表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソルティメルヘン短編集〜めでたし、めでたし〜  作者: 地野千塩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/87

虫めづる姫君の裏面

 岡野優里は女優だったが、今日も朝ドラのヒロインのオーディションに落ちた。


 優里は美人だった。太い眉毛のはっきりとした顔だち。といっても女優の中では珍しくもない。演技もスタイルも普通。最近は失言や炎上もないAIアイドルも企業の評判がよく、CMの契約もなかなか取れない。


「という事で、優里。君には昆虫食女優という個性的なキャラで売っていこうと思う」

「えー?」


 そんなある日、事務所に呼び出されると、マネージャーから今後の方針を発表された。


「いやですよ、昆虫食女優なんて!」

「ダメだ、もう決まったんだ」


 マネージャーは敏腕だ。若手の優里は逆らえず、結局「虫めづる姫君!」という動画チャンネルを開設され、カメラの前でコオロギを食べていた。


 正直とてもまずい。吐きそうだったが、どうにか笑顔で食べる。女優魂を試されている気がした。


 昆虫食は政府も推し進めているらしく、こうして宣伝する事で事務所にもお金が入ってくるという。


 ネットでは変な女優として炎上気味だったが、個性的な役も回ってきた。女優としては悪くない結果だが、やはり虫は美味しくない。


「コオロギパウダー、さいこう!」


 こんな嘘を吐くのも慣れてきた。女優のキャラなど全部作り物。視聴者には表面的なものを鵜呑みにせず、冷静に視野を広くして欲しいと願う。


「コオロギ、おいしぃー!」


 この演技力だったら、ハリウッドも狙えるかもしれないが、優里は全く嬉しくない。フルーツパフェやハンバーガー食べたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ