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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど
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おとなの珍珍清姫編・二人のアルトと二人のおばちゃん・1

「なぁ、痴女宮うち。天の声をしばき回すべきや思うんやけどな。今、そっちの空港にドゥブルヴェ来てるんやろ。あれにC弾頭でええから実弾のテリブル(HHMM-06)積んでくれへんか」


「協力してやりたいが今、うちに通常炸薬弾頭のテリブルの在庫はない。全部、生物化学兵器散布用で長射程仕様のLchタイプや」


「むぅ。ほなババヤガーARを貸してくれ。あれなら確かフレッシュ(HHMM-04)やったやろ、搭載ミサイル」


「残念ながら欧州作戦のために、痴女皇国で管理している連邦規格の戦闘機は3機全て駄洒落菌散布仕様のテリブルを積んどるんや…」


「一体全体お前らヨーロッパで何やっとんねや…うちとこ(聖院)、そこまでせんでええ状態やぞ…」


「しゃあないやないかぁっ。人口増加のための一連の作戦考えたマリ公に言うてくれや…」


で、うちの前でぐちぐち言うとるのは聖院世界のジーナ・高木…つまりはうちです。


とは言え、全く同じ人間が二人、痴女宮をうろつくのもアレなので、うちの方が髪型をロングにすることで識別してもらおうと思います。


上級痴女種女官であればあたしと聖院うちを識別するのは簡単らしいのですが、十人卒未満の女官や罪人や門前町の一般市民には見分けがつかないという事で、聖院のうちが来ている間はうちの方が姿を変えることで対応しようとなりまして。


「聖院のかーさまの場合は痴女種身体ですから、捨てる前の熱が身体の周りに微妙に漂ってるんですよね。で、かーさまはマテリアルボディですから、そもそも発熱を体内で処理しちゃうので、赤外視覚で見たら全然別に見えるんですよ」とかベラ子が言いよりますが、あのな、暗視装置を内蔵したような肉眼持ち、痴女種以外にそうそうおらんからな。


でまぁ、そんなアホな話をしております理由ですが、理由はこれです。

https://ncode.syosetu.com/n6615gx/93/


早い話がその昔のクリスの一時的な学友だった飯島早苗(いいじまさなえ)ちゃん。この子を何としても痴女皇国の生物科学研究所か罪人工場のケミカル生産部門に取り込むべしとの話が出まして…昔からこの子を知っているうちが籠絡役に指定されたんです。


でまぁ、なんでアルトだけでなく聖院のうちが来たか。


現在、うちは内務局で皇帝室長兼秘書課長の役職についています。


これ、要するに痴女宮の離宮に居住する旧金衣またはその血縁もしくは縁者、すなわち皇族を監督するのが仕事なんですよ。


で、一番多い業務なのが決済書類や稟議書の管理。


ぶっちゃけ皇帝(べらこ)上皇(まりあ)に向けて回された書類をちゃんと見て承認や決済をしているかを監視するのが秘書課の主な作業です。


なにせ、月々の業務報奨金(おこづかい)だけで、痴女皇国全体を見渡せば今や3桁億円相当の金額が動いています。


そして数億円単位での支出も決して珍しくない各地の開発事業や、それに伴う連邦世界またはNBとの輸出入。


さすがに財務局だけの決済で通せる訳もなく、皇帝たるベラ子に加えて上皇の立場のマリ公の2名の決済承認印を必要とする書類、それなりの量で回って来ます。


加えて人事決済と承認。


これも、迅速に内容を精査して決済しないと厚生労働局長のオリューレさんに泣きつかれます。


なにせ、キレたオリューレさんが地下24階で黒グッズを借りてきて、書類が滞ってた原因をしばこうとする事件すら起きております。


そんな光景が日常の痴女宮に、早苗の面倒を見る話が来た。


これは流石にうちも困りました。


本当ならこういう場合、うちが多忙な際の代行は初代様の役目だったのです。


しかし、初代様の復帰は未だ許されていません。


それどころか、ですねぇ…ベラ子が初代様との相乗りをいつまで続けさせられるのかと泣き始めた結果、取り憑く相手、うちになったんですよ…。


(精気授受の回数はマリアヴェッラの方が遥かに多いのですが、聖母様も捨てがたいですわねぇ)


などと呑気に言わないで下さいよ。本当なら初代様が内務局長ポジションでしょうが…。


(いやね、あたしの中に入ってもらう方がいいんだけどね)と、初代様が身体を返却して墓所送り状態に逆戻りした原因の雅美さんが申します。


で、実は雅美さん、次期内務局長として既に活動中です。


公式任命は4月1日からですが、局長代理として既に決裁権を持たされてお仕事中。


「内務の仕事だけでもぱっつんぱっつんなのに、この上皇帝室の仕事まで来たらあたし泣く。真剣に泣く」


で、どこで泣いてるかと言うに、今我々がおる痴女宮本宮22階、旧秘書課オフィスです。


ここは現在、内務局のオフィスとなりまして…かつてうちが使っていた机がそのまま雅美さんの机になっています。


でまぁ、泣いてばかりでも困るので引き継ぎかたがた、聖院のうちにも仕事を教えていたり。


「雅美さんの仕事の担当、聖院(うち)やったら今、マリアとサリーとでやってるな。政策決定自体は聖院幹部会議の席上で行うから雅美さんほどには業務量が多くないんや」


「こっちは内政と外政政策決定とか、それ用の予算策定だの財務局向けの提出資料とかあるからねぇ…日本の官僚機構の経験者が欲しくなるわよ…」


でまぁ、秘書課長としてピンチヒッターに入った聖院のうちですが、実はうち同志で思考共有をかけている事もあり、うちらの間ではそんなに時間はかからなかったりするんですね。


ただ、臨時で聖院のうちが来てるよ、という配慮を求める必要があるので…聖院のうちは向こうの制服を着ています。


つまり、白の聖院幹部用新型女官服…ベラ・ハディッドとアレサンドラ・アンブロジオのカンヌ映画祭での衣装の合いの子のようなオーガンジーかつ大胆なカッティングのドレスなんですよ…。


「誰やねん、それ考えたん…いや、うちの方のマリ公が噛んでるのは想像に難くないねんけど…」


「うちも嫌やねんぞ…しかもこれ、制御部の都合で下に着るモンもセットになっとんねんからな…」


そうです。白のヘアパンがセットになってます。しかもヘアパンの三角形部分はメッシュという狂った仕様です。


そしてバスト部も気が狂っています。


オープンカップブラでさりげなく支えが入ってるのはいいとして、ほぼ透明素材なので遠目には付けていないも同じ。


無論、乳首なぞドレスの透明度が上がったら明瞭に確認できてしまえる代物です…そう、いつぞやの米沢行きの際にダリアやベラ子他が着せられていた可変透明素材なんですよ、このドレスも。


そしてデフォルトで自動的にゆっくりとした間隔で透明度が変わるのはもちろん、例のパンツ穴開け機能と連動して透けてしまうとか。


「あんたとこの()()服も最初は大概や(おも)たけどな、今となってはそっちにして欲しい気分に満ち溢れてるんや…」


そしてまぁ、聖院のうちに仕事を代わってもらった理由。


(ひぎぃいいいいい!痛いっ!痛いからやめてお願いっ!)


(まだ挿入してないのに何でそんなに痛がってるんですか…洗濯ばさみで両方の乳首と敏感なところを一箇所挟んだだけじゃないですか…)


えーと、ちょっと注釈が必要ですね。


まず、後宮地下の例の拷問部屋。あそこでいたぶられているのは早苗です。


で、ライトな黒グッズをという事で、黒洗濯ばさみを早苗に使っています。


そしてぇ…誰が早苗を責め立てているのか。


(ジーナさん…打ち合わせの通りにお願いしますよ…)


ええ、誰あろう…理恵ちゃんです。


何故に理恵ちゃんが早苗を痛めつけているのか。


新任女官長のアフロディーネちゃんの業務代行許可を貰っているからです。


そして、これからパワーリミッターを外しに行く予定。


そんな訳で、皇帝室の業務を聖院のうちに任せ、うちとベラ子は離宮を経由して後宮に向かいます。


で、とね服のスカートをミニスカ状態にして車輪に巻き込まれないようにしてからベラ子のベスパのケツに乗っけてもらい、橋を渡って離宮の前に。


「これ、排気が何か臭いんですよ…ねーさんがベスパって言えば2ストだろうとか言ってこの古いのにしたんですよねぇ…」


「ああ、ガソリン入れるのにいちいちオイル混ぜる奴な…」


ええ、そういう年代のベスパだと思って下さい…。


「とにかくこれ、見た目よりはるかに運転難しいですよ…オートマじゃないし…」そうです、グリップをガチャガチャしてギアを切り替えて行く型のベスパなんです…。


でまぁ、ブレーキもかなりコツがいるそうで、前のめりになるのを防ぐためにもいちいち気を使うようです。


「こればかりは日本製が欲しいです…」と、ベラ子にしては珍しく泣きを入れながら、ベスパの鍵を離宮正面に待機する女官に渡して後宮への道を進みます。


そして後宮側では黒薔薇か紫薔薇騎士が玄関の受付にいるはず…新人かな?


「ブラウセンティアーネです、よろしくお願い致します」と、紫色の紐制服を身につけた騎士が会釈してくれます。長身な上に、紫や黒にしては珍しくグラマーな感じですね。


(離宮付女官待遇者です。識別ポイントは首のネックレス。これ、隷環の同等品だそうですよ。つまり4月以降の後宮研修従事者です)


ああ、なるほど…昇格が試験制になったのを受けて配属されて来た子か…。それならば従来の黒薔薇や紫薔薇ではあり得なかった、見た目重視っぽい体型や格好なのも納得が行きます。


で、隷環代わりのネックレスを首にかけているという事は…ええ、うちらの性接待役でもあります。


(いずれは母様のお部屋付の女官勤務も有り得ますね、千人卒かつ限定万卒の昇格詮議に受かれば、ですが)


それならば…頑張りや、と軽く声をかけておきましょう。


で、本来ならば先程のブラウセンティアーネさんのような道程を経ないと、この4月からは千人卒や万卒への昇格はほぼ絶望的になって行くんですよ。


ですから早苗がこのまま黙って千人卒になると、ずっと地下に籠るならいいんですけど、他の一般採用の女官と接触すると少しまずいことになりかねません。


あんたはズルをしたのかって話になってしまいますし、同格か格上であれば早苗の記憶、読み取られてしまいますから。


ですので本来は以前の反社作戦で最終的に()()された吉村美咲さんと同様のあれダメこれダメ状態でたらい回しになる前に、痴女皇国で定めた昇格規定に則って女官経験を重ねるのが、結局は近道なんですよね。


それを咎めているどすけべホトトギスのいる地下室に、ベラ子と二人で入ります。


「え…理恵さん、何やってんですか?」


「何って…オリューレ厚労局長と田中内務局長代理からの依頼ですよこれ…飯島さんの昇格に関わる話で教程未達項目があるって言うから、後宮勤務実績を何とかして作って欲しいって頼まれたんです。ほら、依頼書」


で、自分の聖環から書類を見せて来る理恵ちゃんです。


そしてその格好たるや。


(基本デザインは日本で売られてるこの手の女王様ルックですけど、あたしの身体に合わせたリデザインは雅美さん、一部まりり担当でやってくれました)


つまり、黒薔薇仕様の女王様風ボンデージ。


それも、セパレートなのを紐で繋いでワンピースに見せるタイプです。むろんお尻は丸見えGストリングスタイルで、最近は微妙につけているというTバック水着の日焼け跡も確認出来ます。


そしてブーツはスタンダードなタイプで、4インチくらいかな、ヒールも。


ま、とりあえず女王様スタイルになっている理由を聞いてみましょう。ベラ子、頼む。


「ふむ…母様、確かにオリューレさんと雅美さんの要請で間違いありません。ダリアさんからも協力要請がディードリアーネ黒薔薇副団長、ケイシー紫薔薇副団長宛に出ています」


…あ、ディードリアーネさんはともかく、ケイシーちゃんの役職が紫薔薇…それも副団長という理由、ちょっと説明を後回しにさせて下さいね。想像つく人がいるかも知れませんが、とりあえずサリアンを欧州派遣するとか、博子さんの結婚問題解決のための対策が絡んでるとだけ、今はお知らせさせて頂きます。


そして、理恵ちゃん。


助けてくれという目をあたしらに向ける早苗をドレインして昏倒寸前にまで追い込んでしまいます。


「パイセン…いえ室見局長…一応は技術系移住者なのですから…これはちょっと後で日本との関係悪化を招きかねない問題になりますよ…」と、怒ってみせるベラ子。


ですが、遥かに格上で強さも桁違いのベラ子に対して、一才臆せずに堂々と答える理恵ちゃんもなかなかのものです。


「ベラちゃん、いえ陛下。これは内務局長からの実質的な命令です。飯島早苗さんは痴女皇国によって行った移住資格審査の結果、痴女皇国が欲する情報提供能力または技術的貢献度に不安がある。万一の指摘や中傷を防ぐためにも、なるべく正規の女官昇格規定に従ったカリキュラムを履修済みだという実績を作っておいて欲しいというのがその要請内容です。現状では女官長代行の任についている私としても、田中内務局長の要請は正当なものであり、これを無視して特例漬けの万卒女官昇格は他の昇格詮議挑戦者に対して極めて不公平と思われます」


うわー、きっぱり言うな…。


そして、当然ですけど、早苗にもこの話は伝わっています。そしてこの場の全員が早苗よりも格上なので、思考や意識は早苗には漏れていません。


で、それを良いことに更に話を続ける理恵ちゃん。


「ただ…私の実施している特訓内容は田中局長とオリューレ局長にあらかじめ予定をお伝えした上で行き過ぎがないように遠隔監視をして頂いています。マリアヴェッラ陛下が皇帝権限で私に中止を求められるのであれば従いますが…その場合は田中局長へ中断した理由を必ず申し出ておいて下さい」


(うわぁ…パイセンステキー…惚れたので後で犯していいっすか?)


(何を言ってんのよベラちゃん…ほら、そこで格好つけてよっ、ちゃんと皇帝としてシメるとこ締めてっ)


(ええ。その代わり、あたしのちんぽをあとで締めて下さいよっ)


(はいはい、とりあえず会話を続けるわよっ)


「わかりました。室見女官長代行。とりあえず、雅美さんから頼まれているその作業、中止願えませんか」


「ふーむ、確かに皇帝要請には逆らえません。とは言え、この作業…実はあたしの百万卒限定を外して一千万卒状態にしてもらった上で、早苗さんの完全千人卒昇格処理を行うための過程としてやっていた事なんですよ…ですので、皇帝陛下が中止と言われれば従いますし、事実、今も中断していますけど、早苗さんの昇格を代わって行って頂く話になると思うんですよ」


と、ちょっと考え込んでから、それでも言う事はきっちり言い返す理恵ちゃん。


つまり、理恵ちゃんが今やってたSMプレイですが、これは上級も上級の幹部女官にして皇族(ダリア)の皇配女官でもある理恵ちゃんが行うことで、偉い人の無理を聞いてSM行為に付き合った実績を早苗に与えることになります。


そして、早苗が黒薔薇の穴を受けた代わりの実績にしてよ、という昇格詮議条件を満たすための行為であり、それを皇帝権限で中止したんだから、代わりの作業は皇帝たるベラ子が責任を持ってやってよ。これが理恵ちゃんの言い分です。


「確かに飯島早苗さんは、可能であれば昇格を図ること。そしてもっと可能であれば万卒化して…わたしマリアヴェッラとの精気授受に対応させる事は姉からも聞いています」


そう、実はこの話、早苗のやる気を煽るためでもあります。早苗の希望通り、遠慮なくベラ子と精気授受を行える身体に昇格させてあげたいという方向で考えてるよ、と早苗に聞かせるためにしています。


「しかし、そこまでして昇格を急ぐということは、当の飯島早苗さんご自身の能力にいささかの不安がある、このまま万卒にするとそれこそ位打ちになりかねない。これが室見女官長代行の懸念ですね。そう申される理由もわからなくはありません…しかし、どうしたものでしょう」


と、悩む素振りを見せるベラ子ですが、次の瞬間に手を叩きます。


「ジーナ母様。すみませんが、この件は複数部署が絡んでいる上に、早苗さんの性格行状能力を改めて査定することが必要になりかねません。そしてSMプレイの是非はともかく、早苗さんに昇格に必要な行為をさせておかないとえこひいきであると他の女官から指摘される懸念も理解できるものです。ここは理恵さんや私といった皇族を管理指導する権限をお持ちであり、実質的な上皇である母様の判断を仰ぎたいと思います…このまま理恵さんに昇格に必要な処置を続けてもらっていいものでしょうか…」

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