変な夢
カラカラン カランコロン
涼しげな音を鳴らしながらオレは透明の水が白くなるのをみていた。
おぉ、どんどん混ざっていく。
よし、いい色だ!
ゴクリと一口飲んでみた。
うん、最高の出来だ。と、ただただジュースを飲んでいる暇な土曜日なのでありました。
サワサワと外の大きな木についている枝と葉っぱが揺れている。
あー、なんてのどかな休日。
今日は、夏実ちゃん柚乃さんと遊ぶって言ってたなー。
そんなことを考えながらまたジュースをつくる。
濃いめがいいんだよねぇ!
ってさ…もうこれ三杯目。
誰かオレをとめてください‼︎って心でわめいていると、ピコンとメッセージが届いた。
みさきからだ。
「今、ひま?」
ときたので、
「うん。肥満」
と送ってしまった。
…ひまって送ろうとしたんだけどな。
まぁ、こんだけジュース飲めば肥満にもなりますよね…。
慌てて、ひまだよと送信した。
するとみさきは、柚乃さんとのラブラブツーショット写真を送ってきたじゃないか…
急にひまじゃなくなったとみさきに送ると、
「オレはひまだよぅ…柚乃ちゃん今日夏実ちゃんと遊んでるらしいんだ」
と送られてきた。
うん。知ってる。
夏実ちゃんいないからオレもひまだと送ると、さみしい同盟を組もうとお誘いを受けた。
なので、さみしい同士でお出かけに行くことにした。
そして、とても楽しくハッピーな映画をみてそのあとアイスを食べてゲームをした。
楽しいなぁ。
締めくくりにシール写真を撮った。
一枚はめちゃくちゃ変顔で。そしてもう一枚は、キメ顔で。
うん。わざとらしいキメ顔がまた面白い。
そしてさみしい同士は、はっちゃけ同盟になって解散した。
日曜日は、またまた暇だった。
そんな暇な週があっても良かろう。
てなわけでのんびりいつまでも眠り続けようと決めた。
決めたというより、決心した。
そしてひたすら寝ていたらなぜかオレにリンゴをくれるゴリラ。
食べるとモッサモサすぎて気絶した。
気絶していたら、七匹の手ながざるたちがオレを囲んでバナナを食べていた。
…なぜオレを取り囲んでバナナ食う?と不思議に思いながらも眠り続けるオレ。
夢にしても変すぎる。
どうせ次は変なやつがきてオレにキスをしてびっくりして目を覚ますパターンだ。
どんなやつが来るんだ?と思っていたら…まさかの夏実ちゃん⁉︎
「おきて」
と優しく声をかけてくれる夏実ちゃん。
あぁ、夢だけどやっぱり夏実ちゃんは最高とニヤニヤするオレ。
夏実ちゃん、早くオレにキスを…じゃないとオレずっと目覚められない。
夏実ちゃんに夢で催促。
「夏実ちゃん…夏実ちゃん…キス…」
両手を伸ばして夏実ちゃんを抱き寄せた。夏実ちゃんがどんどんオレに近づいている。
キス キス キス
ムギュ〜
うぐっ…
な、なんか人を抱いている感触があるのに顔のところだけがく、苦しい…
グハァッ
目を覚まして起き上がると顔にクッションが乗っていた。
ガバっとクッションを外すと夏実ちゃん⁉︎
オレの正面に夏実ちゃんがいた…
え?
じゃあ、この感触って…
⁉︎
オレ、夏実ちゃんを抱きしめてんじゃん‼︎
ベッドで夏実ちゃんを抱きしめてるとか…オレは何をやってんだよ⁉︎
「夏実ちゃん…これは一体…」
「うん…、なんだろうね?」
夏実ちゃんは、恥ずかしそうな困った顔をしていた。
そして、
「そろそろ…起きたなら解放してもらえると…身動きとれるかも」
とオレから視線を少し外した。
「あー…ごめん。」
とすかさず夏実ちゃんを解放しましたよ。
「ううん。」
と夏実ちゃんは、おっしゃってくださったけど、なんか申し訳ないし…はずっ。
「あのー…ところで夏実ちゃん、どうしてオレの部屋に?」
「あぁ、参考書借りにきたらおばちゃんに、いい加減直斗起こしてきてもらえる?」
って言われて…
そしたら、オレがキスキスいうから慌ててクッションを顔に置いたそうだ。
…あー。
夢と現実がごっちゃーっとしていた。
あぁ、ファーストキスが夢とごっちゃじゃなくてよかったと心から思った朝であった。
さて、起きますか。
「参考書机の上にあるよ。今日使わないから持ってっていいよ。」
「うん、ありがとう。じゃあ借りていくね」
「はーい」
「あれ、これって…」
あ、それは…っ
続く。




