おとなの珍珍清姫編・二人のアルトと二人のおばちゃん・3
そんな訳で早苗と二人にされたうちですが、とりあえずこの「えげつない物が色々と置かれた」拷問室もとい特別訓練室はあまりに雰囲気がよろしくないので、うちの部屋に河岸を移しとります。
「結構いい感じですよねぇ、天王寺のお部屋もそうでしたけど」ソファの感触を確かめたり生地をさわさわしとる早苗ですが。
あ、早苗は天王寺の英国領事館があった際のうちらの部屋を知っていますよ。
「どかっと広いさかいに、あれこれ置く配置に悩んだけどな。で、明日から2日間、ちょっと同行して欲しい場所があるんや」と、机の上の茶筒デスクトップから出てきたToDoリスト画面を見ながら話をば。
「え…どこですのん」
「日本の青森から道南。聖院学院寮の新入児童の春休みキャンプらしい。えーと…たのちゃーん、校外学習輸送要請回してくれてるよな?」と、聖環を使って公文書未決書類リストを漁りながら文教局長に聞いてみましょう。
(回してますよー。ジーナさん承認出してこっちに返って来てますー。控えありませんかー)
「どっか行ったー…って聖環の画面やと探しにくいんやぁあああああ」
(未決を溜めると雅美さんに怒られますよ…それより、明日の乗機人数でしょ? エマちゃんにはりええ経由で必要座席数と機内食数を届け出てます。さっきスケアクロウに座席パレット組み付けといたって連絡来てましたし…ああ、飯島さんにも同行頂くんですね。なら随行員席が空いてるのでは?)
「行きはええねんけど、弘前と松前の間はマリ公と慶次郎さんらを乗せるからな。えーと、慶次郎さんに伽子さんに捨丸さん悟洞さん骨さんバードさんと伊藤鶴吉さん、それからおまつさんと加奈さんか。あと1席空いてるな…」
(今回は乗員の方は誰が行くんですか? 今、欧州に結構出てるでしょ…)
「うちとベラ子で前席埋める。んで、弘前に着くまではFEと航法士席はエマ助が分体を出してカバーしてくれるな」
(だったら左右どっちかの偵察員席に座ってもらったらいいんじゃないですか?)
「それもありかも分からんな。マリ公が弘前で乗って来た時点でナビ席開けるし」
「えーと、何の話なんでしょうか…」
「ああ、早苗の聖環には…担当やなかったから告知流れてへんねんな。で、痴女宮に併設してる聖院学院言うのあるやろ、あそこの児童は何班かに分けて春の校外学習すんねんけど、年長者の修学旅行めいた内容っちゅう事で北海道の南側で1泊2日のキャンプと野外活動実習をするそうなんやわ」
「はぁ。…ってこちらでは中世ですよね…そんなに進んだ教育していいんですか」
「それ…たのちゃんに言うて。聖院学院のカリキュラムは文教局で決めてるから…で、参加する子供と福祉部の保母さん女官を輸送機で連れて行くねん。それと弘前から函館…この時代は箱館やったっけかな。船を出す代わりに輸送機に乗して津軽海峡を越えさせたい人らがおるんよ」
「ふむふむ。で、ジーナさんがその輸送機を運転していくと」
「運転って…まぁええわ。で、三河監獄国に寄ってたはら工場で積んで行くもんがあるねん。積み込み自体はたはらの人らがやってくれるけどな」
「色々仕事があるんですねぇ」
「ほんまはもう1機、レンタル扱いでフランスから来てる輸送機もあるんやけどな…あれは今、ジョスリン がヨーロッパに持って行ってるからなぁ」
ええ、例の熱核融合ターボプロップエンジン4発機という狂った発動機構成のアトランティックIIという輸送機です。
普通にジェットにしたらええやんと思うんですが、低速での静音飛行など、特殊部隊向け要素をもりもり盛り込んだのと、フランスの海外領土で本国から一番遠いのがタヒチ辺りでしたかね、太平洋に所在する場所を除けばそんなに移動する距離が長い任務はないという事で、このご時世に敢えてプロペラ機として設計したそうです。
もっともこのアトランティックII、スケアクロウほどではありませんが…結構、変態的な構造になってるんですよ…。
まず胴体部は「最低これだけでも荷室容積が欲しい」という事で原型となったエアバスA-400Mを概ね踏襲しています。
ですが、アスペクト比はともかく…高速性も求めたせいでジェット輸送機ほどではないにしても、後退角がついてるんですよ、主翼…。
そしてプロペラは変な形の超音速プロペラを採用しています。
更にエンジンナセル自体が離着陸時や低速飛行時に若干上反りになる角度可変式だと…STOL性能を狙うなら境界層流方式にした方がいい気もしますが、どうもライセンスの関係で特許使用料をケチったがためにこうしたそうです。
まぁ、このアトランティックIIをうちが飛ばすとなると、またぞろ嘉手納に行って宙兵隊極東輸送軍団所属機に乗るか、はたまたダッソー本社かパリ近郊のヴィラクブレー空軍基地に出向いて実機慣熟飛行の後で試験に臨み、ライセンスに乗務対象機種を加えてもらう面倒な作業が発生するのですが。
(ジーナ閣下。現状で小官しか痴女皇国に属する操縦要員が存在しない件を何とかして頂きたいのですが。この状態を不安に思われる事はありませんか)と、助平フランス人がいかっています。口調は丁寧ですが、怒っているのは明白ですよ。
(連邦世界に戻らんかったらええんや!別に無免許でもええやないかっ)と、ジョスリンの嘆きは黙殺しておきます。あまりに困った場合はジョスリンなら本国に泣きつくでしょう。
…もっとも、泣きついた際には大統領閣下の御令嬢…娘さんの誰かが来そうですが。
さて、早苗です。おりしも時刻は昼過ぎ。
離宮1階の秘書課に出前して貰ったお弁当なんぞを早苗に振る舞っております。
実はこのお弁当…後宮食堂の調製品なんですよ…。
そう、もうお分かりでしょう。
あそこのお弁当ときたひにはアレです、アレ。
インポタケ成分が入りに入っているあれ。
おいしいおいしいとパクパク食べている早苗を見て、うちの良心がいささかでも、うずかなくもありません。
なぜならば、体験のために…うちも身体機能をONにしてこれを食べた事がありましてね…。
ええ。そりゃあもう。
(あたしを肉便器に使いたいから貸してくれって、ダリアに頼みますか普通…)
はい、実験中にしんどくなったので理恵ちゃんに助けを求めたんですよ…。
(あの時はしゃあないやないか!それに理恵ちゃんかて、待ってましたとばかりにうちのぴーたーのーすを貪ってたやないか!)
(それとこれとは別ですよっ。それより早苗さんです。早かったら完食後10分くらいで効き目、出て来ますっよ…ジーナさんで対応できるんですか?)
(うーん、心を鬼にすれば行けなくもなさそうやねんけどな…)
(じゃあ、ちょっと方法を考えてみましょう。とは言え、あたしがさっき責めただけに、再度の直接関与って、早苗さんにはきついものがあると思うんですよね…待った。ジーナさん、今日の部屋付き女官って誰ですか?)
(主担当が紫薔薇NB組のエレンちゃん。で、副担当がファロンマルシーネ。フランス共和国からの預かりの子やな。返さんでええ部類や)
(そ・れ・だ!)
(なんぞ名案でも思いついたんかいな…)
でまぁ、理恵ちゃんにゴニョゴニョと入れ知恵されます。
実はうちの部屋付き、なるべく1人はNB関係者で1人は痴女皇国世界組となるようにシフトが組まれているそうなんですが、最近の頻繁な人事改変のさなかにあってはそうも言っておれません。
機密漏洩に支障がない範囲で、どちらかの担当が原則を外れる事があります。
ただ…最低でも正規担当は万卒超えのベテランにする。これは離宮の部屋付女官シフトの鉄則のようです。
で。
理恵ちゃんの考えた作戦内容、部屋付きの2人に伝えます。
(ふむふむ。では閣下がお留守の間は私は秘書課で遊んで…いやもといお手伝いをしておれば良いと)
(そして私はジーナ閣下に同行ですか。了解しました)
で、早苗に臨時の要請が入った事を告げます。
「でまぁ、うちも今、騎士団長のダリアや将軍兼刑務局長のアルトくんの代わりとかで色々あってな、精気授受のお仕事もせなあかん立場なんよ。ついでやし、早苗にはあまり縁がないとは思うけど、女官寮の中も見とくか」
「はぁ」
とまぁ、あまり興味のなさげな早苗を引っ張って、離宮のエントランスに向かいます。
そして駐車していた…おい誰や!こんな車持ち込んだん!
「フィアット・ムルティプラですね…」
「何ですかこの変態的な形はっ」
「ウーパールーパーみたいな形ですね…正直きしょいです」
えっと、目の前の幅だけは異様に広いミニバンですが、6人乗りです。
そして着席可能な椅子が前に3つ、後ろに3つ。
イタリア仕様らしくハンドルは左側…前の一番左の席に座る人が運転します。
(あーそれ、ラウラさんの私物だった車。子供も大きくなったからどうしようって話になって、ベラ子が譲渡を受けた形にしてナポリでアークロイヤルに積み込んでこっちに持って来たのよ。変態的な座席配置は我慢して使ってくれ)
はい、マリ公が出どころを教えてくれました。
ならしゃーないか…変な姿ですが、確かこの車は座席が畳めたり取り外せるとかで、やたら広い幅さえ克服すれば使い勝手は悪くないはず…。
(しかもケチくさいおばはんが大好きなディーゼルとマイルドハイブリッドモデルだ。あまりに変態的な姿なので廃盤になったが近年再販されたみたいでね。智秋記念牧場との運搬にも使えるだろ?)
じゃかましいっ。
まぁ、山道の多い痴女島だと、トルクのあるディーゼルの方がよいでしょう。
しかし着席をどうするか。
「あ、私が厚労局前まで運転します。閣下とミス飯島とファロンをお連れした後は離宮に戻しておきますよ」
でまぁ、何で本宮他と離宮との間を結ぶアシがこれしかないかというに、離宮の皇族は目下あらかた出張しているか、さもなくば痴女宮本宮各棟で執務中です。
残っているのは一時期のマリ公のように一種の仮死状態になっているダリアくらいですね。
ですから、2台のフランス製のVIP用ミニバンのグランエスパスは軒並み、橋の向こうの本宮側の駐車スペースに行っておる模様。
そして夕方の皇族退勤に合わせて離宮に向かうのです。うちはベラ子のベスパで送ってもろたからな…。
(あたしは明日の飛行に備えてスケアクロウの点検ですからね…歩いて橋を渡っても5分くらいじゃないですか…)と、ベスパで酷道2号線を降りて行ったか、聖院空港とは名ばかりの野戦飛行場めいた場所にいるらしきベラ子が嫌がらせをします。
(かー様…痴女種同等の人工身体でなければトロル化していますよ…自己鍛錬のためにも歩きましょうよ…)
(やかましい!3人やなかったらあんたの火事場を借りるつもりやったんやぞ!)
(あたしのオフロードバイク、勝手に乗り回さないでくださいよ!母様も電動スクーターか何かを買えばよいではないですか!)
(ベラ子。電動キックボードやスクーターは事故が頻発して規制が入ったやろ…更にNBに知れてみぃ…変なバイクを押しつけて来る未来しかあらへんやないか…)
(まぁともかくパイセンから話は聞いてますし、オリューレさんにはあたしからもお願いしてますから、はよ行って来てくださいよっ)
そんな訳で…うちは後ろに回りました。
それも助手席側。
左横に早苗を積むためです。
で、早苗を含めた我々がどんな状態か。
https://twitter.com/725578cc/status/1518504960522022912?s=20&t=VbvKTrIEeDU0TesH3jXV1A
ええ、色々と言いたい事があると思うんです、皆さん。
しかし、今さらラウラさんを責めても仕方ありません。
これが必要であるからとご自身が決めて買われた物ですし、何よりイタリア人がイタリア製品を購入する事、それ自体を否定はできません。
仮にも軍艦の、それも空母の艦長を任されたような人の決断を簡単にあかんと言っては、同じ軍人としていささか稚拙に過ぎるというものです。ですが、運転するエレンちゃんもですね。
「前に3人乗せたらかなり大変ですね。今は中間席のバックレストを畳んでいますから普通にあれこれ操作できますけど…」と、インパネからキノコのように生えたシフトレバーに違和感を感じているようです。
(マリ公…これやっぱり使い勝手、微妙にアレや思わんか…早く何か別の車に入れ替えた方が…)
(まだ2万キロも走ってねぇじゃんか…監獄社の車より耐久性が低いとしてもよ、せめて5万キロは乗ってくれよ…)
(いっそ天王寺に置いとくかと思たけど、今、マリアンヌとスザンヌの送迎って阿波内侍さんがやってくれてんのよな…)
とまぁ、ぶつくさ言いつつも女官寮前に。
で、女官寮ですが、痴女宮本宮同様、堤防に繋がっているのは22階です。そして22階にはかつての本宮貴賓室階と似たレイアウトで厚労局のえらいさんたちの居室が存在します。
これ…実は不評ではあるのですが、これまた皇族が本宮に居住していた際に「皇族階のベランダで何かやってるのが見えると色々とね」という話があったがために、わざと本宮より低い階に幹部居住階を作ったそうです。
ま、服などの衣料品については洗濯も今やマリアンローズ・ウェアの自動管理プラントで被服管理体制が組まれているので、ベランダに干すとかいう事はありません。
そんな訳で罪人寮・女官寮・聖院学院寮のどれもが堤防側の車寄せに繋がっているのが幹部居住階という体裁となっています。
どの建物に何があるかの最新版は、闇堕ちマリアのこの回に書いているそうですよ。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/80/
でまぁ、ファロンマルシーネちゃん…略してファロンちゃんとうちと早苗を女官寮側の車寄せで降ろしたエレンちゃん、そのままムルティプラを運転して離宮に帰ってしまいます。
そして「オリューレさんに呼ばれてんねんけど、連絡来てるかな?」とドア番の騎士に聞きますと。
「あ、ジーナ様とお二人ですね。厚労局事務室で局長、お待ちです」とあっさり通してもらえます。
更にはメル子ちゃんが迎えに来てくれたり。
「そーいえばジーナ様って、今の作りになってからは女官寮の下の方にはあまりいらっしゃった事、ありませんよねぇ」
「まぁ…うちの場合、精気授受の代行をする時もたいてい21階で済むからなぁ。ところでメル子ちゃん、1階やなしにこっち来ててええんかいな」
「アフロディーネさんが女官管理研修中ですので、私が抜けて来れたんですよ。スコール前から雨上がりの辺りからは多忙になりますけど、それまでならあまり忙しくはありませんし」とまぁ、初めて知り合ってから早や10年近い付き合いになりますけど、流石に最近はダメル子と言われることも…。
(たまにありますっ)さよか…。
そしてエレベーターもありますが、階段を経由して21階南側の厚労局の事務室に顔を出しますと。
「じ、ジーナ様…おねがいしますぅ…」
死にそうなオリューレさんに、いきなり、その、下半身に食らいつかれました。
そのとんでもない光景に絶句するファロンちゃんと…早苗。
いや待てあんたら。
オリューレさんの飢えっぷりは異常としても精気授受、それ自体は日常や言うたやないか…。
でまぁ、とりあえずはオリューレさんに精気充填と回収。
この辺の詳細な話は闇堕ちマリアで書かれるかも知れませんが、とりあえずうちの胸周りにキスマークべたべた残すの、正直を言えばやめて欲しい気もします。
しかし、ラスプーチンちん使用認可も出ているベテランのオリューレさんです。うちとの付き合いも長く、普段は気さくに会話する仲でもある訳です。
うちと精気授受を行なった後でメル子ちゃんを暴行凌辱…いえ、うちから受け取った精気を女官管理室に持って行くための充填作業を嬉々として行なっているのはちょっとアレですけど、この二人の「過激に性的などつき漫才」を知っている立場の厚労局の幹部は何を今更と粛々と仕事をしております。
が、厚労局の青いとね服のスカートの前…みんな一様にテントを張っています。
あんたら基本は女やろがいっ。
まぁ何ですね。仕方ありませんので部屋にいてる女官に片端から精気授受。
これは、オリューレさんに渡した分を温存させるためでもあります。
ですので必要な行為ではあるのですよ。
ただ…18歳未満の方には大っぴらに行為の詳細をお教えできないのが辛いところですけど。
そしてファロンちゃんはまだしも、早苗は完全にドン引きしています。
ま、それは仕方ありません。
うちの前に跪いた女官が、うちの股間に何をしているかを見たひには、痴女宮慣れしていない人には唖然とされても仕方ない行為…汁音響く2分間の行為が繰り広げられてますから。
そこへ、メル子ちゃんと一緒に例のトイレを使って身体を洗って来たオリューレさんが戻って来ます。
「飯島早苗さん。確かに貴女のような連邦社会から来て間のない方にはとんでもない光景でしょう。ですがこれが私ども女官の日常であり、痴女皇国の女官全ての活動を支える必須行為なのです…。ええ、マリアヴェッラ陛下も騎士時代から基本、これをなさっておいでですよ」