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覚悟

 オレは夏実ちゃんに連絡してそっちに行ってもいい?ときいた。

 

 すると、うん。と返信がすぐにきた。

 

 

 ドキドキドキドキ

 夏実ちゃんちの階段を一歩づつのぼった。

 

 夏実ちゃん…夏実ちゃん…ごめんね。ほんとにごめんね…と詫びても詫びきれない。

 

 そもそもオレが隣になんて住んでいなければ…帰り道にあんなことに…あ、その前にオレが夏祭りに夏実ちゃんを誘わなければ…みさきと柚乃さんがであわなかったんだ…

 

 あー…オレはなんてことをしてしまったのだろう…。

 

 ほんとうにごめんなさい。

 

 

 

 そして夏実ちゃんの部屋にたどり着いた。

 

 コンコンとドアをノックすると、

「どうぞ」

 と夏実ちゃんは、答えた。

 

 なので重いなまりのようなドアをあけた。

 …なんなら鉄のドアくらいオレには重く感じた。

 

 ドアが重い…

 ドアの向こうからすっごい風圧があるんじゃないですかってくらいとにかく重い…

 

 …キィっとドアがあくと夏実ちゃんは…目を真っ赤にしていた。

 

 …なんならくちびるも赤かった。

 

 目が赤いのは、きっと花粉症…ではないだろう。おそらく泣いた…?んだよね…。オレのせいで…

 

 …

 

 で、くちびるが赤いのは…ただのスパゲティのせい。

 

 夏実ちゃん…そんなに泣き腫らすなんて…

 

「夏実ちゃん…ごめん。」

 オレはほんとにその言葉しか思いつかなかった。

 

 オレのごめんを聞いてまたポロポロと泣いてしまった⁉︎

 

「あ、夏実ちゃん…」

 

 …

 

 しばらくそっと隣に座っていた。

 

 オレにはどうしようもできない…

 

 …

 

 オレは泣いている夏実ちゃんの隣でとある決心をした。

 

 しばらくそっと隣に座っていたんだけど、夏実ちゃんが涙を拭いて一生懸命笑顔をつくり、

「ごめんね。こんなの困るよね」

 と精一杯の笑顔で微笑んだ。

 その笑顔が、パスタのせいでくちびるが赤くてさ、口紅をつけているみたいでオレのハートがズキュンってなったよね。

 

 

 その笑顔を見てオレはとあること決心した。

 

 夏実ちゃんがみさきを忘れるくらいオレを好きになってもらいたい‼︎と。

 

 そしてオレは夏実ちゃんを精一杯愛する‼︎

 夏実ちゃんが幸せになれるように、毎日笑って暮らせるようにオレは頑張りたい‼︎そう思ったのだ。

 

 夏実ちゃん、オレ夏実ちゃんに釣り合うとかじゃなくて夏実ちゃんが毎日笑顔で幸せになれるように頑張るから。

 だから…もう泣かないで!

 と無言で訴えた。

 

 …無言だもん。もちろん伝わらない。

 

 いまはね‼︎

 でも、いつか…いつか必ず夏実ちゃんを笑顔にさせてみせるよ!

 

 言葉じゃなくてきちんと態度で幸せだなって夏実ちゃんがわかるくらいになるまでオレ頑張るからね‼︎

 

 

 で、早速夏実ちゃんが笑ってくれるように面白い話をしたりした。

 

 そしたら、夏実ちゃんがクスクスって笑ったんだ。

 

 少し夏実ちゃんが元気になってくれてよかった。

 

 調子に乗ったオレは、今日一日でたくさん夏実ちゃんの笑顔をゲットすることができた。

 

 

 とりあえず、

 ホッとしたし安心した。

 

 いつまでも夏実ちゃんが泣いていたら大変だもんね。

 

 オレも泣いちゃうかもしれない…。

 

 すっかり夏実ちゃんが元気になったのでとりあえず退散することにした。

 

 そしてオレはその日から猛勉強をしたよ。

 

 

 なぜって?

 そりゃあ、決まっている。

 

 夏実ちゃんを幸せにするため。

 

 やっぱり幸せにしたいって決めた以上は、結婚だって視野に入れておくべきだろう。

 

 そして今までは、たまに連絡を取るって感じだったけど、今じゃ数日に一度オレから連絡してやりとりをしている。

 

 夏実ちゃんも嫌がっている様子もなく今日は、こんなことがあってね、とか今度学校でさと、色々話してくれるからつい聞き入ってしまう。

 

 あぁ、楽しい。

 夏実ちゃんもすっかり元気になったみたいだし。

 

 まぁ…でも、そんなにすぐには割り切れないとも思うけど、オレはオレなりに頑張ろうと心に決めたのだ。

 

 続く。

 

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