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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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王の帰還 -Reditus Regis-・4

ええと。


目の前にあるのは、輿とかいうものですね。


つまり、人が集団で担ぐもの。


これ、何のために用意されたのかは明白です。


要は、この上にアトハとリミニ…つまり、新しいというか王位に復帰したリュネ王と王妃を載せて、悪魔の谷駅まで二人を送ると魔王が申し出ておるのです。



ううむ。


しかし、その輿で練り歩くのはまだ良しとしても、わしとかエマネはどうするのか。


その疑問をぶつけると、魔王は体で答えを出したのです。


なんと、魔王の背中から巨大な腕が生え、わしらを両肩に乗せるような感じで抱え上げたのです。


そして、どういう訳かロッテも同じことをして、メリエンを抱えとるのです。


魔毒は大丈夫かとか思いましたが、マリアリーゼ陛下が「いいからそのまま歩こう」と言われるのです。


これは、全くの予想外。


しかし、これまたマリア様いわく「リュネ族を下にも置かないという意志表示だっていうんだから、好意として受けておきなよ」とか申されるのです。


で、魔王城から駅…そして悪魔の谷城へと向かう街道を進むわしらですが、先頭はマリア様です。


実は、学園都市から魔王城に集まる際に、わしやエマネ、そしてメリエンは飛んで来たのですよ。


ただ、いくらアトハもリミニも含めて飛べるとは言えど、招いた客をそのまま帰すのも無礼だろうという魔王やロッテの判断があったようです。


そして、淫化帝国での公式行事では皇帝は輿に乗るのをロッテ経由で知らされていた魔王、輿を用意しておったと。


で、馬車らしきも一応はあったリュネですが、輿にした理由は…。


ええ、悪魔の谷から駅までの道で、聖母教会荘園で働く西方族や、監督役の尼僧たちが作業の手を止めてわしらを見送ってくれるのです。


そればかりか、徐々に生徒の数を増やしつつある学園都市で学んでおる子らが、引率の教師と共にリュネ王国国歌とかいう、新しく作られた歌を歌っておりました。


ええ。


恥ずかしいお話ですが、長く続いたいくさの中で、リュネではフランス王国やかつてのイタリア諸国のように詩文や絵画彫刻はもちろん、楽曲や踊りといった芸ごとの発展に力を割く余裕などはこれっぽっちもありませんでした。


そして、事情は西方も同じ。


で、これはまずいと私どもに助言されたのが、マルハレータ殿下やフラメンシア殿下、テレーズ殿下だったのです。


その助言は、学園都市で学ぶお子らの授業内容はもちろんのこと、西方民を管理する荘園の聖母教会での初期教育にも反映されました。


西方民やリュネの成り立ちといった歴史を学ぶのはもちろんのこと、今の西方に流行らせるのが良いとされた民族の歌を歌う科目が導入されたのです。


で、淫化帝国でも女裂振珍でも始められております「楽器の導入」。


これも、そう遠くない将来に予定されております。


つまりは、聖母教会の荘園で苗床に餌を与える「あれ」をしたり、教会や農園などでの雑務をこなすだけではなく、才覚があるものはそういう分野へも挑戦させてやろうという試みなのです。


(読み書き自体は聖母教会の初期・初等教育でなんとかなるとしてもだな)


(あのエロ本自販機がこういうところで威力を発揮するとは…あれ確かに文字が読めて数字の勘定ができないと買えなかったり、文字入りの本を買ってもあまり面白くないんですよね…)


(エマネは挿入器具や離魔などであれの効き目を散々に見てるでしょ…内容が内容だけど、あれは人、特に男を勉学に駆り立てるには確かに効くのがわかったわ…)


それなんや、とアトハとリミニが言ってますけどね。


とりあえず、駅にも自販機があったはずなので何か一冊を買ってあげますから、れっしゃの中で読みなさい。


(おばさま。私のはちょっと避ける方向で)


(ならエマネが買ってあげなさい。あれは前に立った者の聖環と交信しておすすめを出すからくりが…はっ!)


えーと、もしかしてそれだと、わしのが出て来る可能性ありますね。


(私が買うから…あ、エマネ…リュネ体液国民会の新規加盟者向け教材資料購入費として伝票上げておくから、経費承認は頼むぞ…)


で、このリュネ体液国民会についての説明、ベラ子陛下あたりから聞いておられなかったかなーとか思いましたが、こっちはエマネやロッテの方が詳しいので、アトハとリミニに改めて教えてもらいましょう。


(なるほど、淫化帝国なる国に厄介になっておる関係で王を名乗りづらかったのは耳に挟ませてもろうたが…確かに、一国に二人も王がおるのは不自然ではあるわのぅ)


(で、一方の淫化帝国も王道楽土となるならばと私たちを受け入れてくださったのですよ…)


そうそう。


確かにリュネは借り物とはいえど新たな領土を手に入れた訳ですが、では淫化との縁が切れて無くなるのかと言えば、全然そういうことはないのです。


むしろ、リュネ王城と炸砕岩満神殿を結ぶ転送陣を改良した常設げーとが設けられております。


というよりは、リュネ世界にあったものをルーン大陸に複製移築された王城へ繋ぎ直しておる代物。


なぜにこれがあるかと申しますと、淫化神官にリュネ族の翼を与えるのと、高地で調理の燃料にも困る淫化で調理剣を扱わせる必要があるからなのです。


つまり、淫化に届けられる調理剣はもちろん、受精らんしとやらの提供を含めた子作りのために、リュネの者が淫化に赴く必要があるのですよ。


まぁ、子作りについてはエマネなどがおりますが、現在ではルーン王城市にその大多数が帰還してはおるはずなのです。


なぜならば、淫化は西方同様にある程度は淫化人の統治を進めることで、自立できるところは自立させていこうという方針が痴女宮本宮から出ておるからです。


そして、淫化に移り住んだリュネ族で、希望する者は新しい国土への帰還を許す方向で行こうともされました。


(ただ…いずれまた、同じ空の下で暮らすことになるから慌ててルーン大陸に移り住ませなくてもいいとも思うんですけどねぇ…)

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