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 布団に入るとオレは魔女になっている夢を見た。

 

 

 ボコボコと大きな入れ物の中でなにかが沸騰していた。

 なんかその液体は、ひと混ぜするたびに色がかわり緑や青、黄色や紫になったりしていた。なかでも真っ赤になったときは、少し怖かった。

 

 その魔法の薬をグツグツと煮出して小さな可愛らしい小瓶に液体を入れて夏実ちゃんにオレが惚れ薬をプレゼントしていた。

 

 なんか瓶に入れると、七色に輝いていてアワビの殻の内側みたいで綺麗だった。

 

 それを美味しそうにゴクンと飲んだ夏実ちゃんは、オレを見て突然オレに抱きついてきたのだ。

 

 ‼︎

 この薬は、効果的面!

 うほほぉ♡と喜ぶオレ。

 

 やっぱり薬の力ってすげー‼︎

 

 あー最高〜♡

 

 と、はじめはよかった…んだけどさ…

 

 なんか…なんか虚しい。

 

 ほんとの夏実ちゃんの気持ちじゃなくて、なんか…なんか機械みたいだ。

 

 もう夏実ちゃんっていうよりは…エー・アイちゃん…だ。

 

 そんなのいやだぁーー‼︎

 

 ガバっと起き上がり夢でよかったと、またすぐさま眠りについた。

 

 そしたら、また夢をみた。

 

 鏡で自分を確認した。

 今度は、魔女じゃない…と思ったらまさかのみさきになっていた。

 

 …え。

 

 なんでみさき…

 

 はっ⁉︎

 な、夏実ちゃんがくる。

 

 ど、どうしたらいい…

 

 オレは直斗だけど、みさき…

 いや、みさきだけど…直斗?

 

 え…、どっち⁉︎

 

 外の皮がみさきで中の脳みそがオレ⁇

 

 …

 

 夏実ちゃんになんて言えばいい?

 オレは直斗だけどみさきみたいな顔って言えばいいの?

 

 …えと、うんと…わからない。

 

 その間もどんどんオレに近づく夏実ちゃんは、オレに向かって

「あ、お久しぶりだね」

 とにっこりした。

 

 夏実ちゃん…。

 

 オレはみさきっぽいけど直斗だよ。なんて言ってもね…

 

 あー、もうこれはきっと夢なんだし夏実ちゃんの夢を叶えてあげたいとオレは強く思い夏実ちゃんをぎゅーっとハグさせていただいた。

 

 そして夏実ちゃんに

「好きだよ。」

 と伝えた。

 

 これは、みさきからの言葉として。

 ほんとは、夢じゃなくて現実にみさきから夏実ちゃんに言って欲しかったがオレのせいでみさきが別の人とお付き合いしてしまったのでつぐないだ。

 

 

 夏実ちゃんには、叶えてあげられなかったからせめて夢でだけは、叶えてあげたいと強く思ったのだ。

 

 夏実ちゃんは、オレに抱きしめられながら

「ありがとう」

 とつぶやいた。

 

 夢でごめんね。と夢を見ながら謝った。

 

 てかさ、

 夢を見てるのがオレはわかっているのか?

 オレってすごっ! 

 天才と自分をたたえた。

 

 夢ならもう、どんどんいいんじゃね⁉︎

 色々と夏実ちゃんに甘えてもいいんじゃね⁈

 解禁しちゃう⁇

 しちゃわない⁇

 

 もちろん、しちゃうに決まってるぅ〜。

 

「夏実ちゃ〜ん。好き好き大好き〜」

 と何度も夏実ちゃんへの愛を伝えた。

 

 これはみさきとしてじゃなくてもうオレ自身から。

 

 そしたら、夢の夏実ちゃんが

「なんか…直斗くんといるみたい」

 とクスクス笑った。

 

 …はい、んな…な…直斗です。

 しかし音声がきちんと夏実ちゃんに届きません。

 

 夢だからやりたい放題なんだよね?

 なのに…なのになんでっ⁉︎

 

 なんで上手く喋れないの?

 

 シャボン玉がパンっと割れるかのように、パンっとなり、目を覚ましたのでありました。

 

 続く。

 

 

 

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