ごめんしかでないです…
お祭りも無事終わった。
そしてオレの恋も終わった…
夏実ちゃんは、みさきを好きっぽいがどうも積極的じゃないんだよなー。
よく、みさきみさきってオレに聞いてくるけど…夏実ちゃんは、どうしたいのだろう?
みさきは、正直言ってモテるしオレからみても惚れちゃうくらい素敵な人だと思う。
だから、やっぱり夏実ちゃんには、みさきとうまくいってもらいたいと思う。
お祭りから二日後、偶然夏実ちゃんと家の前であった。
「あ、夏実ちゃん」
「あー、直斗くん。お出かけ?」
「うん。おつかい頼まれてさ…」
「えっ、わたしもこれからスーパーに行くの。一緒にいかない?」
‼︎
おつかいが…ただのダルいおつかいが‼︎
夏実ちゃんとのお買い物デートみたいになりました‼︎
二人で仲良くお買い物〜
「直斗くんは、何買うの?」
「オムライスの材料だよ。夏実ちゃんは?」
「うちは、ミートスパゲティの材料」
「なら、どっちもケチャップいるね」
「ほんとだー」
あぁ、新婚さんの会話みたいじゃないか。
でも、相手は…夏実ちゃんの結婚相手は…オレじゃないからなぁ…。
「あのさ、夏実ちゃん」
「なぁに?」
「夏実ちゃんって…あー、てかオレね…実は…失恋してさ」
「えっ⁈そ、そうなの…?そうなんだ…辛いね」
とかなしそうな顔をする夏実ちゃん。
なんてお優しい。
そんなに沈んだ顔するなんて…
自分のことのように…
「でね、夏実ちゃんには、好きな人…きっといるよね?だからオレのぶんも幸せになってほしいっていうか、幼馴染として応援したいんだ!どうだろう?オレが応援したらやっぱり嫌かな?」
と夏実ちゃんの顔を覗き込むと…夏実ちゃんは…くらい顔をしてオレに…
「わたしも…失恋しました…」
と言ってきた。
え…
みさき…もしかしてお祭りで夏実ちゃんをふったの⁉︎
あ‼︎
みさきは、オレが夏実ちゃんを好きだと思って…そ、それで…気を遣って…?
あー…、みさきー…
恋より友情って…みさきー‼︎
オレは早くみさきと連絡をとりたかった。でも、隣に夏実ちゃんいるし…電話できねー…早く電話して夏実ちゃんとのことを言わねば!オレはいいから夏実ちゃんと付き合ってあげてください!と。夏実ちゃんをずっと笑顔にしてあげられるのは、みさきしかいないって、言いたかった。
「夏実ちゃん…ごめん。オレ全然知らなくてさ。」
「ううん。わたしこそ直斗くんが失恋してたなんて知らなくて…」
…
なんだ?この時間は、いったいなんなんだ⁇
何かの罰ゲームでしょうか?
…
「直斗くんは…いつ失恋したの?」
「あー、みさきが別れたときくらいかなー」
いや、もっと前か?
「みさきさん…か。」
あっ…今はみさきの話禁句かっ…
ど、どうしよう…
「ごめん。オレ…夏実ちゃんが好きなの知ってたのに…なんにも出来なくて…」
「えっ⁉︎気づいてた⁉︎」
「あー、うん…」
そりゃ、あんだけみさきみさきって言ってたらね…
「えー…そ、そう…なんだ…ね…」
となんとも気まずそうな夏実ちゃん。
「でもさ、それオレのせいだから…だからなんとかするから」
「えっ…なんとかって…いいよ。そんな無理に…」
「無理とかじゃないから、オレに任せて!」
と、オレは得意げな顔をした。
夏実ちゃんは、ただそんなオレをジーっと見ていた。
そして気まずいままお買い物終了‼︎
で、急いでみさきに電話した。
…でない。
みさきー…
仕方ないのでメッセージを送った。
「後で伝話ください」
と。
すると長々と昔話が送られてきた。
しかも、オオカミと七匹のこやぎ…
あ、オレ…伝話って…
慌ててまたみさきに電話した。
「あ、みさき」
「おー、読んだか?」
「あ、うん。そ、そんな長々ありがとう」
「いいよ!で、なんで急にそんな昔話?」
「あー…なんとなく?」
「そ?で、あのさオレ柚乃ちゃんと付き合うことになったから」
といきなり爆弾発言してきたみさきさん…
「えっ…なんでそんなことに…」
「花火の帰りにいい感じになってさ」
…
あー…やっぱりオレのせい…。
オレが夏実ちゃんちの隣じゃなかったらさー…。
夏実ちゃん…ほんとごめん‼︎
オレは何度も夏実ちゃんに謝った。
夏実ちゃん…大丈夫かな…。
失恋した挙句に友達が好きな人と付き合いだすなんて辛いよね…。
夏実ちゃん…
告白しないまま…恋が終わってしまったのか…。
柚乃さんから報告受けたときショックだっただろうな…
…
オレはカーテン越しから夏実ちゃんの様子を伺おうとした。
そしたら、夏実ちゃんもちょうど外を見ていて目があってしまった…。
続く。




