夏実ちゃんついに訪問
ドン引きをされてしまったオレ…。
「男がキャラクター好き好き言ってたらキモいよね…。」
ほんとは、夏実ちゃんが好きって言いたいけど…
言えないからキャラクター好き好き騒いでいたんです…なんてもっと言えないし…。
…
そっと手を出して夏実ちゃんから絵本を受け取った。
すると…夏実ちゃんは、オレに本を渡しながら、
「そんなことないんじゃない?それに、直斗くん昔からものとか大切にするし、そういうところわたしは、好きだけどな!」
と笑った。
…えっ?
す、好きって…
好きって言った…よ?
好きなの?
オレが?
とびっくりして固まった。
すると夏実ちゃんは、
「あっ、あの…人として好きっていうか、そ…そのなんていうか…ねっ」
と、とりあえず無理矢理の笑いをオレに向けた。
あー。
でもまぁ…好きってそういう意味ね。
うん。
そりゃわかっていたさ。
うんうん。
だけど、夏実ちゃんに褒められて嬉しかった。
「ありがとう、夏実ちゃん。オレもそんな優しい夏実ちゃんが好き。」
…
「あー、人としてねっ…」
「あー…、うん。そ、そうだよね。人としてね。」
…軽い告白みたいになって終始焦ったぜ。
それからオレたちは、昔に戻ったかのように部屋で仲良くおしゃべりしたりして過ごした。
なんだか不思議なくらい落ち着くな。
昔と全然変わんないや。
「夏実ちゃんは、勉強順調?」
「あー、ぼちぼちかなぁ。直斗くんは?」
「オレもぼちぼちかなー。あ、でもいい参考書友達から教えてもらってさ」
「へー、どれー」
「これだよ」
「あー、わたしのと少し違うんだー」
「夏実ちゃんのは、どんなの?」
「わたしのは…あ、今度持ってくるね」
「ならさ、今度一緒に勉強しない?」
「うんっ!」
おぉっ、普通に誘えたわー。
ホッ。
なんか話の流れでスムーズに誘えたぁ‼︎
もうクラッカーをパンってならしたいくらいだわー。
あー、あんなに悩んでたけど意外とあっさり誘えるもんなんだな。
このまま普通に、勉強する?うん。みたいなノリで、付き合う?うん。みたいになったりしないかな。
ご飯食べる。うん。的な…。
…違うな。
意味が違うわ。
全然…。
…
ま、これで一緒に勉強できるしステップアップしました!
これは美崎先生にご連絡をせねば‼︎
久しぶりの夏実ちゃんとのお部屋で過ごす時間は、タイムスリップしたかのように心地よくあっという間だった。
「それじゃあ、来週ね。」
「うん、来週待ってるわ。」
と来週の約束をして玄関までお見送りした。
隣だし大丈夫だよって言われたけど、やっぱりきちんと家に入るまでは、油断禁物だもんね。
昔も、よく玄関まで送って行ってたなぁ。
…自分の部屋に戻ると少し寂しくなった。
もう夏実ちゃん帰っちゃったんだなって。
ハハッ…オレは、昔と全く一緒だなー。
あーあ。
って、寂しがっている場合じゃない!
美崎先生に連絡しなきゃ‼︎
「拝啓、美崎先生。ここは、どこですか?」
と送信した。
すると既読の早い先生は、
「しらん」
と送ってきたじゃないか。
…あ、写真添付してないからこんな返信がきたのか。
改めて写真送信っと。
すると先生は、
「オレが送った写真に落書きしてスクショして送り返すなよー」
とお叱りを受けた。
あんな彼女とのツーショット自慢するからオレに落書きされるのだ。
ワハハハ!
美崎先生は、怒りつつもツーショットを撮った場所は、オレの部屋だよと教えてくれた。
⁉︎
部屋に彼女を連れ込むなんて…なんてことを…と送信したら、自分も今日好きな幼馴染と部屋でイチャイチャしたんだろ?
と即返信。
⁉︎
な、なぜ先生…そんなことを…?と疑問に思っていたら、どうやらオレが何度も先生に自慢と相談のハーフをしていたからだった。
とりあえずよかったね。と先生は、言ってくださった。
そうだよねー…。
まだ付き合ったわけじゃないんだ。
とりあえずなんだよねー…
先は長いっス‼︎
頑張ろう…。
そして美崎先生みたいにツーショット写真の自慢するんだ〜。
で、待ち受けにするんだから!
さ、明日に向けて寝よっと‼︎
明日は、何もないけどね…。
続く。