ライン沿岸冬景色・ローレライの岩は雪の中・４
皆様。
ライン川の雪景色と言いながら串刺しおじさんの地元のお話です。
なぜこうなったのか、前回に引き続きマリアヴェッラがお話させて頂きます。
「つまり、今からするのは正にその実験と」
「左様。この者たちがそもそも人にとり無害か有害かを問えば間違いなく有害。なればこそ害を与えぬよう予め手を打つ話には合意したい」
きっぱり申される堕天使ルシフェルさん。
（ルシフェルは地上に流刑となった立場ですが、配下とは違って、地上に堕とされ悪しき考えとなった訳ではないようですよ、マリアヴェッラ）
（いわゆるキリスト教では神様の側近…あたしたちで言う幹部の地位なんでしたっけ）
（神に仕える天使を束ねる立場だったのだがね。ただ…原初人類に言語を教え知恵を付けたせいで、その責任を問われ、一部の配下と共に地上に追放された。それだけならまだしも、人類と接触して彼等に感化された配下がね…）
（悪事を働く悦びに目覚めたと…）
（訂正を。人に道を踏み外す事の恐ろしさを教えただけですわ！）
（誘惑の結果の破滅を教育したまでですのに！）
（あれの快楽に目覚めないと子孫を残してくれませぬでしょうに！）
と、噴き上がる堕天使たちですが。
（堕天使の皆様。そもそもあなたたち、そういうことをしていたからこそ、人類の上に立つどころか封印をされたのですよ）
（今回の復活は言わば反省の程度を計る試験とお考えください）
（え…）アフロディーネ＆ペルセポネーゼの両名から、取り付く島もないお説教を逆に受ける羽目に。
（娘たちの言う通り。更にはもし封印されておらず、傍若無人にやりたい放題した場合…北欧神種族…どうなったか、教えられましたわよね？）と、これまた恐ろしい口調で初代様が脅されます。
まー、あまり脅してもなんなので助け舟を入れましょう。
「ですが堕天使の皆さん。今回は傭兵軍に徹底的に悪者になってもらう必要があります。ですから私たちも敢えてルシフェルさんに事情を説明させて頂きまして、ご協力をお願いしています。そして…今回の件で戦果に貢献されたと私たちの監査機関が認めた場合は、私たちの組織に加わって頂きますけど、痴女種という形で身体をお渡しいたします」
（ぬぬ…ではルシフェル様が賞味されたマリアヴェッラ様のあれを私達とも…）
（ぐ、ぐぐ…）…
ええ、よほどラスプーチンちんの衝撃…ルシフェルさんが感覚共有で他の堕天使の皆様にも伝達して下さったようです。
（ただマリアヴェッラ。かと言ってバーデン=バーデンを攻める前からあちこちで掠奪暴行破壊を繰り返されても困る話ですわよね。堕天使の皆様も、そうは思いませんこと？）
（は、はい…ナンム様の申される通り、欲に狂わせた傭兵どもに正気を失わせてバーデン=バーデンを攻めさせるという作戦、我ら理解しております）
（こう申しては何ですが、それはそれで人を騙し目を眩ませ惑わせるのも我ら堕天使の元来の本分。むしろ喜び勇んで行うべきではないでしょうか）
（ですがアスモデウス。やり過ぎては危険。どこまで堕落させるかの指示を頂きませねばと）
（ふむふむ。マリアヴェッラ…わたくしが加勢いたします）
え。やめてくださいよ…。せっかく皆さん自粛ムードなのに、初代様が暴れてどうするんですかっ。
（話は最後までお聞きなさい。ほらほら、前に堤防でマリアンヌとスザンヌをですね…）
そして初代様からゴニョゴニョと入れ知恵をされました我々の感想ですが。
（そんな事が出来ますとは…）
（しかし、それならば実害はほぼ、なしで済みますな）
（問題は持たせ握らせるものが必要というところですか…なるほど、それでダンケ号の後ろの荷物があれと）
（更には焦らせるためにも虚言は必要。なるほど、人を騙すことにもなり一石二鳥。ナンム様のご提案に異議はありませんね。ルシフェル様、いかが）
（私も異論はない。むしろ積極的に協力すべきだろう）
（では決まりですね。初代様にベラ子陛下、予定通りにヴァレンシュタインが差し向けた徴税担当の兵、この先のハンガリー領内の村で迎撃と参りましょう）
（アルテローゼ。案内、よろしくお願いいたしますわよ）
で、普通なら転送一発で人だけ送り込めば済むはずです。
なのになぜ、ダンケ号を持ち込むのか。
実はハンガリーという国、痴女皇国世界では鯖挟国ではなく神聖ローマ帝国の領地です。
これは姉によって乳上が攫われた際、鯖挟国と戦っていたイシュトバーンというハンガリーの王様…何と隙を突かれてウィーンから攻め寄せた神聖ローマ帝国の奇襲に遭ったのだそうです。
そしてイシュトバーン1世は諸々あって神聖ローマ帝国と講和を結び、所領マジャールを属国たるハンガリー公国として引き続き統治している、というのが痴女皇国での歴史です。
前に雅美さんが乳上のステータスを確認した際に、イシュトバーン姓だった事に注目していた理由、これなんですよ。
そしてマジャール王国時代から国王直轄として栄えたセゲドなる街が連邦世界で言うルーマニア・セルビア・ハンガリーの国境近くに存在します。
このセゲド、街のすぐ東側を流れる割と大きな川…ティサ川という川がダニューブ川に合流して黒海に流れている事もあり、トランシルバニア…ルーマニア山中から発掘される岩塩を船積みしたり、あるいは陸路をブダペストやウィーンに向かい塩を運ぶ商人が集まって栄えているそうです。
そして当時の貴重品たる塩を扱う町という事で、乳上のご実家からの軍勢に加えて神聖ローマ帝国の軍隊が駐留しているのだとか。
…ええ、近隣の町や村から軍税を徴収し、果ては募兵のために来たヴァレンシュタインの軍勢が到来し、今日明日にも界隈を巡る可能性があると、乳上の実家から密かな泣きが入っている話も聞いております。
（全く、名将ヤーノシュの子弟が聞いて呆れますわ。あのような胡散臭い男の率いる賊軍一つに文句も言えぬとは…あ、読者の皆様で東欧史をお学びの方、毎度毎度ですが皆様の歴史とは異なっておるようですからご注意下さいませ）
聞けばハンガリーには名将軍として知られたヤーノシュという人がおりまして、串刺しのおじさんがトランシルバニアから西にあまり手を出せない理由だったとか。
しかし、このヤーノシュの死後に跡を継がれた息子さん達、軍を率いる才能がちょっと…という方々だったみたいなんですよね。
ただ、乳上が串刺しを籠絡と書いてしばき回すという行為に至った後、トランシルバニア公国を現在のルーマニアとほぼ同等の領地に広げてからは、貿易相手としてこのセゲドという町との街道を整備している模様。
貿易品目はルーマニアからは木材・木炭そして岩塩。一方で比較的平地が多いハンガリーからは小麦など農産物を中心に、比較的旺盛な取引があるようです。
そしてルーマニア側のティミシュ川に面したティミショアラという、かなり大きな街がトランシルバニア側の貿易拠点となっておりまして、聖母教会に常駐する騎士の数も10人を数えているとか。この街の中心から伸びるベガ運河という人工の河川を使えば、現在のセルビア領内でダニューブ川と合流して、更に黒海まで船で下る事ができます。
で、我々はそのティミショアラではなく、そこから先に進み事実上の国境の町たるナドラクというところにある小さな聖母教会の裏庭へダンケ号ごと転送をかけています。
「エステラーネ。アリアディーネ。マリアヴェッラ陛下、ペルセポネーゼ・アフロディーネ・ルシフェル騎士です。ご挨拶なさい」そして乳上の紹介で、この近辺が所轄の東欧支部担当の女官の方と引き合わされます。
「はっ。ティミショアラ聖母教会駐留騎士、エステラーネと申します。痴女皇国東欧支部西部要衝を担当するため万卒昇格の栄誉にも授かり、光栄の極みでございます」と、ショートヘアで東欧系っぽい顔立ちの女性騎士。
「同じくアラド東方聖母教会主座アリアディーネ。中東支部からの派遣騎士でございます」こちらは尼僧服姿の方で、髪型は頭巾で隠れていますが中身は騎士であるとのご挨拶を頂きます。
さて、ここで現時点での参加者IFFステータスチェックなぞ入れてみましょう。と言ってもルシフェルさん以外の堕天使の皆様や初代様については、誰かの身体に相乗りされていますので表示されませんよ。
…あ、このIFFステータス、例によって出身国ですとか裏設定に絡む伏線が入ってるからよくよく見た方がいいと天の声が言ってますけど…うん、例えばアリアディーネさんが元々ブルガリアの人のようで、じゃあなぜコンスタンチノープル…つまりメーテヒルデさんからシェヘラザードさんに支部長が引き継がれた中東支部の所属なのだろうかなどなど、色々と読み取れますね。
Eszterene (Eszter Dinastia) エステラーネ Ten thousand Suction（Limited Hundred thousand）一万卒（限定十万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Principatus Transsilvaniae, East Euro Branch. 痴女皇国東欧支部
Ariadiene (Juana Naydenov ) アリアディーネ Ten thousand Suction（Limited Hundred thousand）一万卒（限定十万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Knyazhestvo Bulgaria, Middle East Branch. 痴女皇国中東支部
Alterose (Alterose Istvan) アルテローゼ Million Suction（Limited Ten million）百万卒（限定一千万卒） Slut Visual 痴女外観 Red Rosy knights, Imperial of Temptress. 赤薔薇騎士団 Principatus Transsilvaniae, East Euro Branch Manager. 痴女皇国東欧支部長
Persephonē (Ereshkigal) ペルセポネーゼ Hundred thousand Suction.（Limited Ten million Suction）十万卒（限定千万卒） Black Rosy knights, Imperial of Temptress. 黒薔薇騎士団
Aphrodītē (Ishtar) アフロディーネ Hundred thousand Suction.（Limited Ten million Suction）十万卒（限定千万卒） Black Rosy knights, Imperial of Temptress. 黒薔薇騎士団
Lucifer (1st, fallen Angel) ルシフェル Ten million Suction 千万卒 Slut Visual 痴女外観 Purple Rosy knights, Imperial of Temptress. 紫薔薇騎士団 Markgrafschaft Baden-Baden, South Germany Branch. 痴女皇国南独支部
Mariabella Borgia Wordsworth マリアヴェッラ ボルジア Ten billion Suction. 百億卒 Slut Visual 痴女外観 Empress, Imperial of Temptress. 痴女皇国皇帝 Our Marie 2nd. 聖母
うーんと、あと、美男公との名目婚姻が喪失したのを受けたのか、あたしのワーズワース姓が戻ってます…。
これねぇ、NBや英国留学の口実にされますので出来れば返上したいんですけど、父親がジーナ母様なんで外しにくいんですよねぇ。
更に言いたくないんですけど、あたしは連邦世界側では合計4つの国籍を切り替えて使える立場です。日本では高木マリアヴェッラですが、イタリアではマリアヴェッラ・ボルジアで登録しています。更には英国とNBでマリアヴェッラ・ボルジア・ワーズワースなのですよ…。
そうそう、東方聖母教会という名前が出ましたが、この教会は実のところ連邦世界の正教会をベースとした教義や祭礼風習を取り入れさせています。
そうですね、東方聖母教会についてもこっそりお教えしておきましょうか。
実はあたしの叔父にして、この聖院世界シリーズでは度々登場する重要人物のチェーザレ・ボルジア。
連邦世界での落武者めいた最後とは違い、大学在学当時の初心を果たして聖母教会の総本山たるバチカン首長にして教皇の地位を得ていますが、まぁ相変わらず野心の塊ではあります。
しかしながらスペイン系イタリアンな性格はどうも鯖挟国や中東の方々との折り合いがよろしくないという姉の判断で、痴女皇国としてはコンスタンチノープル近辺と…それから今後はキエフや北方帝国方面の、連邦世界では正教会系のキリスト教地域を所轄するための東方聖母教会を拡大してカウンターインテリジェンス勢力として拡大する方向の政策を打ち出しております。
でぇ。こっちの教会の主祭対象聖母がジーナ母様なのですよ…。
そしてバチカンの方では出生の経緯から、痴女皇国の公認聖母としては二代目にあたるあたくしマリアヴェッラが祀られる立場にされました…。いいのでしょうか。
そしてですねぇ。
なんであたしがこんなところでブルガリアヨーグルトを。
…いえ、このお話はR15枠です。
決して、痴女宮離宮のあたしのお部屋の冷蔵庫のアイス同様の使い道で、ブルガリア名産のヨーグルトを使用している件の詳細を申し上げることはできないのです。ご理解ください。
ですので、全員に精気を配布子宮、いえ支給する作業が存在した。
これ以上の事細かい状況説明、なんとしても避けさせて欲しいのです。
あと、ラスプーチンちんは使いませんでした。
あまり中毒者を生産したくはないのです、これの。
では、という事で再びみんなしてダンケ号に乗り込みます。
（ハンガリー聖母教会からの女官が国境に参りますので、この後で同乗させますよ）と、前席左右の間のひじかけを上げて補助席を使用可能にする乳上ですが、なんでその椅子まで動員するか。
今の着席状況をお教えしましょう。
ベラ子 乳上
アリ子 ルシ子
エス子ペル子アフ子
ええ、割ときつきつです。
しかもこのダンケ号、車体幅1,695mmの標準幅ロングボディです。
加えてですね、ダンケ号の実車をご存知の方はお分かりかと思うのですが、土建屋さんが愛用される3列座席仕様の二列目、乗り込むためのステップの関係で2列目が少し狭いのですよ、幅。
ですからこの後で乗り込まれるというコリーニャさんですか、ハンガリー側の女官の方を乗せる場所を用意しておく必要があるんですよね。
…小柄な人だといいなぁ…。
ええ、先程も申しましたが乳上もあたしも女性のみならず、そもそも人間としての体格が大きめでしょう。
…あたしとの間に挟まれた人がどうなるか想像に難くないじゃないですか！
