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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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ライン沿岸冬景色・ローレライの岩は雪の中・5

えーと、このマリアヴェッラ、初代様を叱りたいと思います。


いくらウクライナ共和国支援企画といってもですね、変な英雄譚をでっち上げないで下さいよ…。


あの全裸でギターを弾いたり全裸で大統領府に自転車通勤したり、挙句身体の一部分でピアノを弾いた実在する大統領とウクライナ国民に怒られても知りませんよ!

「も、申し訳ございません…」


あたしと乳上の間に挟まれて恐縮しきりの女官の方。


騎士服ですが、普段は女官業務が中心とお伺いしております。


でまぁ、この方のIFFステータスを確認してみましょう。


Korinna (Németh Korinna) コリーニャ Hundred Suction 百人卒 Pure famale Visual 女性外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Principatus Magyar, East Euro Branch. 痴女皇国東欧支部


(我がマジャールでは家名が名の前に参りますので…)


はい、連邦社会では英語表記に合わせておられる方も多いようですが、もともとは日本同様に姓→名で記述される記名法則がおありのようですね、ハンガリー。


更に現地語の伝統的な国名を使われておりますが、ここは乳上のトランシルバニア=ルーマニアと同じでマジャール=ハンガリーとご認識頂ければ。


さてコリーニャさん。


姓名表記が付いたステータスでお分かりになった方もいらっしゃるかも知れませんが、現地採用女官です。


そして配属は東欧支部ですがマジャール公国、つまりハンガリーです。


(普段はブダペスト聖母教会にて勤務いたしておりますが、元々はこの辺りの出身でして、土地勘がございます。今回は私の生家のある村も狙われておりますとか…)


と、ナドラクの町のすぐ西にある国境の関所を越えた辺りでご説明を。


何せ、運転席にいるのは、この辺りではもはや知らぬ人とていない乳上ですし、そもそもダンケ号自体がこの辺りでは珍しいものです。関所もフリーパス同然で速やかに通過してハンガリー側に抜けております。


(この町のマジャール側はナジラクと申しまして、事実上はナドラクと同じ町と言ってよいほどに住民の往来がございます。町の民につきましては関所でまず、(とが)められることもなくナドラクの市場なり教会にお邪魔しておるかと)


(マジャールとトランシルバニアの間で境目を引く際に少しばかり揉めた過去があるのです。現在は私が両国の政治に口を挟めますから、町人や村人の往来は自由にさせております。ただ…密かに兵や賊を通されると困りますので、国境沿いの町や村にあります聖母教会には必ず女官を常駐させるようにしていますよ)と申される乳上。


(この東欧支部増員の話で揉めたんですよねぇ)


(まぁ最終的には現地で強か…勧誘などで募る事でなんとか定数を確保しましたけどねぇ。ほっほっほっ)


(ま、おかげで今回の強姦作戦でも目標を絞りやすかった訳ですし)


(私は普通に勧誘されましたが…いや、犯されましたね…気持ち良かったのでそのままほいほいと話に乗りましたがっ)


「ああ、コリーニャは知らないわね…実は聖母教会に必要な女官の数を満たすためにマリーやクレーニャやイザベル陛下にもお願いしてるのよ…調達。で、あたくしの所は貴女もご存じだと思うけど勧誘班を回らせていました。しかしね、マリーやアナさんやメーテヒルデまでもが悪ノリしたのよ…あの子たちはぁっ」


ええーとえとえとえーと。


つまり何ですか、南欧支部(すぺいん)マリーちゃんち(ろれーぬおうこく)クレーニャさんち(どいつまんなかあたり)の近所と乳上の縄張り(ひがしよーろっぱ)、既に強姦作戦は半ば実施したも同然…。


「へーか。報告は上げておりましてよ…月間痴女宮にも掲載を確認しておりますがっ」


ええ、お前はどこ見とんねんという顔の乳上。運転のために前を向いたままですが、勝ち誇った表情です。ですが。


(乳上。バレたら困るからって文字のポイント数指定して、わざと小さい文字にしてくれってゆっきーに頼んでたでしょ…ベラちゃんにわかったらあたしが責められるから先に暴露しとくわよっ)と、遥か数千キロ彼方の痴女宮から雅美さん(おんなかまきり)の心話が飛んできました。


なるほど、やっぱりそういう事かい…。


乳上は相変わらず平然としていますが、わかります。


汗の匂いで。


明らかに動揺しています。


「乳上…いえアルテローゼさん。なぜエアコンを冷房にするのですか。今はまだ2月ですよ。しかも周りを見て下さいよ。畑にも道にもきっちり雪が残ってるじゃないですかっ」


そうそう、平野が多く盆地のハンガリー、あまり雪が積もる部類の土地ではありません。大まかに申しますと日本の北海道南部よりは更に少ないくらいですかね。


ただ…それなりに寒い場所ですし、何より人を満載したダンケ号ですから、窓の曇り止めのためにエアコンを暖房で入れていますよ。


ただ…たった今、乳上が素早く左手を伸ばして温度設定を下げてしまいましたけどっ。


「ええ陛下、窓の曇り止めです。決して汗をかいたからではありません」


「それなら暖房でもいいでしょうがっ」と、コリーニャさんの膝の前にあるオートエアコンの操作パネルの温度スイッチを暖房方向に。


…あ、このエアコン操作パネルですけど、いまだにダイヤル式のマニュアルエアコンスイッチのダンケ号、痴女皇国で買った分の中にいるんですよ、何台か…つまりこの時代でもハイ○ースのオートエアコン、高級装備扱いです…。


「冷気が噴き出るだけでもこの時代では驚かれるのですけどねぇ。それに陛下、我々は痴女種ですよ。元来は暑さ寒さを気にしないようにも出来ますが」


「ならなぜ汗をかいているのですか、乳上…とりあえず痴女宮に戻ったら強姦作戦の先走りの件について月間痴女宮のバックナンバーを検索させます。処分はその後で。場合によっては堤防か後宮に召喚します」


(出来れば陛下のち…運転中です痛い痛い痛いっ!)


ええわかっております。ですからはりせんムチを伸ばして、乳上の乳首をつねり上げただけなのです。今はそんくらいで勘弁したげますから。


それにですね、前にも言いましたがこのはりせんの形状が変化して鞭状になるムチ、元来はアレーゼ叔母様のものです。


その鞭があたしの操作に応じてですね、コリーニャさんを器用に避けて乳上の網服を狙いに行った意味を噛みしめて欲しいのですよっ。


「それはともかくとしまして陛下。まもなくマグヤスカナド村です。奴らは西からあの村に近づいておりますが、あのマグヤスカナド村を皮切りに、徴税に名を借りた掠奪を働きながらブダペストに戻る(はら)かと」


見れば街道の先に、そう大きくない村が見えております。


「あそこに聖母教会は?」


「ナジラクがさほど遠くありませんので、現状ではナジラクまで来ているようです。村からは開設願いも出ておりますが」


「女官と司祭のペアか、最低でも百人卒の司祭を一人は必要とするのですよねぇ…聖母記念銀行の出張所機能の操作研修も必要としますし」


と、コリーニャさんと乳上が渋い顔をしています。


(移動教会の案もあるわよ。移動図書館のノリで巡回、ハンガリーなら道の整備も楽だしね)


雅美さん。暇なら手伝ってくださいよっ。


(あー、あたしはあたしで今、ドイツ北部の町やら村で似たような事してるわよ。とにかく募兵はまだしも戦費を一時的に握らせないといけないでしょ。最終的にはヴァレンシュタインが貯め込んでるもんのうち金銀財宝やら、動かせるものはそっくりうちが頂くように計画してるけどね)


はいはい。それでクレーニャさんやカエル女とか連れて行ってんですねっ。


(まぁベルリンのあたりまで含めたらドイツの広さを実感できるわよ…こっちはジーナちゃんに頼んでスケアクロウまで持ち出してるから。悪いけど東欧方面、よろしくお願いするわよっ)


えーとつまりですね。


今回の作戦、結構範囲が広いんです。


そしてあたしたち同様、ヴァレンシュタインが派遣した軍税徴収部隊に対して「使う」ものを運ぶ必要があるんですよね。


で、今からそれを使う訳ですが…。


「では村長…打ち合わせの通りに願いますよ」と、待っていたらしい村長に、何やら少し重めな小さい革袋を預けるコリーニャさん。


で、我々は乳上の指示で、村の中央を東西に走る街道に沿った広場の片隅に光学欺瞞(ぎまん)を入れて隠れます。


やがて数騎の馬が西の方から街道を走ってくるのが見えました。


(来ましたわね)


(軽装ですね…弓と帯剣…ただ、放火用の火薬と油を馬の鞍に積んでいます。あと矢は火矢に使えるものが)


(明らかに正規兵ではないが賊にも見えぬ姿。身元を追えぬようにしておりますね)


(これは…村を脅して出すものを出さないと即焼き討ちという魂胆ですね)


(では全員、そろそろあれをしますわよ…マリアヴェッラ、精気を少しばかり貰いますわね)


へいへい。


で、駆け込んで来た騎馬のうち、リーダーらしい男が大声を上げてこの集落の長を呼びつけます。


(村長はじっとしておいて下さいよ…安全は保証しますからね…)と、一体何が起きるのかと半信半疑な上に恐怖の表情を浮かべる村人たちを騎馬の兵士から“隠しながら”落ち着かせます。


で…。


数瞬の後で、どこから渡されたのか、先ほどの革袋の中身を改めると満足げに頷いて立ち去る騎馬の一団。


「…い、一体何が起きたので…」


で、汗だくだくになりながら申される村長を始め、村人たちにからくりを教えますと。


「な、なるほど…」


「確かにそれならば我らに気付くどころか、何もせずに立ち去った理由が納得できます…」


「これで今年の春のたねもみまで持ち去られずに済む…」なんか葬られたお墓の前に種もみを撒かれたり、倒された跡に人の形の草むらが出来ていそうなおじさんですね。


「前にやられた時は娘どもが大変な目に遭いましたからな…」


「いやはや皆様にはお世話になりお礼の言葉もございませぬ…」と、本心から喜捨(きしゃ)を差し出そうとする村長を我々が制止します。


「今後、教会をこの村に建設することを望まれる場合、幾ばくかの喜捨を求める事になるやも知れません。そのお金はその時のためにお取り置き下さい」とうちの騎士を代表してあたしがお伝えします。


で、先ほどの騎馬兵士集団。


来た時と違ってゆっくりした速度で馬を進め、兵士同士で談笑しているようです。


では、声を拾ってみましょう。


『いやいや、意外に持ってやがったな。こりゃあ幸先(さいさき)がいいや』


『ああ、これだけあればもういいんじゃねぇかと思うが…』


『待て待て、この後で立ち寄れる村から巻き上げた分、俺らで山分けってのはどうよ』


『そいつはいい考えだ。…あとよ、ちっせぇ村だったからあんまりいい女いなかったじゃねぇか』


『もう少し東のナジラクならいい女がいるって聞いたけどよ』


『いや、あそこはやめとけ。教会の連中がうるせぇし、町の守備隊が強いって話だ。それに隊長からも言われてるだろ、国の(さかい)を超えてトランシルヴァニア側のナドラクに手ぇ出すとよ、速攻で串刺しの軍隊が出てくるから、必ずマグヤスカナドで折り返して戻ってこいって』


『それによ、行く道で俺が当たりを付けておいた町があるからよ、そっちに寄ってシモの世話をさせようぜ。仮にナジラクを襲って女どもを犯したとしてもトランシルバニアはおろか国元に連絡が行きゃあ、最悪はブダペストに戻る道で挟み撃ちだ。それなら教会のねぇ村を襲う方が後腐れがなくていいだろ』


『違いねぇ。そのためにわざわざ国元がわからねぇような格好して来たんだからよ』


『早いとこお楽しみにありつこうぜ』


などなど申しておりますのですが。


という訳で密かに追尾してダンケ号を走らせる乳上の指示に従い、転送で先回りして、二つほど割と大きめの町で同じように初代様の工作を行いました結果。


町衆の頭やギルド頭といった町の顔役を使って兵士の(かしら)に革袋を握らせる事に成功しました。


(聖母教会のある街では手荒な事をする気はあまりないようですね。軍税の徴収令状を見せて協力を求めていますよ)


(恐らく、彼らの狙いはティサ川に沿ったミンゼントという町でしょう。そこで欲のままに振る舞った後はケチュケメートとかいう町を経てブダペストに戻る行程を考えておりますね)


(ありがとうございます。ではそこが細工の真打ちという事で…)


そしてその、ミンゼントなる町。


どうやら森とティサ川を背後に控える上に広がる農地のおかげで、単に農業だけで潤っているようでもなさそうな、裕福そうな街並みです。


(やはり往路でここの宿に泊まった際、町娘の品定めをしておりますね…初代様、どうなさいます)


(まぁまぁアルテローゼ。逆にその方がやりがいがありますわ。ペルセポネーゼ、アフロディーネ、町人に危害が及ばないよう、なるべくなら居宅に(こも)らせておいて下さいまし。コリーニャ、アリアディーネ、エステラーネ…堕天使に身体を貸して差し上げなさい。ルシフェル、マリアヴェッラとアルテローゼに協力して吸い上げをお願いいたしますわよ…)


で。


応えられそうにない金額の徴収金をわざと吹っかけて暴れ回る軍勢。


燃えそうな建物に火矢を射掛けて放火するわ、抵抗しようとした町人を斬り殺すだけならまだしも、油をかけて火をつけ暴れ狂わせ、逆らうとこうなるとばかりに見せしめにしております。


そして引きずり出される娘たちを、恐れおののき建物に隠れる町人が見守る前で凌辱を始めております。


『歯向かう者が一人でもいるようなら見よ!この井戸に毒を投げ込み、そしてたねもみの倉に火を放とうぞ!大人しく我らの言う額のドゥカート銀貨を差し出せばこうはならなかったのだ!』


で。


ハンガリーの方々、この時代でも肉食中心の食生活です。


そして早漏系ですが、行為の回数は多いという白人に多い傾向です。


…何が、とか言わないで下さい。


数十名の年頃の娘を一布(まと)わぬ全裸に剥いた後で、順番に見張りを交代しながら毒牙にかけると大股ひらきにした状態で縛り上げ、あとは好きにしろと銀貨やら何やらを強奪して馬に乗ろうとする騎馬兵たち。


…恐らくはこの後、どこかで装いを改め、何食わぬ顔をしてブダペストに戻るつもりでしょう。


『おのれ狼藉者(ろうぜきもの)どもめ!必ずや全裸将軍様が北東はキエフの麦畑の彼方から現れてお前たちを滅ぼすだろう!』


『あん? 何だその全裸将軍ってのは? ちょっくら聞き捨てならねぇな。おい、ちょっと油の残りを持って来てくれ』


涙ながらに叫ぶ町衆のおじさんを捕らえた兵士の一人、剣を突きつけながら小型の樽を持って来た別の兵士に、おじさんの頭から油をかけるように指示します。


そして松明を持って来させると…。


『何だよその全裸将軍ってのは。だいたいキエフ大公国なんざ、今や北方帝国の傘下だろうが。それにこの町からキエフまで一体全体、何里離れているんだ』と、炎をおじさんの顔の前で振らせながら答えろと促しています。


『知らぬのか!伝説の全裸将軍ゼンラスキー様を!我らが湯田家の民が虐待され迫害される時のみならず国を脅かす侵略者が現れる乱世とあらば…はるか北の大地より現れ、夷狄匪賊(いてきひぞく)を蹴散らす英雄ぞ!』


その名前にぎょっとする、剣を向けて脅している兵士。


ですが、松明(たいまつ)を持った兵士が…。


『面白れぇや。なら乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)の限りを尽くせばその真っ裸な将軍か何か知らねぇがよ、ここに現れるんだな?』


その兵士がニヤリと笑った次の瞬間。


油を吸った服に松明を近づけます。


一瞬で燃え上がる衣服。


この世のものとも思えぬ断末魔の叫びを上げてのたうち回ろうとしますが…。


どうやら松脂(まつやに)か何かの(あぶら)を油液に混ぜていたようで、そう簡単には消えないようです。


その凄惨な処刑に抗議の声を上げようとする住民もいますが、弓や剣を構えた他の兵士の姿で思いとどまっている様子です。


更には町の方々で燃え盛る建物。


『この者の後を追いたい奴は遠慮なく名乗り出ろ!望み通り殺してやるぞ!』と、焼けて動かなくなった死体から首を切り落として剣に刺し、頭上高く掲げています。


そして剣をひと振りして首を放り捨て、高笑いと共に馬を走らせ走り去る集団。


三々五々、隠れていた町人が縛られた娘たちを助けて布を身体にかけたりしていますが…。


さて。


ここで疑問に思われた方、いらっしゃいませんか。


例えば。


「百億卒のベラちゃんに千万卒の乳上はもちろん、この中で一番ステータスが低いコリーニャさんですら、この狼藉の限りを尽くして去った兵士の一団くらい、痴女種なら一瞬で倒せるんじゃないの?」


はたまた。


「そもそも何だかんだ言って人助けを是とする痴女種の女官の偉いさんが揃ってるのに、どう考えても悪い兵士たちをなぜ乱暴させるがままに振る舞わさせていたのか。いくら堕天使たちに指示して何か企ませていたとしても、これはやりすぎじゃないのか」とか。


では、初代様に種明かしをしてもらいましょう。


(さ、皆様…悪漢どもは去りましたわ。もう大丈夫ですわよ)


次の瞬間。


方々で火の手が上がるか、はたまた無惨に燃え尽きたはずの家屋が一瞬にして元通りに。


そればかりか死んでいたはずの町人たちが立ち上がっています。残忍な火あぶりの仕打ちにあって焼け焦げ、更には首を斬られたはずのたおじさんすら。


(マリアヴェッラは知っておりますよね)


(はい。マリアンヌちゃんとスザンヌちゃんをお仕置きしたバーチャル堤防のあれですよね)


皆様、覚えておいででしょうか。R18版の闇落ちマリアの方でしたか、あちらで初代様がご披露された能力です。


あたかも実際に何かが起きたように思わせるこの技、初代様に言わせれば楽ではあるが精気を結構使うようなんですよね。


(それにしても凄いものだ…)


(ええルシフェル様。兵どもは我らの術にきっちり嵌り(はまり)、狼藉の限りを尽くしたと思い込んでおります)


(そればかりか、上の者に言われた(ノルマ)ばかりでなく懐に隠せる銀貨まで持ち帰る事が出来てほくほく顔)


(更には全裸将軍なる噂を信じて焦る者まで。ふふふ)


(マリアヴェッラ。ちなみに湯田家民族の苦境苦難に陥った時、全裸の英雄ゼンラスキーが現れてかの民族を救う伝承ですけどね…ふふふ、堕天使たちの力を借りましてね。この場で出任せたでっち上げではなくなるようでしてよ。でなければ湯田家の血を引く兵士が焦っておりませんでしたでしょう?)


(ああ…ナンム殿の言う通りなのだよ、マリアヴェッラ殿。そして侵略の可能性に気づいたバーデン=バーデンでは伝説の英雄ゼンラスキーを客将として迎えるべく北方に使いを出したとウィーンとブダペストに通達。バーデン=バーデンの新しい姫大公殿下が動かれるようだな)


(重畳ですわルシフェル。うふふふふふ。これでヴァレンシュタインはあの兵からの報告を聞いて挙兵を焦るはず。何としても伝説の将軍を迎えて守りを固める前にバーデン=バーデンを落とそうとしますわよ? マリアヴェッラ…)

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