夏実ちゃんは、犬⁇
部活に指揮に勉強。
忙しいけど、楽しいなぁ。
今度、部活が休みの時夏実ちゃんと曲合わせやりたいなぁ。
でもさ、部活…体育館だから雨の日休みとかないんだよなぁ。
ま、今は部活優先だよなー…。
あー、夏実ちゃんロスー‼︎
それにそろそろ夏休み…
オレは夏実ちゃんロスになりつつ大会当日を迎えた。
で、一回戦で敗退…。
まぁ、ここまでこれただけでもね!
ってわけで大満足で部活を引退することとなった。
昔のオレがここまでこれるなんて…夏実ちゃんがいなかったらきっと頑張れなかったと思うな。
ほんと、夏実ちゃんには感謝しかない。
そして、部活も引退となったので夏実ちゃんとのお勉強会がまた再開されるっ!
でも…夏休み。
お隣さんとはいえ…どうしたもんか。
実は…お互い携帯持ってるけどあんまり連絡し合わないんだよね。
もちろん連絡先は、知っております!
でも…なんて連絡する?
試合敗退したから勉強再開しよ〜‼︎みたいな?
うーん…。
どうしようっかなー。
あ、こんな時こそみさきちゃんの出番じゃないか!
てなわけで、みさきちゃんに連絡連絡〜っと。
「拝啓、みさきちゃん♡彼女とは、どうですか?どうでもいいですが。」
と送信。
するとみさきちゃん
「どうでもいいならほっといてくれて大丈夫です。」
ときた。
あー…、そうね。
「なら、放置します。ですが夏のバナナは放置するとあっという間に腐ります。」
と。
「なに?また夏実ちゃんで困ってる?」
と、勘のいいみさきちゃん。
「正解‼︎あなたには、腐ったバナナ三年分プレゼント‼︎」
と送信すると、いらないとお断りされた。
なんて物欲のないみさきちゃん。
そんなみさきちゃんにどうやってまた勉強誘えばいいかなって聞いてみたら、普通に連絡して誘えはいいんじゃない?とおっしゃってくれた。
あー…、普通ねー。
普通ってなに⁉︎
ピンポンして、とりあえずお勉強グッズのセールスする?
そして、どのようにお勉強しているのか見せていただきたいですっていいながら、部屋に上がり込む?
そんで、持参したルーレットまわして一回休みもらって布団で一休みして、そのままズルズル暮らしちゃう⁉︎
もうそれは勉強誘うとかの話じゃないよね。
普通ってなんだろう?
勉強の誘い方普通バージョンのマニュアルとか売ってないのかな⁇
あ、それよりも人の心の扉を無理矢理開いて入り込める方法の方が知りたいかも。
心の空き巣…的な?
でも、心泥棒…ってなんか嫌だな。
てか、どんどんずれてるな。
先生のカツラくらいズレてきてるな。
どうしたもんか…。
一回目は、すんなり誘えたんだけどなー。
流れみたいな感じでさ。
流れかー。
夏実ちゃんが玄関出てきたら猫じゃらしフリフリして、オレの部屋まで誘導する?
で、オレの部屋まできたらドアをパタンって締めて、ふふふやっと捕まえたぁ♡みたいな?
もう、それはヤバいやつだろ…。
あー、どうしたらいいんですかーー⁇
いきずまったオレは、シャワーを浴びてそのあと、思いっきりカーテンをシャーっとあけた。
心の扉を全開ーー‼︎みたいな解放感を出して。
あ、ご安心ください。
ちゃんと、服着ております。
カーテンをあけると、まさかの夏実ちゃんが部屋の窓をお掃除していたじゃありませんかっ‼︎
思わず手を、よっ‼︎みたいな感じでやってみた。
すると夏実ちゃんもニコニコしながらおててフリフリをしてくださった。
わぁ、夏実ちゃ〜ん。
これはチャンス‼︎
夏実ちゃんにメッセージを送信した。
「なにしてたー?」
と。
すると、
「窓掃除だよ」
って返事が返ってきた。
あー、そうだよねー。
「直斗くんは?」
なんて言われてしまったよ。
まさか…夏実ちゃんを勉強に誘うのに、どうしようか迷ってた。
なんて言えるわけないし…
だから、
「シャワー浴びてたよ。シャンプー変えたからかぎにくる?」
なんて冗談をいってみた。
嫌われるかな…。
もしくは、キモイよって返事くるかな。なんて思っていたら…まさかの…
「うん、いく!」
の返事だった。
⁉︎夏実ちゃん…まさか…においフェチだったり⁉︎
犬なの?夏実ちゃん…犬なんじゃね⁉︎
そんな夏実ちゃんが五分後に本当に来てくれた。
なので、夏実ちゃんに大事な質問をした。
きてそうそう、
「夏実ちゃん、一を英語で⁇」
と質問すると、夏実ちゃんは
「ワン」
と答えた。
ワンの発音…犬っぽいじゃん。
「夏実ちゃん…犬好き?」
「え、うん」
なんの質問だろう的な夏実ちゃん。
夏実ちゃん…犬なんだね?
夏実犬だと思えば緊張もしない。
「よし、夏実ちゃん!いらっしゃい‼︎」
両手を広げると夏実ちゃんは、オレに飛び込んでいらっしゃった。
またハグしちゃったぁ〜‼︎
最高〜。
癒やし〜。
でも、夏実ちゃん…
やっぱり…犬なんだ⁉︎
「夏実ちゃん…やっぱり…」
やっぱり犬なんだねって言おうとして一応やめてみた。
「あ、つい…ごめん。」
と恥ずかしそうに離れる夏実ちゃん。
「オレこそ、いらっしゃい…なんてね…ごめん。」
図々しくハグなんて…
となんだか変な空気に…。
「あ、夏実ちゃん今から合唱コンクールの練習しない?」
オレの提案に一瞬?だったけど、とりあえずピアノ弾いてみてほしいとお願いしてみた。
なので、夏実ちゃんちへと行くことになった。
続く。