お部屋でドン引き?
あー、部屋がきれいっていいよね〜。
でもさ、今からこんなきれいにしても…夏実ちゃん来るまでこのきれいな部屋は保てるのかな?
…
無理なんじゃねっ⁈
…少し疑問に思いつつ一日、一日と過ぎていくのでありました。
そしてやっぱり一日、一日と過ぎるにつれて部屋は少しずつまた元通りになりつつあるのでありました。
そして夏実ちゃんがくる前日。
もう、遠足の前の日かよってくらいワクワクして眠れなかったよね。
テスト勉強するときは、やたらと眠くなるのにさー。
ほんとどうかしてるわー…。
部屋の散らかりもどうかしてるわー…。
ま、朝起きてパパパッとやってしまいましょうかね!
で、本日は雨。
夏実ちゃん雨だけど来れるかな?
今日雨だから来週にしようとかないよね?なんなら、やっぱり絵本窓越しから渡してとかないよね⁉︎
はっ!まさか‼︎
ポスト入れといてとかさ…ないよねっ⁉︎
…
お迎え行った方がいい⁇
ソワソワ ドキドキ
約束の時間までずっとキャンセルされないか落ち着かなかった。
そして約束のお時間ですよと、アラームさんがご親切にぶぅぶぅと教えてくださった。
パッと空を見上げると雨は、すっかり止んでいた。
そして、夏実ちゃんはきちんと約束の時間に来てくれたのです‼︎
が、下でお母さんに捕まってしまった夏実ちゃん…。
このままじゃ、リビングでせんべい品評会が始まるぞ?
ドタバタと下に降りて夏実ちゃんを連れ去った。
「夏実ちゃん、せんべい妖怪に狙われてたんだね、大変だ!行こう‼︎」
と。
するとせんべい妖怪は、
「あらぁ、お部屋デート♡⁇ならせんべい持っていきな〜」
と口からぼろぼろとせんべいを撒き散らし妖怪は、せんべいを差し出した。
「部屋デートじゃないし、お菓子あるから大丈夫」
と言い放つと妖怪は、にっこりしながら手をフリフリした。
やっぱり手からもせんべいがポロポロと溢れた。
妖怪は、その後掃除機をしていた。
無事妖怪から夏実ちゃんを救い出すことができた。
「夏実ちゃん大丈夫だった?」
「あー、うん。でも、おかあさんを妖怪なんて後で怒られるかもよ?」
と、夏実ちゃんは心配してくれた。
「大丈夫!妖怪退治慣れてるから」
と最新スイーツをしまってある棚を夏実ちゃんに披露した。
「あはは、おばちゃん最新スイーツに昔から目がないもんね」
「そ、だから大丈夫!」
と、無事妖怪退治が解決した。
それから夏実ちゃんにもスイーツのお裾分けをして、絵本を飾ってあったところから本を取り出した。
「夏実ちゃん、この前言ってた本これなんだけど、読み聞かせしようか?」
と冗談を言ってみた。
すると夏実ちゃんは、
「なら、わたしが読み聞かせしてあげるよ〜。おひざにどうぞ」
とひざをポンポンとした。
えっ⁇
ま、まって…
いいのっ⁉︎
オレが固まっていると、夏実ちゃんは
「うそだよ〜、そんなわけないじゃーん」
と笑ったじゃないか。
「あー、ハハッ。そ、そうだよねー…」
とオレも笑ったけど…
なんだ。そうか。と少しガッカリだった。
しゅんとしていると夏実ちゃんがいきなり、
「あっ、このキャラクター人気だよねっ⁉︎この絵本のキャラクターなんだね。」
と絵本の表紙をマジマジと見ていた。
「そうなんだよ。そのキャラクターが大好きでさ。」
「読んでみてもいい?」
「うん。」
一ページ一ページ一生懸命読んでいる夏実ちゃん。
クスッと笑ったり、えっ⁉︎みたいな顔をしたり、もうそれをずっとみていても飽きないくらい可愛く愛おしく感じた。
パタンと最後のページを読み終え本を閉じた夏実ちゃん。
にっこりオレの方をふりかえり、
「かわい〜♡」
とキュン顔をした。
やっばっ…‼︎
可愛すぎる〜ぅ。
夏実ちゃんが可愛すぎるぅ。
あー夏実ちゃんがぬいぐるみだったら、もう抱きしめて抱きしめて絶対離さないよね〜。
と思っていたら、うっかり自分の部屋だし油断してたオレは、
「夏実ちゃんってさ、かわいいよね。」
なんて、言っていた。
「えっ?」
「あー、間違えた。夏実ちゃんって昔からかわいいの好きだよねって言おうとした…ははっ…。ま、夏実ちゃんもかわいいけど…」
「あー…、う、うん。かわいいの好き。直斗くんもかわいいの好きだよね。」
「うん‼︎好き!大好き‼︎すっごく‼︎」
夏実ちゃんがねっ‼︎でも、言わないよ?こんなこと言わないけど夏実ちゃんが好きだーーっ‼︎
と、テンション爆上がり。
…
「あー…、ほんとよく伝わる…」
ぎゃあーっ‼︎
夏実ちゃんに引かれてない?ドン引きされた⁉︎
そうだよね?
男子がキャラクターを好き好き言ってたらそりゃキモいわな…。
せっかく久しぶりに夏実ちゃんが遊びに来てくれたのに…ドン引きされるとかさ…ほんとオレってバカじゃん⁉︎
これは、どうやってばんかいいたしましょうかね…。
続く。




