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頑張ろう

 学園祭が無事に終わった夏実ちゃん。

 

 オレたちの学園祭は、今年じゃないから誘えないけど、オレたちも学園祭がある年は夏実ちゃんを誘ってあげようと今からウキウキなオレだった。

 

 

 でも、そんな学園祭でまさか…まさかになるなんて今のオレは知るよしもない。

 

 

 高校が別々になりまた前みたいに疎遠になってしまうんじゃないだろうかと心配していたけど、意外とオレがマメに連絡を取ると夏実ちゃんは、嫌がらないでオレに応えてくれる。

 

 なんて優しいのだろう。

 夏実ちゃんは、昔からそうだった。

 

 ずっとこんなオレに優しく接してくれているのだ。

 

 オレは押し入れからゴソゴソとアルバムを出そうとした。

 

 でも…わざわざゴソゴソしなくても、すんなりとりやすいところにあるのさ。

 

 だって、よくアルバム見るからさ。

 

 こんなの見られたら夏実ちゃんにキモいって思われるかな。

 

 いつもアルバムみてるから、ナルシストかよってさ。

 

 うん。まだ、ナルシストって思われたほうがマシだ。

 

 だって、ほんとうの目的は昔の夏実ちゃんを見ることだから…。

 

 そんなの、絶対キモいよね。

 幼馴染がそんなことしてたらやっぱり引くよね…。

 

 納豆の糸くらい…ひくよね…。

 

 そんなやばいオレは昔の夏実ちゃんをみてやっぱりかわいいなぁと、うっとりするのでした。

 

 夏実ちゃんとのツーショット待ち受けにしたいなー。

 

 絶対できないけどさ…

 

 あ、でもこれなら待ち受けにしてもバレないんじゃね⁉︎

 

 オレは携帯でとあるものをカシャっと、とり待ち受けにした。

 

 うんうん。

 いいねー。

 

 

 早速次の日みさきに待ち受けを披露してみた。

 

 すると、

「おー、うまそうじゃん」

 とナイスリアクションをしてくれた。

 

「だろ」

「うん。でも、なんでケーキ?もしかして疲れてる?甘いもんが欲しているのか?大丈夫か?」

 とオレを心配してくれるみさきさん。

 

 やっぱりみさきは、神だよ。

 マジで優しいわ。

 

 好きになっちゃうよ。

 そりゃ、夏実ちゃんだって…

 

 …

 

「なー、みさき」

「なに?」

「みさきってほんと優しいよなー」

「えっ?これは…遠回しに誕プレの催促…」

「いや、ちげーよ。」

「あ、そうなんだ。よかった」

 とお財布をなでるみさき。

「オレ誕生日まだだし」

「あー、たしかに」

 

 みさきさんは、金欠らしい。

 彼女いるとやっぱりなにかとお金が出ていくらしいのだ。

 

 オレも夏実ちゃんと付き合ったらクリスマスとかお金使うだろうな。

 今から貯めておかなくちゃ!

 と、付き合える可能性があまり高くないのだけれどお金を貯めようと決心したのでありました。

 

 あー、オレって頑張り屋さんだなぁ。未来のために勉強だって頑張ってるし。

 

 夏実ちゃん、待っててね!

 いつか、オレと付き合いたいって思えるような素晴らしい男性になるからねっ!

 

 みさきを越えれるかわからないけど、いつも気遣いできる男になるからね!

 

 と、誓った。

 

 オレは宣言通りに早速色々と実践開始した。

 

 夏実ちゃんは、見ていないけどクラスで困った人がいたら進んで声かけをした。

 

 少し気にかけるだけで意外と困ってる人っているもんだ。

 

 顔色が悪くて体調不良とか、お昼忘れて困ってる人。

 

 なんなら、オレはゴミも落ちてたら拾う。ゴミ以外もよく落ちていることに気づく。

 

 シャーペンや消しゴムもみんなよく落とす。

 すかさず拾うオレ。

 

 で、笑顔で

「はい。」

 と渡す。

 

 あー、なんかみさきサマに近づいてきたかもしれないなぁ。

 

 てか、みさきは今までこんなことを無意識にしていたのだから素晴らしい。

 

 オレも無意識になれるくらい頑張ろっと。

 

 続く。

 

 

 

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