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ハグ⁇

 飲み物の準備をして部屋に入ると夏実ちゃんがちょこんとオレの部屋に座っているじゃないかーー‼︎

 

 かわいい。

 

 えっ、オレの部屋にいらっしゃるってことは、オレの部屋の一部ってことなんじゃないの?

 なら、ぬいぐるみを抱くように夏実ちゃんを抱いても…。

 

 イヤイヤ、違う‼︎

 

 一部分とかじゃない!

 もう、オレったら勘違い野郎だなぁ。

 

「さ、夏実ちゃん勉強始めよっか」

「そうだね。」

 

 仲良くお勉強開始。

 

 窓から明るい日差しが差し込んで、心地よい風が部屋の空気を循環してくれている。

 

 そして、シーンとならないように勉強のじゃまにならないように、今流行りの曲を部屋に流した。オレたちを包んでいるようだった。

 

 一人で勉強すると飽きるけど、誰かと一緒なら緊張感もまた違う。

 

 

 …あー、夏実ちゃんが隣にいて勉強をしている。

 

 夏実ちゃんは、かわいいシャーペンを持っているんだなー。

 

 文字を書くたんびに先端がキラキラユラユラとしていた。

 

 それに比べてオレのは、普通。

 

 いや、普通でいいだろう。

 うん。

 

 カキカキ、消し消し。

 

 集中していたらなんか視線を感じた。

 

 パッと顔を上げると夏実ちゃんがオレをじっとみていた。

 

「えっ?」

「あっ…、なんか…ごめん」

「ううん。どうした?わからないところある?」

「あー、わからないってか…直斗くんがあんまり集中してて、その姿をわたしも集中してみちゃって…」

 えっ?

 オレに集中って…夏実ちゃ〜ん♡

 

「もしかして、夏実ちゃんオレに惚れた?なーんてね」

「えっ…、惚れたって…いうか…あのっ…」

「嘘だよー。ちょっと休憩しよっか」

「うん…」

 

 なんだろ。

 幼い頃は、夏実ちゃんからグイグイ引っ張ってってくれる感じだったけど、今は…なんか逆な気がしないでもない?

 

 ま、男だし夏実ちゃんを今度は、オレが引っ張っていけばいいんだよね⁉︎

 

 きっと。

 

 昔とか、釣り合うとかそんなことよりも楽しけりゃいいんだろう。

 

 たぶん。

 

「あー、なんか少し勉強しただけなのに疲れたー」

「ね、勉強って意外と疲れるかも」

「うん。」

「でも、なんか…前にきた時も思ったんだけど、この部屋癒されるんだよね。」

「そう?なんだろ」

「お香とか?」

「ううん。消臭剤とか香水もつけてないよ」

「なら、なんだろう…?」

「オレからかもよ?」

「えっ?あー、でも、そうなのかな…?」

「そんじゃあ、ほいっ」

 

 オレは両手を広げた。

 

 どうぞ、嗅いでみたら?的な感じで。

 ま、冗談なんだけどね。

 

 そりゃ、夏実ちゃんもくんくん嗅ぎにくるわけないし。犬じゃないんだからね…って…

 

 

 ええええええええっ⁈

 

 ど、どうしよう…。

 

 

 ええええええええええぇっ⁉︎

 

 なんですか?この展開はっ⁉︎

 

 

 …

 

 夏実ちゃん…、嗅ぎにくるどころか…オレに抱きついて来ましたね…。

 

 ヤバっ

 

 夏実ちゃんとのまさかのいきなりのハグ‼︎

 

 事件です‼︎

 これは大事件です‼︎

 

 火事なら消火するけど、心臓のバクバクはいったい…どうすれば…。

 

 てか、手…手ーー‼︎

 

 オレいつのまに夏実ちゃん包み込んでた⁇

 

 両手広げたら、夏実ちゃんが来たからつい包み込んでたーーっ‼︎

 

 条件反射?的な…

 思わず抱きしめちゃったけど…

 

 別に夏実ちゃん嫌がっていない…よね⁇

 あの…抱きしめてるけど、別に捕まえておさえ込んでるわけじゃなくて、ふわっと抱きみたいな?

 

 でさ、いつまでこの幸せな時間は続くのでしょうか⁇

 

 いいんですか?付き合っていなくてもハグってしてもいいんですか?

 

 みさきちゃん先生に電話して聞いてみたいっ‼︎

 

 しかし‼︎今電話したら…夏実ちゃんが離れちゃう。

 

 それは…ダメ‼︎絶対!

 

 てなわけで、オレの部屋でオレの好きな曲を聴きながら、好きな人を抱きしめた。

 

 夏実ちゃんがオレから離れるまでずっと。

 

 ヤバいなー。

 幸せな時間すぎるだろー。

 

 掃除したから、これは神さまからのご褒美⁇

 

 それとも掃除機さんからのご褒美⁇

 

 とにかく、ありがとう‼︎

 ご褒美〜と、どこのどなたか存じ上げませんがお礼を述べ、夏実ちゃんを優しくギュ〜した。

 

 しばらくすると夏実ちゃんが優しくオレから離れた。

 

 結構長いことくっついてたけど、もしかして…オレが臭すぎて気絶してた⁉︎

 

「な、夏実ちゃん…。オレ、どうだった?」

 思わずにおい確認。

 

 すると夏実ちゃんは、

「あ、すごく心地よくて…その…よかった」

 と、まさかのにおい確認じゃなくてハグの感想をくださった。

 

 

 それから二人してなんか照れちゃって、とにかく黙々と勉強に集中したのでありました。

 

 続く。

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