元気ない?
ハグのおかげか、とっても勉強がはかどった。
そして毎週一緒に勉強することになった。
それはそれはなんて素晴らしいのでしょう。
毎週好きな幼馴染がオレの部屋に来るんだよ?
もう、最高じゃねっ⁉︎
そして、そんな毎週のビックイベントがあるのだから、部屋もキレイに維持できる。
ありがとう!夏実ちゃん‼︎
あなたのおかげで勉強がはかどり、部屋もキレイです。
てなわけで、夏実ちゃんも神だ。
‼︎
神さまに足を向けて寝るわけには、いきません。
というわけで、夏実ちゃん宅じゃない方に足を向けて寝ましょうねってわけで、ベッドの向きを変えた。
模様替えもあっという間〜。
てかさー、毎週楽しいイベントがあるから毎日ウキウキだよ〜。
そんなウキウキなオレをみたクラスの春野さんは、オレに合唱コンクールのとき指揮者やってみない?とスカウトしてくださった。
あー、まぁいい機会だしやってみようかなと引き受けた。
情報の早いキャプテンみさきちゃん。
早速部活で、指揮おめでとう!とオレをたたえてくださった。
最近、色々と順調だ。
夏実ちゃんとも、次の週も約束してるし〜。
あー、楽しみだなぁ。
そしてあの突然のハグ…。
また、したいなぁ。
って、そんなの無理に決まってるけどさぁー。
そして、指揮の練習もしつつ勉強もして微妙に部屋も散らかして、夏実ちゃんとのお勉強会がまた開催されるのでありました!
あー、夏実ちゃんが来る〜。
るんるん〜。
るんるんのまま、夏実ちゃんをお出迎え〜
そして、またオレの部屋で夏実ちゃんがお勉強をしている〜。
夏実ちゃん・夏実ちゃん・夏実ちゃ〜ん♡
と夏実ちゃんを連呼して勉強そっちのけで夏実ちゃんに思わず集中してしまった。
もう夏実ちゃんをガン見ですよ♡
すると夏実ちゃんが顔をパッと上げて
「ん?どうしたの?」
とオレをじっとみた。
「あー、ごめん。集中しなきゃだね…」
「少し休もっか?」
ホッ、怒られなかった。
「あぁ、そうしよっか。」
始まって少ししてもう休憩ー。
麦茶をごくごく飲み、おやつ休憩。
てかさ…夏実ちゃんは、なんだか元気がない?ような気がする。
「夏実ちゃん、このお菓子美味しいよ」
お菓子を差し出すと、お菓子を受け取りながら夏実ちゃんは、少しかなしい顔で
「うん、ありがとう。」
とお菓子を少しづつ食べ出した。
「あっ、このお菓子…昔一緒によく食べたやつだよね?」
と、少し元気を取り戻してくれた。
「そう、懐かしいなと思って買ってみた」
「そっかぁ。美味しい」
夏実ちゃんが少し元気になってよかった。
ホッとしていたら夏実ちゃんは、お菓子を置いてじっとオレを見ながら、
「指揮者…やるんだよね?」
と真剣な眼差しでオレに聞いてきた。
「あー、うん。どうして?」
「やっぱりそれは…あの…ううん。やっぱりなんでもない」
とまたお菓子を食べ出した。
…夏実ちゃんどうしたんだろう?
部屋模様替えしたから落ち着かないのかな…?
「大丈夫?」
「え、うん…。」
大丈夫っぽくないけどな。
…
「ほんと、どうした?なんでも話してくれていいよ?」
と顔を覗き込むと、
「あのっ、指揮者わたしのクラスまだ決まっていないの。」
と教えてくれた。
「あー、そうなんだ。なら、夏実ちゃんやったらいいのに。オレ教えるよ?なんなら、オレの指揮者推薦してくれた春野さんならもっと丁寧に教えてくれるかも」
というと夏実ちゃんは、
「春野さん…が推薦したんだ。やっぱり…」
とまたかなしそうな表情をする夏実ちゃん。
春野さんと仲よくないのかな?
やっぱりってなんだろ?
「もしかして、夏実ちゃんも春野さんに指揮者やらないって勧められた?」
「あー、ううん。そうじゃないんだけどね。そっか。春野さんがね…。」
やたらと春野さんにこだわっている夏実ちゃん。
「もしかして、春野さんとなんかある感じかな?」
とオレが聞くと夏実ちゃんは、
「ううん。春野さんは、すごく歌上手くて憧れちゃうよね。」
とニッコリとした。
あぁ、憧れか。
てっきり、運動部と文化部で仲間割れ⁉︎とか思っちゃったじゃーん。
もう、びっくりしたー。
で、元気ないのは…なぜ⁇
…
「さ、休憩おしまい!勉強はじめよ?」
と、夏実ちゃんは勉強をはじめた。
?
元気取り戻し…たのかな?
それならよかったけどね。
夏実ちゃん、無理してないよね?
「ねぇ、夏実ちゃん…?」
「うん?」
「部屋模様替えしたんだけど…どう?」
「あっ、ほ、ほんとだ‼︎今気づいたよ〜」
と夏実ちゃんは、笑った。
あ、模様替えが嫌だったわけじゃなさそうだな。
続く。