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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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王の帰還 -Reditus Regis-・11

ああ、何たることなのでしょうか。


暗澹たる思いで、れっしゃの中に戻った私たち。


豪華な内装も、窓の外に見える景色も、もはやこのイリヤ・ヤスニの心を慰めるものではありません。


聖院金衣系譜者とやらの新しい役位も、元来はフユキと手を取り合って喜ぶべきなのでしょうが、今後のルーン大陸の行く末を考えますと、今やその想像できる責任、ずっしりと私の両肩に重くのしかかる感覚なのです。


Ilya Yasuni イリヤ・ヤスニ Thousand Suction (Limited billion) 千人卒(限定十億卒)Slut and elof Visual, angel wing Equipment. 好色妖精外観(天使翼装備・痴女種互換) Black Rosy knights, Imperial of Temptress. 黒薔薇騎士団 Rune continent subdivision, Neo-British blanch, Commonwealth realm, Imperial of Temptress. 痴女皇国NB行政局・ルーン大陸支部長 rune knight sword saint.リュネ剣聖 Western Governing General, rune kingdom.リュネ西威大将軍 Imperial lineage of holy temple. 金衣皇統


そして、せっかく得た新しい大地はまだしも、その大地を経営していくのは果たして可能なのか。


ええ、そうです。


近い将来、必ずやエヌビーに移住してくる人たちは、揉めるタネになるであろうとも予想できるのです。


そして、地球という星に居住するままであれば、遠からず滅ぶことになると言われたら、その対象となる人々はどう反応するのでしょうか。


滅びを突きつけられた人々、よほど人が出来ておらねば容易に恐慌状態に陥るであろうこと、想像に難くありません。


そして、その数はちょっとやそっとではないのです。


更に申し上げますと、人々の思いは一つではないでしょう。


特に、連邦世界と言われる地球の方々。


ええ、世の中の全てはもちろん、自分たちと同じ国や氏族どころか、己のことしか考えてはおらぬような者たち。


フランシスカさんに請われてメキシコ合衆国にお邪魔しておった際に、私はそういう事例をあまた、知ってしまったのです。


そして今にして思えば、なぜ連邦世界から大量の人々を連れ去って痴女皇国世界の灸場(きゅうば)のグァンタナモですとか、あるいは他の処理処分を行う場に持ち込んで女官化や偽女種化を図っていたのか。


まさに、そういう部類の視野が狭窄したり、身近な営利利潤にのみ汲々とするような者どもを着々と排除していくためだったのでしょう。


そして、普通であれば移住そのものは、私たちが味わったのと同じ「新天地を得る」喜びに満ちておるとは思うのです。


あるいは、滅びから逃れ免れた安堵に。


しかし、我らリュネの者がまさにそうだと思うのですが、故郷への郷愁、断ち切り難し。


この感情が消えたり弱まるまでは、新天地に慣れることはもちろん、世代の代替わりも必要と思えます。


その負の感情というべき思いを抱かずに、素直に移り住んで来られるとは到底、思えないのです。


(イリヤさん…聖院のことは考えなくてもいいから、とりあえず、あなたに課された課題や、そしてあなた自身の生活のためにまずは動いてくださいね…)


聖院の白いマリア様からはこのように申されますが、しかし、故郷を捨てるという選択を突きつけられた人々の反応を思うだに、かなり厳しいことになるのではないかと思えるのですよ…。


ですがジーナ様…痴女皇国世界のジーナ様がおっしゃられるには、ですね。


「まぁまぁイリヤさん…そもそも、なんであんたが金衣能力を付与されたのか、や…」


そうなのですよ。


今となってはこの措置、もしも金衣の血統や系譜が途切れた時のための予防措置としか思えないのです。


つまり、マリア様やマリアンヌ様スザンヌ様など、今の聖院金衣の系譜を引かれておられる方々が断絶した場合を考えての措置としか、不肖このイリヤには思えないのです。


ああ、なんてこと。


まさか、わしが聖院金衣の血筋を残す立場に選ばれるなんて。


いくら分家分派とはいえど、責任は重大でしょう。


(イリヤさん。ちょっと興味深いことをお教えしましょうか…NBではアヴァロンという巨大な船を持っているんだけどね…これさ、あなたたちリュネ世界の人々が、かつて星が砕ける危機に瀕した際に、よそに行くための船の一隻だったそうなのよ…サン=ジェルマンという人に聞いた話だけどね…)


え。


(白マリが言う通りだよ。あれ、本当は別の名前で別の世界の人が使ってたんだ。で、地球からNBに移り住ませるのが適切だとおっさんが考えて交渉した相手との密約でさ。その時に…アヴァロンという名前を付けさせてもらったんだよね…)


聞けば、その名前は英国に伝わる伝説で、聖剣に該当する剣を石から引き抜き王として選ばれた人物が最後の地として目指した理想郷の名前に由来するとか。


(アーサー王伝説さ。で、その時に引っこ抜いた剣の名前がカリバーン。そしてアーサー王はカリバーンが折れた後に授かったか、あるいはカリバーンを打ち直したのがエクスカリバーってことになってるんだけどね…)


なぜ、痴女皇国世界に戻ったのに聖院のマリア様と心話交信が可能なのかはともかく。


(そもそも連邦世界の人類はさ、聖院側でも痴女皇国側でも第三次世界大戦という大惨事によって大きく力を削がれて将来が危ぶまれてたんだよ。そこにあの詐欺師とかペテン師の言動を繰り返す奴が付け入る隙があったんだよなぁ。なぁ、おっさん)


(うるせぇっ。それに確かに君たちは契約に合意したんだぞ…だから僕もあの船を貸し出したり、更にはMIDIに関わる技術を提供したんだからな…)


で、そういう諸々、元々はそのサン=ジェルマン氏が支配に関わっていた場所で使われていたからくりを造るところから来ていたのだそうですね。


「で。イリヤさん…これからの件やけど、実は聖院世界と痴女皇国世界で、大きく異なる歩みになるやろう件、もっかい言うとくわ…」


ジーナ様によれば、こちらの…痴女皇国世界と繋がっておる方のエヌビーでは、そもそもエヌビー初期に移り住んだ国の者たちを含めて、最終的に痴女皇国と類似の体制へと移行した状態で統治していく事になるのだそうです。


しかし、聖院側では、まさに聖院の統治と類似。


「向こうは痴女皇国ほど露骨に世界のあちこちに介入してへんからな。ただ…その代わりに、ある意味では冷たいとも言えることをやる予定や。NBや聖院の体制を受け入れない場合は滅んで頂くしかない、という現実を突きつけるつもりやとは聞いておる」


ええ、伺いました。


エヌビーの民となる宣誓を行わない場合は受け入れないと。


つまり、今までを捨てて向こうの国の民とならねば受け入れない、とも。


「ただ、全く冷酷に突き放すわけでもないんよ。あっちの火星を可住化改造する。そして、NB来るのが嫌ならそっち行け、とやるそうやな」


(かーさん。ただし条件があるぜ。その際にはあっちの連邦地球に引き渡してるスティックス・ドライブ機関、動かせないように止めちまうから。つまり、最終的には自分たちで恒星間航行技術を開発しない限りはNBに来れなくするんだよ…)


それと、向こうで使っている高い高い塔、地球という星が凍りつくに当たって、一旦は撤去するとかいう話も。


(軌道エレベーターについても作動電源になってるオラトリオってもんがあってね。太陽の周りで回ってる発電用の輪っかみたいなの、提供したのはサン=ジェルマンのおっさんでね…あれを引き上げちまえば、地球の上で代替電源を得るために必死になるのは間違いないから、とてもじゃないけど稼働電力は担保できないよ…何より、地球が凍るんだから、暖房のための電力を確保するのがまず先って話になっちまうと思うね)


つまり、救いの申し出を拒んだ場合は、徹底的に「自分たちで頑張れ」としてしまうようなのです。


では、痴女皇国世界と繋がっている方の連邦地球では。


「こっちは痴女皇国の協力国家であれば、最悪はNB本星に国土ごと転移をかけて持ってくる予定や。既に日本がその措置を受けることに合意しとる。ただ…その際に日本国民には「それが嫌ならよその国に行け」という話をするそうやけどな」


(日本についてはおかみ様の縛りがあんだよね…あのお方、日本から離れられねぇから…だったら国土ごと持ってくるしかねぇんだよ…神宮だけ移設なら楽なんだけど、定期的な建て替えイベントに必要な木とか諸々移植する必要あるんだぜ? しかも配下の八百万神種族全員分をさ…)


つまり、私どもリュネ世界の者以外にも、しがらみをお持ちの方が結構いらっしゃるのですよ。


(ま、イリヤさんたちは苗床の件があるから安心してていいよ。聖院でジジイや父さんや白マリにも聞いたろ?)


(ただなぁ、イリヤさん…これは、アトハ王陛下やリミニ王妃殿下には内緒やで…今回の聖院金衣分祀の件やねんけどな、実質的にあんたがリュネの女王様と家族会はみなしとると思う方がええわ)


あ、それ気付きましたよ。


王が代替わりしても、実質的に聖剣を預かったままになる訳なんですよね…。


(そういうこっちゃ。リミニ王妃はまだしもアトハ王よりは絶対に長生きする訳やからな…痴女種女官としても最高に近いIFFステータスランクを与えられたからには寿命もそれなりやと思うとき…)


そうです。


ことによると、痴女種女官にされたリミニよりも長命である可能性、極めて高いそうです。


そして…逆に、今後は代替わりしていくリュネ王を認証したり、西方族の有力者はもちろんのこと、プロフェ氏族やシュミデ氏族といった要職を輩出している有力なリュネ氏族の代替わりの認証も職務に入る可能性があること、私は気づいてしまったのです…。


それと、せめてルーン大陸支部長の地位はアトハかリミニに渡すべきではないかと進言したのですが、支部長職以上の幹部、あのプラウファーネ氏あたりの位がなくば容易に男性には渡せないとも言われまして…。


そして、リミニは正直なところ、ルーン大陸の全てを任せるにはまだまだ役不足というところもあります。


(正直に言うぞイリヤ。これはお前でなくば難しいだろ…)


(ロッテさんに同じく。おばさまは淫化もメキシコも経験なさってますし、何より痴女皇国やえぬびーからの出向の方々と顔見知りじゃないですか。淫化の立ち上げと似たことしてたらいいんですよっ)


気楽に言うなエマネ、と思うたのですが、考えてみれば今の私の地位だと、相当な要職者の支援を要請できるんですよね…。


(そゆこった。イリヤさんに金衣能力を常時付与して聖院金衣の分祠にする件だけどさ、初代様や二代目様だけじゃなくて監査役のお二方…アレーゼおばさまもマイレーネさんも、あたしに何も聞かずに稟議書へ電子印鑑だけどはんこついてるからね)


あうあう。


(でさ、アトハさんとリミニさん、今個室でしっぽりやってるだろ…その間にさ、ちょっとアルト仕様のマルチモード白金衣のイリヤさん用バージョンの試作品が出来たから試着して欲しいんだよね…)


はぁ。


(おーい冬樹くーん。ちょっとイリヤさんの新しい制服作ったからちょっと感想聞かせてよ。君に聞いた希望も入れたからさ)


え。


いつの間にそんなもんおききになってはるんですかマリア様っ。


しかし、次の瞬間。


リュネ剣聖の姿の痴女皇国仕様を着てたはずの、わしの姿はおもっくそ変化しておりました。


そして、聖環自撮り機能どころか、ジーナ様やメリエンの視覚を借りて拝見しても、わしが絶句するに値したのです…。


で、ジーナ様がマリア様のおられそうな方角…れっしゃの前の方を向いて申されるには、ですね。


「おいマリ公。クレーゼさんの金衣衣装かこれ。なんぼなんでもちょっとやりすぎやろ!今すぐ手直しせぇ!」

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