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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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ぢょおうさまとおよび -Adora me-・2

で、なぜに学園都市というか、悪魔の谷城まで飛んで行かないか。


わしならフユキを抱えて飛べなくもありませんが、フユキが参ります。


そしてもっと大事なこととして、わしもしんどいです。


なぜならば、ルーン王城市から悪魔の谷城までの距離、ざっと三千きろ以上。


皆様の単位で申しますと、全速力で飛んでも4時間はたっぷりかかるのです。


一方、れっしゃに乗せて頂くと3日はかかります。


しかし、楽です。


そしてですねぇ。


ルーン王城市駅から、悪魔の谷と学園都市を経由して西海岸まで向かう「楽だ急行」じゃなかった、駱駝(らくだ)急行というれっしゃ、毎日1本が出ておるのです。


つまり、この駱駝急行は切符さえ取れたら、思い立った当日か翌日には乗れる部類。


週に1本とか、本数限定ではないのです。


で、なぜルーン王城市駅の停車場を城と離しておるか。


この停車場、すぐ側に荷捌き場があります。


そして、さらにその先にほぼ荷船専用の港がございまして、そっちにも荷捌き場があるのです。


つまりは、人の利便よりも荷運びの利便を考えて鉄の道が敷かれとるのです。


そして、人を乗せる列車、駱駝急行以外にはあまり出ておりません。


何せリュネ族の戦士能力が出た者であれば、近場なら飛んで通えますから。


つまり、列車に乗る用事のある者すなわち、まだ飛べないか翼が生えて来なかったか、はたまた飛んで行くには遠い場所へ向かうものとなってしまうのですよ。


そして、室見様によれば列車の客層がこうなるのは予測されていたことであり、運営しているエヌビーの国営組織も、列車を利用する客がどういう者たちかを調査した上で諸々を用意したそうです。


つまり、列車の客の大多数は、ルーン大陸のあちこちから学園都市へ向かうか、さもなくば卒業した者たち。


例えば、ルーン大陸東側のリュネ族や、リュネ側にデカセギに来ておる派遣の西方民の子たちを乗せて学園都市に向かうか、あるいは学園都市を卒業した子らが大人扱いを受けて勤めるべき場所に行くために乗るのです。


(ルーン王城市で言うと、リュネ族のお宅の子が主なお客ですね。またはそっちの西方族租界に赴任する方の需要を見込んでました)


そして、この駱駝急行だけでなく、他のところからも学園都市を目指して向かうれっしゃ、結構出ておるのですよ。


で、なんで学園都市にガンガンとお子達を送り込んでおるか。


聖母教会が管理運営する荘園を増やしとるからです。


そして、労働魔族…特に農業魔族を稼働させるために必要な餌を供給するのもさりながら、肝心の悪魔の谷の苗床、つまりは魔王の食事を供給する必要があるからです。


ええ、ぶっちゃけて申しますと、永場王国と事情は似たようなもんでしてね。


あそこの荘園経営体制を参考にしておるルーン大陸でも聖母教会の荘園すなわち「お◯◯荘園」なのですっ。


ですから活きのいいお子を送り込んでイキすぎぃいいい!な暮らしをさせる必要が絶対にあるのです。


それこそ南米や、あるいは中米の農園以上に。


で、学園都市はルーン大陸のお子を片っ端から受け入れても大丈夫な規模にまで広げることを想定して作られておりますが、これらのお子はお子で、在校中にはやはり、聖院学院本校と同じかそれ以上の「お◯◯学校」状態です。


身も蓋もない話ですが、ほんまにそうなのですから仕方ないのです。


アトハやリミニを子供にしてまで聖院学院本校を体験させた理由もほんまこれでして、労働魔族を使うと、最低でもアレを毎日毎日このくらいはやらせないと成り立たんぞというのを見せておく必要があったからなのですよっ。


幸いにして、リュネ世界は魔毒抜きのためにアレをしなくてはならないというのが住民には刻み込まれております。


恋愛とか結婚とかいう観念概念以前に、まずやらないと生きてはおれないという、切羽詰まった事情があったのですよ…。


ただ、ルーン大陸のれっしゃ、そういう理由で乗っておる主な乗客のお子らが車内でアレするのは原則禁止です。


えええええ?と思われませんでしょうか。


魔毒抜き、どうすんのと。


しかし今は悪魔の谷一帯以外のルーン大陸全般の魔毒の毒性をなるべく下げる施策が奏功して、学園都市に向かうまでの道中を我慢すれば大体はなんとかなるのです。


それに、着いたら最後、毎日毎日アレざんまいの日々を嫌でもやってもらうことになるわけですからねぇ…。


で、駱駝急行に話を戻しますと、その日その日で乗るお子の数は変わります。


ですので、繋いでる箱の数もその日その日で変えてたりするそうです。


とりあえず、駅に着いたわしら、心話で停車場の管理者に「着いたで」と連絡を入れます。


理由。


わしが乗るからです。


将軍様とやらになったわしは、お忍びを希望した場合以外、びっぷ扱いとなるらしいのです。


んで、下にも置かない身分とされてしまいますので、それなりの格式で迎えられてそれなりの贅沢な箱に押し込まれるのがお作法らしいのです。


しかし、今回はパイローテやレヴェンネに「お前らが教えることになるお子らがどういう風にして送り込まれるか見とけ」っちゅう話もしとりますので、駱駝急行にお子達が乗るとこも見せる予定。


ですので、結構早めに停車場に来ております。


んで、普通ならばルーン大陸の連中にも聖環が支給されとりますので、お子達は自分の聖環に送られた電子切符に示された箱に入ることになります。


んで、駱駝急行がまさにそのようですが、場合によっては座る椅子まで決められております。


しかし、乗り込む人数が多ければ、いくら座る箱や椅子が決まっておっても、出入り口に無秩序にお子らが殺到すれば揉める話となるでしょう。


そこで、永場王国のポル=バジンなどと同じで、広い待合室が駅にはあります。


この大きく広い待合室のためにも、停車場は広い土地を必要としたそうです。


で、待合室では来た場所や男女の区別で座って待つ場所を決められておりますので、自分が待つべき区分けの区切りを探して座って待つことになります。


「ここでうろうろしていると指導役の駅員が、あなたはここと誘導してくれますけどね」


そう、ここから既に「親元を離れて自分で行動できるように」する訓練は始まっておるそうです。


んで、この解説。


室見理恵・国土局長様自らお越しになっておられます。


それも、わしらのために。


へへぇっ。


で、室見様がなぜここにというのはともかく、まずは整列したお子達、列ごとに順番に呼び出されて順序よく箱に入って行く事になります。


「この駱駝急行以外にも、NB Railルーン大陸鉄道管理局の運行する長距離列車はいくつか設定されていますが、基本は3等級制度となっています。まず、標準型3等長距離客車…レッドクラスから見ていきましょう」


で、銀色かつ箱を頑丈に作るためらしい横ヒダの入ったごっつい作りの箱で、その赤等級とかいう意味らしい赤い横帯が入った箱の中を覗いてみましょう。


前向きに2人並んで座る椅子が、廊下を挟んで2つ。


つまり、横一列に4人が座れると。


そして、室見様によれば15かける4列になっておりますから、1つの箱に乗れるお子はだいたい60人。


この椅子を備えた箱が一番下の等級となるそうですが、夜はこの椅子の背もたれを倒して寝る事になるのは見ておりますね…つまりは、車内でアレするにはかなり空いてないと無理がある構造です。ほほほ。


んで、大人になったり、あるいは大人が乗る箱として二等寝台車またはシルバークラスと呼ばれる箱が繋がれております。


これは、向かい合わせに座る広めの椅子が通路を挟んで並んでおる作り。


「プルマン型とも言いますが、夜には座席を下段寝台に変えるのです。で、2人のうち1人は、天井に格納された上段寝台に寝る事になります」


なるほど、それで昼間はやたら広く見える椅子に1人で座ると。


この銀級という箱、おおむね1箱で28人から30人を運ぶ作りになっており、あまりアレ向きではありませんね…。


「どうしても痴女皇国の人だとアレをすることを考えてしまうと思いますが、とりあえずゴールドクラス…1等個室寝台車を見ていきましょう」


で、金色の帯が巻かれた箱ですが、室見様の言われる通りに個々の客は鍵のかかる部屋に入る事になります。


「ただ、オーストラリアのゴールドクラスと違って、痴女皇国ですから2人個室が基本です」


そしてこの小部屋、くそ狭いのですが便所兼湯浴び場、部屋ごとに備わっております。


それと、一部の部屋は両側からそれぞれ小部屋の扉の鍵を開けて戸を開くと、続きの4人部屋に早変わりするそうです。


んで、わしら。


ほんまは、往路で乗ったような総督用のもっと贅沢な箱に乗せられるのがキホンらしいのです。


特に、わしがそういう待遇を受ける地位なんだそうでしてね。


しかし、今回はパイローテを連れて行くっちゅうことで、こいつを道中見張る義務が生じております。


それと、室見様がわざわざお越しになっとる理由の1つでもあるんですが、もう1つ、荷物が追加されてますねん…。


こいつを閉じ込めて監禁しとく必要、ありますねんわ…。


「なーんかいなか臭い場所ねぇ…ああ、もっと他に破滅させるのが楽しみなれんちゅうばかりいてるところに赴任させてくれたなら、このシモーヌもお仕事にはげみが出たのに…」

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