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ソルティメルヘン短編集〜めでたし、めでたし〜  作者: 地野千塩


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みにくいアヒルの子の自己啓発セミナー

「だからあなたも美しい白鳥になれるのです! 私はこんなに醜いアヒルの子でしたが、こんなに美しい変身し、年収一億円になったのですから!」


 とある貸し会議室に美しい白鳥の声が響く。醜いアヒルだったが、白鳥に変身したストーリーが語られていた。白鳥が開催する自己啓発セミナーの一コマだ。


 そこで聞いていたカエルは、うっとりと目を細めていた。自分も頑張って努力すれば白鳥のように美しくなれるんじゃないかと。


「よし、頑張ってみるよ。白鳥から教えてもらったアファメーションやってみよう」


 カエルは自分の家に戻ると、せっせとアファメーションをしていた。


「私はすごい。私はできる。私は白鳥。絶対に成功できる」


 しかし何回ポジティブな言葉をくり返しても、醜いカエルのままだった。


 言えば言うほど逆の思考が頭の浮かび、かえって日常のパフォーマンスも低下中。


「なんで? なんで私は白鳥みたいに変身できないの?」


 そう悲鳴をあげるが、これにはカラクリがある。


 元々白鳥は遺伝子が良かった。確かに醜い次期もあったが、親ガチャは成功していたし、努力できる環境を整えればすぐに結果が出ていた。それに白鳥一族はカルト教団とも密な関係だ。そのコネで融資も受けられ、メディアにも取り上げられるようになり、あっという間に年収一億に。


 その上、白鳥一族はこうした自己啓発でのビジネスのマニュアルもあり、洗脳に近いテクニックも使っていた。


「どうして? 自己啓発セミナー出ているのに何の効果もないよ」


 カエルは自分がカモにされている事に全く気づいていない。それでも何か気分の高揚、「やってる感」も欲しくて、今日も自己啓発セミナーに申し込んでいた。

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