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ソルティメルヘン短編集〜めでたし、めでたし〜  作者: 地野千塩


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AIと裸の王様

 あるところに王様がいました。国民に慕われていた王様でしたが、悩みがあります。


 それはファッションセンスがない事です。ピンクのジャケット、フリルつきのズボン、おばさんみたいな化粧をし、国民に大笑いされるのは常でした。


 そんな折、部下から「AI」というものを渡されました。悩みを相談すると、秒で答えが返ってくるとか。


 ものは試しです。王様はこれを使ってみました。


 Q

 王様に合うファッションを提案して。


 AI

 検索中、検索中……。


 すると、センスのいいスーツやメイク、ファッションの提案がされていました。王様の骨格なども研究され、似合うファッションが一目瞭然でした。


「これはいい!」


 そして王様はずっとAIを使うようになりました。ファッションだけでなく、政策や恋愛の相談もしていました。何しろ、秒で答えが返ってくるわけですし、基本的に王様の意見を否定しません。居心地が良かったのです。次第に王様のパートナーと化した時、来客がありました。


 隣国のファッションデザイナーだと言います。素敵なスーツやメイクの提案もされました。元々、センスのない王様はファッションデザイナーの言う通りの服を選びました。


「この服、どういうのかい? 見えないんだが」

「この服は目には見えないけれど、心の綺麗な人には見えるんです。そう、あなたのような王様には見えます!」


 うまいこと言いくるめられた王様は、その服を購入しました。もっとも、目に見えず、手で触れられない奇妙な服でしたが、ファッションデザイナーがそう言うのならと信じてみました。


 なぜか部下は無言で去っていくので、AIにどうかと相談しました。


 Q

 この服どう思うかい?


 AI

 完璧にお似合いです!


 AIのお墨付きも得て、王様はこの服を着て王都でパレードに参加しました。


 なぜか群衆がどよめきますが、王様はその意図がわかりません。


「王様、なんで裸なん? 服、どうしたの? まさか詐欺師に騙された? 大丈夫? 周りにちゃんと言ってくれる人いるの?」


 とある子供に指摘されました。


 Q

 どういう事だ、AI!


 AI

 検索中、検索中……。

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