落とし物
リュックを背負い手にはお土産。
なかなかの荷物だ。
あーやっともうすぐ家に着くぞ。
朝はあんなに気分がウキウキで布団から早く出たいって感じだったけど、今は早く布団に転がりたい。
ゴロゴロして携帯の写真でものんびりみて今日の一日を振り返りたい。
と思って歩いてたら…
夏実ちゃん?
オレの少し前を夏実ちゃんが歩いていた。
怠さのテンションから一気に爆上がりで元気になるオレ。
「夏実ちゃーん‼︎」
オレの声に気づいて振り向く夏実ちゃんは、なんともお美しい。
あの振り向くときの髪がサラサラ〜ってなるのがどうしてもたまらないのです。
「あ、直斗くん!お帰り」
「ただいま。あ、そうだ。お土産!」
ガサゴソとお土産を出して夏実ちゃんに渡した。
「ありがとう。楽しかった?」
「うん!楽しかったよ」
「えー、写真とかみたいなー」
「あぁ、まだ写真整理してないから変なの映ってるかもだけど…」
と写真をひらいていたら夏実ちゃんが
「あ、何か落ちたよ」
とオレの携帯から落ちた何かを拾ってくれた。
…
あ…
落ちたのって…
…
夏実ちゃんは、あの春野さんとの写真をみて固まっていた。
「あぁ、それは…」
「うん。そうだよね。幼馴染だからって写真みせてとか…わたしあつかましいよね。ごめん。お土産ありがとう。」
と夏実ちゃんは、早歩きで行ってしまった。
キモかったかな?
夏実ちゃんは、きっとオレと春野さんがキスしてる写真だと思ったよね…。
やっぱり…そんな写真みたらキモいよね。
幼馴染のそんな写真…引くよねー…。
ごめん…夏実ちゃん。
キモい幼馴染で、ごめん。
早歩きで過ぎ去っていく夏実ちゃんの後ろ姿に何度も謝った。
まぁ…気持ち悪い幼馴染に謝られたら余計気持ち悪い…よね。
そして数日後またしても事件勃発
何気なく携帯の連絡先をひらいたら夏実ちゃんが連絡先からいなくない⁉︎
あれ、オレがもしかして間違えて削除しちゃった⁇
え?
グループにもいらっしゃらない…
あわわ…どうすれば…
よっぽど気持ち悪かったのかなぁ…
夏実ちゃーん…そんなに全力でオレをキモがらないでくださいな。
って言っても伝わらない…よね。
キスしてないけど、してるみたいなアングルだったもんね…。
それも夏実ちゃんも知ってる同級生だし…そりゃあ、拒絶されてもね…。
はぁ…、もう夏実ちゃんオレと目すら合わしてくれないんじゃない?
汚らわしい男めってさ…
あの写真は、キスしておりません。
だから?って言われるのもこわい…。
あー、こわいこわいこわい…
もしかして、そのうち家の玄関の前にお土産返されてたり…しないよね?
ね?
その日以来オレは玄関をあけるのが恐怖でたまらなかった。
あの出来事が…あの写真が…こんなことになろうとは…
続く。




