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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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王の帰還 -Reditus Regis-・3

「では剣聖イリヤには、改めて王国の新たなる要職について就任の要請を致すものとする。リミニ、ヤスニ氏族全てに関わる件でもあるゆえに、そなたからイリヤに話を頼む」


「ではイリヤ姉様、改めまして西威(せいい)大将軍(たいしょうぐん)なる新しき軍将の位、我が王アトハより提案がございました。この位、ルーン大陸なる新しき領地の西方につきまして、鎮護と見張りの統領となることを王家より任じるものでございます。姉様におかれましては、よろしく就任ご検討の程を…」


つまり、この後でアトハとリミニはルーン王城市に向かい、王城への帰還を果たします。


そしてそれには、わしも同行することになっております。


んで、わしがこの将軍とやらに就任する話を受けるのであれば、王城帰還と王座再就任の式典上で、わしを公式にルーン大陸西側の守護者職として任じるから、王夫妻がルーン王城市に到着するまでに受けるかどうか決めてくれということなのです。


うむむむむむ。


で、この件もあらかじめ、関係者の間でネマワシと内諾の話があったのです。


そして、ルーン大陸の中央から西側を、西方民が主に住まう土地として、その自治を監督する立場にわしをつけて政治をさせようというのはどうかというのが、痴女皇国側から出た提案なのです。


(オーストラリアで言うと、クイーンズランド・ニューサウスウェールズ・ビクトリアの三つの州をリュネ直轄領としてリュネ族の種族保存を兼ねた直轄地にしたいということですね。で、ルーン大陸の西側三分の二を西方族の領地として、イリヤさんがリュネ王から任じられた将軍の立場で比丘尼国の幕府に相当する統治代行機関を作って治めていいってことですよ)


と、ベラ子陛下には聞かされるのです。


じゃ、東側どうすんのって話になりますよね。


これは、アトハ率いるリュネ王国の体制を維持していく場としたいと。


または、東側でも西方族を居住させて魔尼派聖母教会の荘園に勤めてもらうが、そっちはリュネ王城の直轄で良いと。


で、なんでこうするのか。


一つは、リュネ族の特徴はリュネ族同士で出来た子供でないと継承されないという問題が絡んでいます。


で、炎剣操作能力や背中に翼を生やして飛ぶ能力は、西方なら西方民とリュネ族の間で作った混血の子に受け継がれますけど、その力は純血のリュネ族より弱いのが通例だったのです。


そして、混血者がその能力を子に引き継がせたいとした場合は、リュネ族とその混血者の間で子作りをしない限り、リュネ族の特徴が出た子は産まれません。


ですから、リュネ族の見た目もさりながら、リュネ族のリュネ族たるやの能力を受け継がせるためには、リュネ族同士で子作りするのが極めて好ましいのです。


で、旧来のリュネ大陸では、なんで混血者が産まれていたのか。


男女どちらの戦士も、実戦での魔毒抜きの相手は主に、西方族だったからです。


つまり、混血の特徴である肌白ではない者たちで部隊を編成できる程度には、数がおりました。


しかし、先ほどの「片側の親がリュネ族でないと、リュネ族の能力は引き継がれない」一件がありますので、西方の者とはもちろんのこと、混血者同士で子作りをするとその子は西方民と同じ程度の力しか持たない上に、翼も生えないのです。


では、混血者がリュネ族と子作りをすれば、どうなるのか。


親よりもずっとリュネ族の見た目に近い上に、能力を受け継いだ子が産まれます。


これが、どういうことを意味するのか。


リュネ族の能力を維持するのであれば、絶対に純血のリュネ族が必要となるのです。


そして、今後のルーン大陸にあっても、リュネ族の能力は完全に不要ではないとされています。


(ちょっと聞きたいんやけどな…かつてのリュネで、魔族を迎撃する時に空中戦ってやっとったん?)


あ、これジーナ様ですね。


で、ジーナ様。


マリアンヌ様がテレサ様の子育てのために一時的にエヌビーの首都に滞在することとなりましたが、その際のルーン大陸の総督のお勤めをマリアンヌ様の代わりに行われるため、分体をこちらによこしておられます。


つまり、アトハやリミニが復活してリュネ王家を存続させる立場となりましたが、その際に王城を改めてこの二人や王宮勤務予定者に引き渡す立場でお待ちなのです、向こうで。


で、ジーナ様の質問の答え。


(やってませんでしたね…低空であればまだしも、ジーナ様が想像しておられるような、そちらの飛行機同士のいくさめいたことは無理なのですよ…魔族でもせいぜい、一度火炎を噴く程度ですねぇ)


つまり、強大な魔族であっても飛行時に火線を噴いてこちらを焼き払うとかする場合は、それに応じた頭数がおらねば無理です。


必ず、一度は地表に下りて火炎吐きに必要な魔毒を蓄積するか、さもなくば低空飛行するかの行動を取るのです。


もっとも、その事情はわしらリュネ族でも似たようなもの。


理由は、魔毒の濃さにあります。


上に上がれば上がるほど魔毒も薄まりますから、はるか高くからこちらを見下ろして火線を放つのは困難なのです。


そして、魔族の炎はその身体の構造上、炎剣ほどには長距離長射程で放てません。


ですから、絶対に地表近くで火を吐いてくる性質があったのです。


(だから逆に、人さらい魔族の部隊を地表から迎え撃てるリュネの方が有利だったのですよ…)


そうです、言い切ってしまうなら、魔族の飛行とは単なる移動手段に近かったのです。


そしてリュネの者でも事情は類似。


例の魔毒防御の杖ですが、あの杖と類似の作用で、そこらに漂っておる目に見えぬ魔毒を集めては炎剣で反応させて火炎を放つことになりますから、魔毒濃度が濃い地表近くの方がより強い火箭を放てるのです。


(うちらの空中戦と真逆やな…いや、落下物や降下物の迎撃と事情は類似か…)


お聞きしますと、上空から落とされたり降りてくる何がしかを迎え撃つための対空砲というものが存在するそうですね。


みさいるとか申す、勝手に敵を追いかける砲弾はリュネにはありませんが、魔族の中には類似の行動を取るものがおります。


しかし、これとて飛行速度は魔族のそれ。


地表から見ておりますと速い部類ですが、そちらの飛行機よりは圧倒的に遅いのです。


痴女皇国に厄介になった後で、リュネ以外の地で聖剣を使ったことは幾度かありますが、魔毒の存在しない場所では巨大な魔毒電池とでもいうべきものを使って供給を受けての使用となったのです。


または、わしが限界まで魔毒を翼周りに蓄積してから撃つとかしておりました。


つまり、炎剣を撃つにしても、火炎を吐くにしても、地面に降りてからの方が楽なのです。


で、魔族もそれを理解しておるいくさの評定役が指揮してましたから、火炎攻撃が不能となる前に必ず兵隊魔族を後退させ、まだ火を放ってはおらぬ兵隊魔族と交代して戦線を維持しようとしていたのです。


(長篠の鉄砲隊の戦いと類似やな…連邦世界の比丘尼国やと、鉄砲で二射目を放つ準備に時間がかかる時代やったから、一発目を撃った兵は後ろに下がるかその場で再射撃の準備をする。で、交代で撃つ兵が側におって弾幕を途切れさせへんかったんや…)


なるほど、わしらと類似のこと、やってたんですね。


もっとも、エマネやわし、さらには剣豪四天王のような豪剣以上の者がいれば迎撃は比較的容易だったのです。


より威力の高い遠距離炎撃を放てるのはもちろん、連射ができますから。


そして魔毒が溜まった戦士は後退して魔毒抜きをしとったのです。


(その代わりに防御の陣からは、あまり突出できないのですよね…)


(まぁ、何となく用兵のイメージは掴めるわ…)


ただ、人が相手ならこの制約、今やなくなりました。


遠距離からドレイン…精気を奪えば済むからです。


そして、ドレイン銃とか申す武器の機能、新たに炎剣に備えられました。


これならば、からくりはともかく、人が中におれば吸い取ることができますからね。


むろん、魔族であっても。


(つまり、有人の飛行機が相手なら空中戦は不可能ではない、と)


(ただ、痴女種化されても飛行の原理は元のリュネ族や魔族と同じですから、飛行に必要な魔毒濃度がある高さまでしか上がれません。または魔毒電池からしょっちゅう吸うかですねぇ)


(まぁ、今後のNBへの人の受け入れ態勢によっては、あまりよろしくない考えのもんが来るかもわからんからな…どの程度、連邦世界の地球程度の水準の戦力に対して防御が可能かを知りたかったからこういう質問してん。あ、イリヤさんとかエマネちゃんが別格や言うのは模擬戦で理解しとるからな…)


(フランシスカさんも言ってましたね、私やエマネだと、そっちで言う核兵器とかいうものに匹敵する爆炎が撃てると…)


そう、リュネ世界の縛りがない場合、魔毒量は必要ですが、かつてのリュネでは射つことを憚られた強大な火箭が放てるのです。


ただ、元のリュネ族の身体のままであればあまり無茶をすると一発で寿命が来ますが、これとて黒薔薇騎士以上の強力な痴女種の身体であれば連射も可能なのが判明しております。


(で、リュネの人らのその炎剣の能力、どっちかいうと防衛戦向きやと思うからな…魔族の皆様は魔毒で汚染しながら侵攻するのに特化しとるようやけど、基本的にリュネ世界の類似の魔毒濃度がないと戦闘能力を確保できんゆうことで議会では説明しとくわ。なんせイリヤさんらや魔族の皆さんがこっちを侵攻するんやないかとかいらんこと言い出しとる野党議員のお方がおってな…まったく、予算委員会で変な質問すんな言うねん…)


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マリア「なんか日本の予算委員会みてーな事が起きてんのな」


じーな「そういう質問は国防軍事委員会でやってくれと前置きしてから話しよ思うとるけどな」


マリア「あれだ、かーさんとこ、つまりNB政府が策定した国防予算にケチつけてぇんじゃねぇの?」


じーな「で、その野党議員の頭の中はうちに筒抜けやさかいに狙いもわかっとる。リュネの皆様が仮に侵略や征服の意思に目覚めてこっち攻めて来たらどないするねんということで、現政府が無策やと言いたいわけよ」


マリア「国会答弁あるあるだな…でも、日本のそれよりマシじゃねぇの?」


じーな「で、痴女種女官化で縛らせて頂いている以上、謀反はありえんというのが首相もうちも理解のうちやねんけどな。もっとええ返しで返してやろうとな(にやにや)」


マリア「…あー、なるほどなぁ、そういう理屈もあるよな」


いりや「何を申されるんでしょうか…」


じーな「いや簡単や。「リュネ族や魔族の驚異的な戦闘能力は既に散々に分析されておりましてですね、防衛または大量の拉致に向いた機能にそれぞれの種族が特化しているのもまた判明しておりますが、その攻撃能力そのものが極めて高いのも事実であります。ですので、リー議員の懸念ももっともなお話とは存じますので、対リュネ族や魔族迎撃の戦闘に特化した兵員の養成を自軍で行うか、もしくはテンプレス・セキュリティに一時委託するための追加予算策定をさせて頂く参考意見として、リー議員のご質問を受け止めたいと存じます」って感じやな」


あぐねす(つまり、あの◯国系の野党議員の質問を契機として防衛予算追加オカワリの話にすり替えてしまうわけね…)


じーな「連邦政府議会他で防衛予算ぶんどる常套の手口ですわ、いらん事言うてきたらそれを理由にして予算増やさしてもらうでーゆう返し入れますねん」


マリア「さすがおばはん、いやらしい質問をエグい回答で返しやがる(爆笑中)」


あんぬ「うちのかーさんも大概、言うこと言う方だもんね…」


あぐねす(なるほど、野党が騒げば騒ぐほど「じゃあ防衛戦力強化しますね」で終わる話よね…)


じーな「まぁ実際のところは聖母像からの精気供給カット一発でカタつくんやけどな…ただ、それ言い出すと痴女種の危険性の問題に気づかれて余計な質問を始められても困るさかいにな…」


マリア「確かに、下院議員の中から行方不明者を出したくはねぇよな、なるべく」


じーな「なお、黙らせるのは割と簡単でな…フレミング機関の外事三室と国内対策室の職員数名動かしたらええだけや。ただ、予算委員会終了後にやる方が世間の注目のない時期になるからなぁ(悪い顔で)」


すくるど「で、この件だけどさ…せっかく決めた人間の運命捻じ曲げる依頼はなるべく無しにしてよ、ジーナ・高木…」


じーな「つまり、ほんまはスクルドさんに頼むんが実は一番、工作がバレづらいんや…言うなれば生きたデ◯・ノート…書けばそいつの未来がこっちの書いた通りになるゆうアレでな(にやにや)」


マリア「まぁ、下半身のスキャンダルや表に出せない金の出入りとかな、色々見つかるのが無難だよな」


じーな「うちの身体の祖国のハゲが得意やったような、直接的で分かりやすい方法はNBではさすがにな、あれはな…」


マリア「まぁ、そういうしょうもない事を聞いてくるような人の私生活や実態こそが不適切だったって方が、世間も納得するよな…」


じーな「ふほほほほほほほほ」


すくるど「ほぉーっほっほっほっ」


あぐねす(HeHeHeHeHe…)


いりや(テレーズ殿下が言う通りですね…英国人はこういう回りくどい事が大好きだから裏工作なんて大喜びでやってくるって…)


じーな(うちはもともとロシア系日本人やて!)


マリア(あたしその娘で半分NB人なだけだよ!)


すくるど(私に至っては北欧神種族…あの国関係ねぇし!)


あぐねす(私なんか単なるNB人よ…)


他全員(アグネスさんがこの中では一番に実質英国人な件!)

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