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シール

 夏実ちゃんが手にしたものは…

 

 オレとみさきの写真シール。

 

 …

 

 夏実ちゃんがそれをジーっとみていた。

 

 やっぱり夏実ちゃんは、みさきを…みさきをまだ諦めきれていないのじゃないか⁉︎

 

 しばらく長いことガン見していた。

 

 あの…夏実ちゃん…

 

 もし夏実ちゃんが虫めがねで、そこに太陽があったとしたら、その写真にかなりの熱量が加わって穴があいていたに違いない。

 

 夏実ちゃんの目から…目からかなりのビームが出ているんじゃなかろうか…

 

 

「あの、夏実ちゃん?」

「あっ、え?」

 夏実ちゃんが動揺しているのがよくわかる。

 

 …

 

「よかったら同じやつたくさんあるから何枚か持ってく?」

 と恐る恐る聞いてみた。

 

 もし、持ってくって答えたのなら…やっぱり夏実ちゃんは、まだ…

 

 …

 

 すると…夏実ちゃんは笑顔で、

「えっ?いいの⁉︎嬉しい!」

 とかえしてきたじゃないかっ…。

 

 やっぱり夏実ちゃん…まだみさきを…

 

 …

 

 ワクワクな顔の夏実ちゃんに、ハサミで切り取ったシール写真を渡した。

 

 するとそれを大事そうに持ち、

「それじゃあ、ありがとうね!」

 とそのまま帰りそうになっていた。

 

「な、夏実ちゃん…参考書」

「あー、もうわたしったら…」

 

 ほいっと参考書を渡すと、写真を大事に持ちつつ参考書を持ち帰った夏実ちゃんだった。

 

 やっぱり夏実ちゃんは、まだみさきを引きずっているんだろうなぁ。

 

 …

 でもさ、

 みさきのこと忘れるくらいオレも頑張って夏実ちゃんを惚れさせてみせるぞ!

 と意気込み、また寝ようとしたけど、下にいる母さんが恐ろしいから起きることにした。

 

 

 そして、食べ終わった茶碗もきれいに洗っておいた。

 

 そしてまた寝ようかとも思ったけど、やっぱり勉強勉強っと。

 

 

 …

 

 ふと、勉強の合間に夏実ちゃんにあげたプリントシールを手に取った。

 

 夏実ちゃん…嬉しそうだったな…

 

 

 

 

 それから数日後

 

 みさきの携帯を、ふとみると携帯のうしろに彼女とのシールが貼ってあった。

 そして、そのとなりにオレたちのシールも。

 

「みさき、そのシール貼ったんだ」

「あぁ、うん。なんか夏実ちゃんもそのシール携帯に貼ってるみたいじゃん。直斗あげたんだね。」

「あー…」

「それをみた柚乃ちゃんに、わたしもちょうだいっておねだりされたよ。ほんとかわいいんだよねぇ。オレの彼女〜」

 と溶けそうな笑顔でオレをみてくるみさき…

 

 あー、夏実ちゃんの気も知らないでみさきは、彼女と仲がよろしいこと…。

 

 ってかさ‼︎

 夏実ちゃん…なんでわざわざ携帯にそんな写真貼ったんだろう…。

 

 しかも、それを彼女に見せるとかって…

 

 夏実ちゃん…

 

 

 夏実ちゃんは、いつか柚乃さんにほんとの気持ちを打ち明けるのだろうか…?

 

 そしたら…喧嘩になっちゃうのかな…。

 みさきは、どうするんだろう…。

 

 …

 

 オレは家に帰りプリントシールを裏返して机の中にしまった。

 

 

 そして勉強していたら夏実ちゃんから連絡がきた。

 

 明日参考書お返ししまーす。と。

 

 

 そして次の日、夏実ちゃんから参考書をかえしていただいた。

 

 そしたら…

 

「これ、よかったらどうぞ」

 と夏実ちゃんと柚乃さんの映ったプリントシールをくれた。

 

「え、いいの?」

「うん。いらないかもだけど…この前のお礼にさ。」

 と夏実ちゃんは、恥ずかしそうにオレにくれた。

 

 いらないわけがない‼︎

 

 あー、夏実ちゃんだぁ。

 オレは、そのシールを貼ってしまったらもったいないと、携帯の透明ケースに入れることにした。

 

 これならシール剥がさないし、いつでもみれるぅと。

 

 もう、数分おきにみてたよね。

 それからも、赤ちゃんの授乳のペースくらいで頻繁に鑑賞するオレなのでありました。

 

 続く。

 

 

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