなことが起こるわけがない。

『………』

しかし神の気まぐれか、なぜかは分からない。が、運良く世界の支配者により奈落の願いは思わぬ形で叶った。

「は?」

奈落の近く一帯を光が支配する。

この時、この世界における、「風香奈落」の関わった全てのことがなかった事にされ、

奈落の望んだ通り、奈落の存在は永久に、忘却の彼方へと消え去った。名前の様に、奈落の底まで。

代わりに別世界で、「ノーデ・スマルク」として、新たな生命に生まれ変わった

元から死ぬ予定だったマルクの中に、奈落の意識が入り込み、歴史が変わったのであった。

それと同時に、偶然にも奈落の夢も叶った。


ったくなんだあの光は。

「@xxc_/.m!”#$$%%%%&’()0=~|!!」

独特な発音と、かろうじて聞き取れる文字の羅列。明らかに日本語では無いその声と、先程までとは違う視線と景色を見て思考がフリーズする。え?なんで?ナンデ?

あまりの驚愕に声をあげてしまう。

「アダ!?」

「`!”#$%&%&&&&$$’|_><~!?」

!!!!?!?!?!???!???

落ち着け奈落情報を整理するんだ奈落ちょっと待つんだ奈落

ふう、ふう。ようやく落ち着いた、まずは句点をうて、読点を読むんだ。

どういうことだ?俺が発したのは「はあ!?」という音のつもりだったが、

「あだ!?」になっている。いわゆる赤ちゃん声というやつだ。口が発達していない赤子の声だ。

この赤ちゃんの様な声、大学生である俺が手を振っても何も当たることがないというこの事実。

これらの情報から導き出される答えは!今の俺の状態が生まれたての赤子だという事だ!

そして、目の前にいる、男性と女性が俺の両親だということだ!

夢の様だな。あ、もしかしたら夢なのかもしれない。ちょっとほっぺをぶん殴ってみるか。

ムン!っあいたーい!ゆ、夢ではないだとぅ!?

「&%&%#$(&’%!?」

いきなり自分を殴り始めるという奇行をおこなった息子(の脳)を心配して母が近寄ってきた。

が、何も怪我をしてなさそうな俺をみて安心した様に父がため息をついた。

あ、まずーい!非常にまずーい!い、いや奈落。落ち着け、今の俺は赤ちゃん、シモをぶっ放しても問題ないはず。いやしかし意識はれっきとした大学一年生であり、シモをぶっ放したら人間としての尊厳が失われ、(自分の中で)社会的に死んでしまうというこt

あ。……うん、耐えられねえわ!

「”#”#$&’((&(()0」

漏らしてしまった赤ちゃんを母性で包み込んでくれる……。

おっほぉ。普通に同年代くらいの美少女に見える母さんの母性が溢れ出してくるぅ。

これはこれでぇ眼福だなぁ。いやいや、どんな変態だよ。親に興奮するって。

ン゛ン!まあ、とにかく信じがたいが生まれ変わったということだろう。

母さんの顔の成り立ちを見るに、東南アジアっぽいな。成長すれば帰れるは帰れるだろう。

で、これが一番の問題だが……俺は本当に日本に帰らなければいけないのか?

いや、確かに生まれ変わったし、風香奈落としての自分は多分もう居なくなっている。

だから元から日本にいなかったとして扱われる。それはそれで悲しいが……

要は、知り合いなどに「お前誰?」扱いされても、日本に帰りたいか。

ここでのびのびと暮らして、日本には戻らず、どこか別の国に移籍して、住むか。

うーむ。結論は出ないな。まあ、別の国に行っても、日本に行く事ぐらいあるだろうし。

結論はそう急がなくてもいいだろう。それより、瞼が重くなってきた。赤ん坊として寝た方がいいな。


『自動翻訳機能を搭載します』

『思考加速機能を搭載します』

『オプション:魔力量の増加、および転生特典によりギフトを贈呈いたします』


ん?何か聞こえた気がするが、気のせいだろう。

それでは、おやすみなさい





頑張って書いていきます。

趣味の延長線上でやっていて、人様に見せるのは些か不安です。

幼稚で粗雑な言葉を使ってしまうかも知れませんが。温かい目で見守ってくれると幸いです。

それと、誤字脱字があったら遠慮なく指摘して下さい。


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