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気分が乗らない…

 合唱コンクールは、まだまだ先だ。

 

 でも、なぜ数ヶ月前に曲や指揮者伴奏を決めるんだろうってずっと毎年不思議に思っていたけど、謎が解けた。

 

 指揮者は、だいたいのリズムを掴めばいいのだけれど、伴奏の人がピアノを覚えなきゃならないから早めに決定するらしい。

 

 たしかにそうか。

 

 部活、勉強、ピアノ練習だもんな…。そりゃある一定の期間を設けてあげなきゃなんだろうな。

 

 あ、ピアノ…

 

 そうだよ‼︎夏実ちゃんピアノずっと習ってたじゃん。

 

 てか、まだ習ってるのかな⁇一時期、夏実ちゃんとは疎遠みたいなときが続いたからな。

 

 夏実ちゃんは、指揮者じゃなくて伴奏をやりたかったのかな⁇

 

 ⁇

 それで、なんか悩んでたのかな?

 今度の勉強会で聞いてみよっと。

 

 なんて思っていたのだが、お互い部活が忙しくなってきてしまった。

 

 そろそろ最後の試合があるのであった。

 総体という行事だ。

 

 だから、仕方ないけどしばらくは個人でお勉強だね!と夏実ちゃんから言われたのです。

 

 うん。そうだよね。部活これで終わりかもしれないんだもんね…。

 

 引退試合か…。

 

 なんだか寂しいな。

 

 …

 

 と、いいつつも部活中はみさきちゃんといつも戯れあいだ。

 

 たまに真面目にやるんだけどね。でも、どうしてもストレッチが暇でさ。

 

「みさきちゃん。」

「ん?」

「あなたは、てんさいです」

「あぁ、まあな。知ってる」

「え、み、みさきちゃん…食べ物だったんだ?」

「そっちのてん菜かよ⁈」

「ワハハ」

「ま、オレは神だからいいや。」

「あー、薄っぺらい紙ですよね?」

「そっちのかみじゃねー」

「「あはは」」

 と、ストレッチし動きながらもふざけていたりする。

 

 

 もうすぐ大会というのもあり、みさきちゃんとは、結構おしゃべりするんだけどみさきちゃんが夏実ちゃん情報を提供してくださった。

 

 どうやら夏実ちゃんは、合唱コンクールでピアノを弾くらしい。

 そして、夏実ちゃんのクラスでなかなか決まらなかった指揮者は、クラスで人気者の須田すだくんに決定したらしい。

 

 が、その須田くん…どうやら夏実ちゃん目当てらしいのだ。

 

 あー…、夏実ちゃんモテるからなー。

 

 指揮者と伴奏は、息が合わないとだからアイコンタクトをする場合が多い。

 

 たしかに、オレも指揮者だけど…ピアノの人とアイコンタクトとるな。

 

 …あー、夏実ちゃーん‼︎

 

 オレの愛する夏実ちゃんが…この合唱コンクールで須田くんのものになってしまうのだろうか…。

 

 せっかく…せっかく元の幼馴染に戻りつつあったのになぁー…。

 

 須田くんは、サッカー部のエースだ。

 そりゃ、モテますよね…。

 

 もたもたなんかしていられない…。

 何か行動を起こさねば!

 でも、何すればいい?やっぱりあれだ!

 部屋をきれいにすることからはじめよう。

 

 部屋も心もきれいにせねば。

 あー、部屋片さなきゃ…。

 

 でも、気分が乗らない。

 肩に乗りやすいようにしゃがんだけど気分がオレに乗ってこない。

 

 お客さん、終点になりますよって言ったけど、気分は…やっぱり乗ってこないんだから、仕方ない…。

 

 気分だって、乗りたくないときがあるんだろう。

 てなわけで、部屋はまだ片さなくてよいとみなされた。

 

 

 

 そんなモヤモヤのなかついに総体が開催された。

 

 そして試合当日。

 トイレに行こうとしたら夏実ちゃんにばったりあった。

 

「あ、夏実ちゃん。頑張ってね!」

「うん!直斗くんも!」

 と声をかけあった。

 

 夏実ちゃんのおかげで気分が乗ってきた。

 いきなりの駆け込み乗車なみだったけど、そのおかげでオレたちは、なんと全国大会にいけることとなった。

 

 

 女バスは、全国までいけなかったけどよい成績をおさめた。

 

 

 

「直斗くん、おめでとう‼︎」

 夏実ちゃんからのお声かけをいただいた。

 

 夏実ちゃーん‼︎

 って抱きつきたいけど、そんなことしたら嫌われちゃうに決まってる。

 

 なので、抱きつきたい気持ちを抑え

「あ、夏実ちゃん。ありがとう。」

 とクールぶって答えた。

 

 あ、そうだ!

 夏実ちゃんに言いたいことあったんだ!

 

「夏実ちゃん、そういえば合唱コンクールピアノ伴奏するんだね。すごいじゃん」

 

「あー、一、二年の頃はピアノ経験者がクラスに何人かいたから伴奏じゃなかったんだけどね、三年生になったら誰もいないからお願いって先生に言われてさ…。指揮者もやりたいなーなんて思ったけどダメだった」

 

 ‼︎

 やっぱり夏実ちゃん指揮者やりたかったのか。

 

 夏実ちゃんの指揮者見たかったなぁ。

 それはそれで残念だ。

 

 あー、夏実ちゃんと同じクラスだったらよかったなー。

 

 夏実ちゃんと共同作業ーー‼︎したかったっすー‼︎‼︎

 

 

 あ、いいこと考えた。

 

 オレはクラスの春野さんにとあるお願いをした。

 

 すると春野さんは、オレのお願いを聞き入れてくださった。

 

 やっぱり春野さんは、部長なだけあって音楽に詳しいっすわ。

 

 

 オレのお願いとは、指揮者の勉強をもっとやりたいからこの曲の指揮教えてというものだ。

 

 その曲とは、夏実ちゃんのクラスの曲だ。

 

 むふふん!オレは賢いなぁ。

 

 でも、部活もあるから休み時間とかちょっとした時間があるときに、春野さんから学ばせていただいた。

 

 

 わぁ、オレってすごーい‼︎と自画自賛。

 

 ポジティブにいかないとやってられないっすよね〜と、独り言を言いつつ指揮の練習を励んだ。

 

 続く。

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