何色?
えと…お二人は、何をおっしゃっていられるのでしょうか⁇
…
夏実ちゃんは、オレの顔を見るなり
「入ってもいい…かな?」
と申し訳なさそうに言ってきた。
「そんな、いいに決まってるじゃん!どうぞ!」
とオレが手招きすると夏実ちゃんは、一目散に猫たちの元へ向かった。
そして、
「はなちゃ〜ん、みみちゃ〜ん、久しぶり〜。元気してた?」
と二匹をナデナデしていた。
あー、夏実ちゃん…前にみさきんちに猫見に行ってたってみさきが言ってたけど、ほんとに猫好きみたいだなぁ。
…
猫かー。
‼︎
あ、思い出した!
昔夏実ちゃん、よく猫に囲まれて暮らしたいって言ってたっけ。
そうだよ、猫の本とか一緒にたくさん読んだっけなあ。
⁉︎
そういえば…
オレよく猫顔って言われるけど、猫好きなのに、夏実ちゃん…猫顔のオレは好きじゃないんだな…。
はは…。ははは…。
そんな壊れた脳内のオレは放置され…夏実ちゃんとみさきワールドは、どんどん加速していった。
「もうすぐママになれるかなー?」
なんて夏実ちゃんは、猫に向かって話しかけていた。
みさきも
「ママかー。そしたらなんかすげ〜よなー」
と返していた。
…あなた方は、人の部屋で何を語り合っていらっしゃるの⁉︎
やめてーーー‼︎
オレの部屋でイチャイチャしだすのやめてーーーっ‼︎
猫見ながら、自分たちの子どもを想像していらっしゃるの⁉︎
やめてーー‼︎
だれか…二人をとめて‼︎
妄想から出してやって‼︎
…
と、オレはまたもやプチパニック状態…。
そんなオレにみさきは、
「どんな子がうまれると思う?」
なんて質問してきた。
…え?
それをオレに聞いちゃう?
…
しらねーよ‼︎
そんなの想像もしたくねーよ‼︎と言いたいところだったけど…だったけどさ。
夏実ちゃんは…ずっとみさきを好きだったわけだから…ね…。
せめて好きな人の子どもだけでもってことなんだろうからね…。
そこは…しらねーよとは…言えないわけで…
…
「…たぶんかわいいんじゃない?」
と当たり障りなく答えた。
「そりゃかわいいよ。そうじゃなくて色」
とみさきは、言ってきた。
…
?
え?
ピンクの赤ちゃんとか水色バージョンの赤ちゃんとか…聞いたことなくない⁇
色白とか?のはなし?
え?
肌?それとも髪色?
…?
「フツーに二人に似るんじゃない?」
「あー、それぞれの要素が組み込まれて、みたいなね!白が多いかなぁ?黒かなぁ」
と答える夏実ちゃん…
それぞれの要素…ってか…白とか黒って…
オセロやってるんじゃないからねー‼︎
夏実ちゃん⁉︎
オセロの話じゃないよねっ⁉︎
…
「あー、早く赤ちゃん見たくなってきたぁ。まだみごもってないけど」
「あはは、たしかに」
と、二人は会話していた…
そしてみさきが夏実ちゃんに、
「まぁ、はじめが肝心だからちょっとずつ慣らしていこうね」
といい、夏実ちゃんも
「うん!そうだね!」
と、どんどん話は進む。
…ねぇ、オレの部屋でそういう話…ご遠慮くださいよ。
オレはもう頭がおかしくなりそうですっ‼︎
もう‼︎
どうなってるんですかっ…。
お二人さんよ…。
と見ていたら夏実ちゃんが猫たちを撫でながら、
「それじゃあね!未来のママちゃんたち」
と二匹をナデナデしました。
え?
えっ⁉︎
続く。