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学園祭

 オレたちは、ホクホクしながら家に帰っていた。

 

 帰り道、夏実ちゃんがなにやらバックをゴソゴソと漁り出した。

 

 で、何やら一枚の紙をオレにくれた。

 

 ‼︎

 こ、これは学園祭の招待状。

 

 わーい!

 

 …ってさ。

 喜んだのはいいけど…どうしよう…

 

 …

 

「夏実ちゃん、これくれるの?」

「うん!ぜひお友達ときてね。」

 と微笑んでくれたけど…

 

 まさかみさきと行くわけにもいかない…よねー…。

 

 とりあえず夏実ちゃんには、笑顔でありがとうと言った…けどね。

 

 …

 

 こ、これは…遠回しにみさきに会いたいってこと…なの⁈

 

 いや…でも夏実ちゃんの友達ともう、みさきは付き合っているわけだし…やっぱり違う友達と行くべきか…。

 

 

 …

 

 うーん…

 

 とりあえずチケットは、大事にお財布にしまい次の日だれといこうかなと迷っているとみさきが、

「ねぇ、夏実ちゃんから学園祭のチケットもらった?」

 と、みさきさんったら言ってきたじゃありませんかっ!

 

 何を呑気にあなたはっ‼︎

 

 人の気も知らないであなた…と責めても仕方ない…。

 

 だってみさきは、夏実ちゃんの気持ち知らないんだもんね…。

 

「チケット、もらったよ」

 とお財布から出してチケットをみさきに見せるとみさきも、

「オレも彼女からもらったー。なら一緒に行こうぜ」

 というじゃありませんかっ‼︎

 

 ‼︎

 

 あー…夏実ちゃん。

 せっかくの学園祭に好きな人が彼女と目の前でイチャイチャしだすのをみるなんて…なんともかわいそうです…。

 

 まぁ、全てはオレのせいなんですよね…。

 

 お祭りなんかに誘ったから…だから全てが狂い出した…と。

 

 辛いよ…ね。

 

 好きな人が彼女といたらさ…。

 

 でも、これはどうすることもできないです。

 

 なのでせめて当日は、精一杯の償いをさせていただきます‼︎と意気込んだ。

 

 まだ数週間あるけど、やっぱり落ち着かない…です。

 

 夏実ちゃんの気持ちを考えると辛いです。

 

 わかるよー…。

 オレも花火のとき、夏実ちゃんがみさきと話してるのみただけで胸がチクンとしたもん…

 

 チクンっていうか、グサってなるんだよねー…。

 

 なんか一瞬でからだを流れる血が赤じゃなくて灰色になる感じ…。

 

 あー、思い出すだけで暗くなるわー…。

 

 だから、当日はなるべく夏実ちゃんが灰色の血にならないように作戦を立てている。

 

 そのためにミニバイトも始めたのだ。

 

 そして、コツコツと計画を練りお金も貯めた。

 

 もう、準備万端です‼︎

 

 夏実ちゃんを悲しませないようにオレはとにかく準備をした。

 

 で、みさきと夏実ちゃんたちの学校へと向かう…とすぐさまみさきの彼女を発見。

 

 ナース姿じゃん…

 

 柚乃さん…と思ったらとなりに夏実ちゃん‼︎てか、夏実ちゃんもナース‼︎

 

 ナース姿かわいいけど…もう鉢合わせ…。

 てか、夏実ちゃんそんなに柚乃さんと仲良くて辛くないの⁉︎

 

 なんて思っていたら、早速みんなで記念写真撮ろうと言い出す三人…

 

 夏実ちゃん…楽しそうに笑っておりますが心で泣いてたりしない?

 

 無理すると心が折れちゃわない?

 

 夏実ちゃん…

 

 そんなオレの心配も関係なしに三人は、楽しそうに話をしていた。

 

 このまま四人でいたら夏実ちゃんは、灰色の血が流れ続けて倒れてしまう!

 

 危険回避のため、オレは夏実ちゃんを誘って買いたい放題ツアーに誘った。

 

 え?って顔の夏実ちゃんだったけどじゃんけんで負けた方がおごりってやつを開催した。

 

 夏実ちゃんがはじめに何をだすかわかっている。

 

 だいたい夏実ちゃんのことは、把握しているのさ。

 

 なのでみさきたちとは、別行動。

 

 

 というわけで、オレはわざと夏実ちゃんにじゃんけんで、負け続けたのです。

 

 そして、きちんと事前にお金も貯めていたから作戦は、成功した!

 

 これで、夏実ちゃんが辛い思いをしなくて済んだってわけです。

 

 それにオレもナースの夏実ちゃんとまわれて幸せでした!

 

 と、このまま解散できたらよかったのに…

 

 な、なぜこうなった⁉︎

 

 どうなったって…

 

 それは…

 

 続く。

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